モブ令嬢なので大丈夫……じゃなかった!?えっちな乙女ゲームに転生したら最推しエリートの公爵閣下に溺愛されてます
2024年1月刊蜜猫F文庫著者:熊野まゆさん過激すぎてリタイアした18禁乙女ゲームの世界に転生したことに気づいた伯爵令嬢マリア。だが彼女はゲームの世界には居なかったただのモブだった。前世の経験を生かし魔法を使ったプリザーブドフラワーの開発にいそしむ彼女は最推しだった花好き公爵、トラヴィスに業務提携と婚約を申し込まれる。「きみが欲しくてたまらない」大好きだった人に望まれ嬉しいけれど、えっちなゲームの内容を思うと受けていいのかためらわれて!? ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 マリア=前世の記憶を持つ伯爵令嬢。トラヴィス=ゲーム「ドキロマ」の攻略対象の一人。 マヌエル=ディラ国の王太子。チェルシー=王太子妃でゲームのヒロイン。 ジェナ=トラヴィスルートの悪役令嬢。ブリザードフラワーの研究開発に明け暮れている伯爵令嬢・マリアは前世の記憶を持っていた。ここが生前の彼女がプレイしていた18禁乙女ゲーム「ドキドキ☆ファンタジーロマンス」(通称「ドキロマ」)の世界だと気付いたのはマリアが15歳の時のこと。18禁と付くだけあって過激なイベントてんこ盛り、さすがに耐えかねてリタイアしたものの、国名に王太子とその妃となった人物の名前が、ゲームと同じなので疑うべくもなかった。でも、マリアなんてキャラは登場していなかったような。エンディング後の世界とはいえど、きっと自分はモブ中のモブに違いない。前世と同じく、今の人生でもブリザードフラワーを作りたい。当然薬品や機器などは無いのだが、この世界には魔法があった。マリアも水属性の魔法が使えるためそれを応用し、おかげで予想よりも早く商品化できそうだ。せっかくなのでマリアンフラワーと名付けてみた。そんなある日、噂を聞きつけてカーライル公爵が是非協賛したいと伯爵家を訪れた。トラヴィス・カーライル、彼こそ前世での最推しキャラ。いざ対面するとあまりの格好良さにクラクラする。彼は随分とマリアンフラワーを買ってくれていて、公爵領の生花業も協力できるはずと話し、マリアと婚約したいとまで言い出した。王太子・マヌエルの友人で五大元素の魔法を使えると言うエリートからの申し入れに両親は大喜び。もう嫁に出す体で燥いでいた。事業提携するには実際に公爵領の花畑を見てもらいたいと少々強引に連れ出されたけれど、何か妙に好感度高くない?のっけから婚約話が出たので、それとなく本気ですかと尋ねれば、当然だとばかりに肯定されて困惑。リタイアしたので、彼のルートもクリアできていない。でも監禁とか結構物騒なエンディングだと聞き及んでいた。だが、SNSでの情報によればトラヴィスには溺愛エンドもあるらしい。当時も興味はあったものの結局そのままだったんだよなぁ。だから、先行き不明過ぎて不安しかない。公爵領では、トラヴィスの優秀さにひたすら感激し、一方マリア自身も自覚が無いながら非凡な才能を見せ彼に惚れ直されていた。後日、トラヴィスから正式に婚約を申し込まれ、ひと月後には婚約披露パーティーも開催されることに。マリアはその会場でトラヴィスルートの悪役令嬢・ジェナと遭遇。彼に憧れる令嬢は多く、妬まれるとは覚悟していたが、侯爵令嬢のジェナは身分もあってかマリアを見下しているようだ。相応しくないとかアレコレ言われたけれど、挨拶回りをしていたトラヴィスが隣に帰って来ると慌てて逃げて行った辺り、彼に嫌われたくないんだろう。暫く経って、二人は結婚。婚約時から理由を付けて公爵邸で同居させられてたので今更だが、やはり感慨深い。色々謎だけど、こうして結婚に行き着いたのはエンディング後の世界だからだろうか。結婚して一層マリアを溺愛し、どこへでも彼女を伴い出掛けていたトラヴィスだったが、そろそろ忙しくなると言う。そんな彼には、先日自分の前世のことと、ここが架空世界であることを明かしていた。一風変わった所も好ましく思われてはいたものの、やはり不思議に思う面もあったようで、問い詰められた結果だった。前世のことを明かしてもトラヴィスの態度は全く変わらず、愛してくれているのは本当にありがたい。彼はジェナが悪役だったと聞くや眉をひそめていて、どうしてか尋ねると、彼女の父・アトリー侯爵には謀反の嫌疑がかかっているのだとか。その対策の為に忙しくなると言う彼は、ジェナにマリアが妬まれているのも気にかかっているようで、危機に陥った際にトラヴィスがその場に転移できる魔力を込めた石をネックレスにして彼女に渡した。その日、トラヴィスに付き添い、王宮にやって来たマリアは王太子妃となったヒロイン・チェルシーと初対面。気さくな彼女とすぐに仲良くなり、マリアンフラワーを使った小物を今度プレゼントすると約束。話し合いを終えたマヌエルとトラヴィスとも合流し、迷路ゲームで遊んでいたマリアは、マリアンフラワーに不具合があったとアトリー侯爵家に呼び出され・・・。当然、これはジェナによる罠なんですが、潔白を示すためにチェルシーも付いてくることになり、断れない状況。屋敷に着くと何だかんだ理由を付けてチェルシーと引き離されたマリアは、ジェナの幼馴染の伯爵令息・ベンに襲われます。この国には、どんな理由があろうとも既婚者が配偶者以外と関係を持ったら即離婚という、性犯罪被害者に優しくない法律がありました。ジェナはそれを狙ってマリアを襲わせるも、例のペンダントのおかげでトラヴィスとマヌエルが駆け付け事なきを得ます。しかし、弱みを握られているのかベンは今回の件は飽く迄自分の独断だとしらを切り続けたせいで、侯爵親子を罪には問えず。ならば謀反の罪でしょっぴいてやるとトラヴィスが怒りに燃えていた頃、チェルシーのお茶会に出席していたマリアをジェナが氷魔法で周りを凍らせ誘拐するという暴挙に。魔法を無効化するという塔に立て籠もり、マリアを人質にする侯爵達でしたがまぁヒーローを怒らせる方がバカだよね、とあっさり御用。無事、救い出されたマリアは諸々の出来事を思い出し、これが噂の溺愛ルートだったんだなと気付いて幕。地味で何処にでもいるような自分はてっきりモブだと思いきや、実は幻のエンディングのヒロインでしたって言うオチ。最近割と出て来るパターンながら面白かったです。ヒロインが自覚なくとも前世含めハイスペックな所も良いし、全ルートクリアの猛者というわけでもない。過激すぎる内容に居た堪れなくなってリタイアしてるせいで、暗中模索の中、最推しのヒーローに溺愛されて幸せになるお話。評価:★★★★☆