9:00過ぎ目が覚める。入れ替わりでさやさんとナツ就寝。指人形は実にアバンギャルドな仕上がりになっていた。田村さん、あさくらさん、白A阿部さん、菱沼さん、犬養さん、橋本さん、彦坂さん、藤本さんにメールを返信する。なぜか彦坂さんへのメールが帰ってきてしまうので、IGLOO BBSに書き込んでおく。10:30頃、関さんから電話あり、今日の確認など。相馬さん、遠藤さん起きて来る。こんどテニスが共演するというウィスット・ポンニミットの漫画を読む。最初は軽い気持で読んでいたが、徐々にヘヴィーに。白けた絵の影の深刻さに襲われる。ナツ起床。12:00、起こしてくれと言われていたのでさやさんに声をかけるが起きず。モンクなど聴く。中崎さんから電話あり、ドラムの調達の件。関さんに電話し、こちらに来てもらうことにする。相馬さんが新作「うみ」の別バージョンを見せてくれた。音も入っていて、しばし魅入られる。静止画像にすると更に凄い世界が展開することも知る。さやさん起きてきて、ナツとりんごホットケーキなど作り、砂糖とレモンで食す。関さん、中崎さん&伊牟田さん来る。荷物を積み込み、中崎カーには伊牟田さんとさやさん、関カーにはナツと僕が乗り込み出発。3:30、予定通りSDLXに到着。既に礼子さん、サイトウさん、大谷さん、シュウさんが来ていた。間もなくアンナさんも来る。工藤さんは近くの喫茶店でスコアを準備しているという。川手カーも到着し、movie'sの面々が現れる。川手さんとは前に法政でちらっと見かけたことがあったが、話すのは初めて。フレンドリーな感じで嬉しくなる。ナツ作の指人形、絵本など好評につき、すべてmovie'sへのお土産となる。movietoneのリハの間に、さやさんが寄せ書きみたいなのを回してきて「何か一言書いて下さい」と言うので、うっかり「愛」とか書いてしまう。4:30頃、植野さん登場。movietoneのリハも終了、工藤さんも出現し、俄かにマヘルムードとなる。それぞれセッティングを終え、何やら不穏な咳をしている工藤さんが全員にスコアを配りながら説明をする。これまでのツアーの曲目プラス何か、と予想していたので面喰らいつつも、そうか、これがマヘルなのか...と妙に納得する。しかしブラスの人達は転調が大変そうだ。今日のメンバーは一気に増量して、工藤さん、礼子さん、中崎さん、植野さん、さやさん、川手さん、サイトウさん、大谷さん、アンナさん、シュウさん、伊牟田さん、ナツ、関さん、そして九州マヘルからサックスの城戸さん、&僕。前回のSDLX同様、客入れ中の時間もリハに使用。ああ、余裕が無い。というわけで無情にも本番開始。1曲目はハコに合わせて復活した声バージョンの「beach」。この無気味な感じは好きだ。2曲目「ブリストルの夕日」。ブラス増量により、どっしりした音になる。3曲目は新曲の「19/4/04」。なぜか日付けが未来になっている...。工藤さんが最初にピアノを弾き、皆がそれに続く方式。下降する哀調メロディー。4曲目「psalm 136」。中崎さんの朗読が入る。音がスカスカで、ひんやりした感じになった。5曲目「アーとaー」。合唱曲。リハでは皆に「声を空間の隅に向かって矢のように飛ばす」という指示があったが、ちゃんと飛ばしたのは植野さんだけだった。6曲目「かいぶつは...」。これは今日が初めての曲で、スコアと歌詞カードを渡される。シュウさんがチェロで活躍。全体の音が出て、工藤さんが歌い始めてその全貌が明らかになる。不穏なアンサンブルに現代詩のような日本語の歌詞が乗り、かなり好み。7曲目「抜け道」。NHKで演った時とはベースの指示が変更されていて、ブラスの音とバッティングするようになっている。引き続きシュウさんのチェロが良かった。8曲目「asahi」。さわやかな小品。9曲目「desperate」。これも今までとは微妙に異なるリズムを指示されたが、結局いつも通りの感じになってしまった。続く3曲はツアーでお馴染みだった曲が連なっている。10曲目「エチオピア」。植野さん生音でよくぞここまで...というぐらい吹きまくる。11曲目「suspended season」。間奏は混沌となりリズムを取るのに苦心する。工藤さんのギターの音が良かったので、それが芯になっていたかもしれない。あと、最後のさやさんの一音がめちゃくちゃかっこ良かった。12曲目、テーマ曲「鎌倉」。今日の編成でどのようになるのか最も興味があった曲だが、勝手が分からないせいか今日からのメンバーは案外おとなしい。エンディングもしっとりした感じ。13曲目「まっているあいだは」、礼子さんの新曲。突如として巨大な悲しみのムードに包まれる。サイトウさんのバスクラが曲に合っていてとても良かった。14曲目「sometimes I remember you」。去年の曲だが、マヘルで演奏されるのはこれが初めて。前に一度工藤さんからこの曲の弾き方を教わっていたのを思い出して弾く。15曲目は唐突にセットに登場した旧作「who are you?」。何度も繰り返されるパンク演奏。工藤さんの声のうわずりが名人の域に達する。16曲目、京都で一度やった「faux depart」。そしてここからは日付けシリーズ。17曲目「17/4/04」は断固とした感じ、18曲目「4/4/04」は八木耳鼻咽喉科に似た感じだった。19曲目「7/4/04」はバーッと広がる感じだ。20曲目「21/1/04」は緩やかなメロディーとマツヤマヘルのリズムを組み合わせた野心作。なるほど、終わりという感じがする。予定ではここまでだったが、合議のうえもう１曲、最後に「loving」を演奏して終わる。終了後、鯉淵君に約束のものを渡したり受け取ったり、西川さん、小林さん、大内さん、小野崎さん、浜田さんらと挨拶する。浜田さんに「ベース、まあまあ良かったですよ」と言われる。しばらく客席でmovietoneを観ていたが、異様に疲れてきたので、楽屋スペースに戻ってぐったりしながら聴く。ケイトさんは京都で風邪をひいて大変そうだったが、さすが本番は全く崩れることなく誠実にこなしていた。途中から植野さんが歓声を飛ばす。「beach」素晴らしい出来。movietone終了後、大久君と話すことができた。ふと見ると物販コーナーでナツがパニクっていたので手伝う。東京でもなかなか盛況。終了後、荷物を積み込み、関カーにさやさん、ナツ、僕で乗せてもらいマジキックへ戻る。車中で今日の事など話す。植野さんは先に戻っていた。ナツが打ち上げの親子丼を作成。植野さんの味覚への飽くなき追求を目の当たりにする。そこから植野さん、さやさん、関さん、ナツ、僕で朝5:00までトークトーク。僕は話しながらソファで寝た。
