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カテゴリ:ビーズログ文庫
2023年5月刊 ビーズログ文庫 著者:夢見るライオンさん 借金返済のため、若くして余命わずかな高齢貴族のもとへ嫁がされた男爵令嬢クロネリア。 ↑楽天ブックスより、あらすじ引用 登場人物 クロネリア=男爵令嬢。結納金目当ての父の命令で余命僅かな高齢貴族に嫁ぎ、 その最期を看取る「看取り夫人」と呼ばれている。 イリス=クロネリアが3番目に嫁いだ公爵家の跡取り。 スペンサー=公爵家の当主でクロネリアの契約結婚相手。 アーク=イリスの弟。 ガーベラ=クロネリアの妹。 ハンス=伯爵家の子息でクロネリアの元婚約者。 先週発売の新刊なので、ざっくり目に。 余命幾ばくもない高齢の伯爵に嫁ぎ、その最期を看取った男爵令嬢・クロネリア。次に嫁いだのは病で寝たきりの侯爵。 どちらも当初より寿命を永らえただけでなく後顧の憂いなく旅立たせたことから、彼女の「看取り夫人」としての評判は非常に高い。 借金塗れで強欲な父は、引く手あまたな娘を、今度は病に伏せるスペンサー公爵に売りつけた。 クロネリアの結婚もこれで3度目。 公爵が亡くなればバツ3となり、いよいよ普通の結婚は難しくなる。 恐らく、父は家の為に一生「看取り夫人」として彼女に稼がせるつもりなのだろう。 スペンサー家にやって来たクロネリアは、当初家人達に歓迎されていなかった。そもそも、依頼人である跡取りのイリスは、彼女によって公爵の延命を期待していたらしく、クロネリアにきっぱりとそんな力は無いと否定されてガッカリしていた。 当の公爵も妻を失くして以来気落ちし、病を患いいつ亡くなってもおかしくない状況で、幼いアークからは彼女は虫の様に嫌われる始末。 だが、クロネリアの気遣いと優しさのおかげで、公爵の容態も若干持ち直し小康状態が続くと、それに伴なって誤解も解けたのかアークの態度も軟化。クロネリアに懐くようになった。 一方、実家の男爵家に搾取され続けるクロネリアの状況を知ったイリスは、父が亡くなってもこの家で暮らせないかと考えていた。 そんなある日、男爵家の娘として碌な娯楽を経験していないクロネリアの為に知り合いの貴族が主催するサロンへやって来たイリスは、そこで彼女の異母妹のガーベラとその婚約者・ハンスと出会い・・・。 身勝手な家族によって人生を台無しにされかけた不遇ヒロインが、3回目の嫁ぎ先にて幸せを見つけるというお話です。 貧乏なくせに3人も夫人を持つヒロインの父のせいで、立場の弱い彼女の母を盾にとり、裕福な高齢貴族の元に嫁に行かせ続けます。 でも、心優しいヒロインのおかげで夫となった人達は安らかな晩年を迎え、穏やかな最期だったことから評判が評判を呼び、彼女を妻にしたいとの申し込みが殺到。 強欲な父親は結納金でガッポリ儲けられると、一生娘に「看取り夫人」をさせる算段でした。 そんなヒロインは3番目の家で、誤解から最初は苦労するものの、後に公爵家の跡取りと恋に落ち、漸くハッピーエンドを迎えます。 「看取り」と言うテーマのおかげで、色々考えさせられる内容なのですが、とにかく幸せになって良かった。まだ18なんだから人生を諦めるのは早い。 前夫達を始め、公爵家の面々が皆良い人達ばかりで、実家が実母以外の者たちが最低だっただけに、赤の他人の優しさが沁みるんです。 評価:★★★★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.05.23 12:25:45
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