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碁法の谷の庵にて

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2006年07月23日
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テーマ:囲碁全般(745)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 タイゼムで、わたいご以前の自戦記に相応しい碁を、それに相応しい相手と打った。
これは書かない手はあるまい。

 一番下にあるSGFの棋譜を石葉なりopengobanなりに貼り付けて、さあ私の勝負の世界にいらっしゃい。


 相手はタイゼム7段。
 誰かは知っている。まだ中学生ながら私の住む県の若手ホープの1人で、nipparatさんやdasさんたちにとっての山下寛くんみたいな人物、hide-wさんは彼をわたいご選手権参加者に勧め、2ちゃんねるではわたいご選手権には風の精より彼を入れろといわれた人物だ。
 彼は私を知らないと思うけど。ちなみに彼のブログはここである。


 彼とはネットで何度か打っている。
 2年半くらい前、初めて旧関棋ネットを見つけたときの相手は彼だった。もっとも、誰か知ったのは2年前のアマ本のときだが。
 そのときは関棋で先輩の彼に私が先。そのときは4目勝。つええなあ、関棋はレベルが高いやと思った。が、その後私は関棋で順調に出世、彼をすぐさま追い抜き、彼とは向先で打ってどっこいどっこいくらいだっただろうか。うーん、まだまだだね、とほくそ笑んでいた。
 ところが、どーんと期間が開いて、彼が中学生全国大会で入賞後初めて打ったとき、私は彼にど大敗。序盤早々つぶれを起こし、怪しく勝負形らしき形に持ち込むも最後にトドメ。大差なのは分かっていたが大フリカワリだったので投げるに投げられず17目半くらい敗れた。

 さすがに中学生、強くなるのも早いもう彼には勝てることはないのか・・・などとちょっとがっかりしていた。


 そうこうしている間に昨日。タイゼムで彼を見つける。いきなり8連勝して8段への昇段をつかもうとしているではないか。私だって、8段にリーチをかけたことはあるが8段になったことはない。
 彼は強いからこのまま駆け上がるのかなあ・・・と思ったら猛然と悔しさがこみ上げてきた。
 冗談じゃない。私だっていかにまぐれと言われようともう1人私の県のホープを撃破して関東の重包囲網を突破したんだ。まだまだ先を越されるのをみすみす見過ごすのはいかにも悔しい。

 彼に対局を申し込んだとき、私の心境はまさしくお題の通り、

「八段を名乗りたきゃ、私を倒してからにしてもらおうか」


である。もっとも、自信と言うよりは強がりであるが。



さあ戦いが始まった。

 1~9までは好きな布石。研究なんかしない私はミニ中国流を布きたがらないのだ。

 18のハネから中央の差し手争い。25で中央に回ると右上に回られて白の右下がいかにも広壮なので、ここは右辺に展開を決断。白が中央に回ろうとすれば自動的に黒模様も固まりかねないので白としても怖いだろうといっているのだ。

 26手は才気溢れる手かもしれないがぬるそう。この手を見た瞬間私の顔に笑みが浮かんだ。この手に受けるほど私は鈍重ではなく、すかさず右下にかかって展開。だが白としても28の反発は当然だろう。黒としては下辺に開く手も考えたしむしろそちらだろうが上から圧迫されるといかにも白広大なので、先に一間にとんでみた。

 が、すかさず30,32と攻めあげられて早くも大変なことに。33でケイマするとつけこしなどでいよいよ総攻撃が来るのを恐れた私はツケノビ。ツケた場合は二段バネするのが部分的には筋だが、ここではちょっと恐ろしい。ツケノビは部分的には悪手に違いないが、一応白の勢力圏になだれ込んでいるし実戦的な手かなと勝手に思い込むことにした。
 そこで39の腰の伸び。すかさず40と反撃する。いや40に打たれることは見えていたんだけどこう打ちたかったんだよね。だが、はっきり言って末期症状もいいところである。
 だが、打ってみると41に石が来たので49のスベリが打て、とりあえず大きい方が死んだりすることはない。50、52に打たれては中央が真っ白、3子味を残してほとんど死亡だが、ともかくも先手を奪って左上53シマリに回って何とか長期戦モードに持ち込む。

 白としては上辺の模様がそのまま地になってはたまらないので54から62の荒らし。63と守って何とか形になったが右辺の3目の頭をハネられると白厚く、コミは出せないだろうな・・・と思ったのだが、白は66から全体の攻めを決行。だがこれは打ちすぎだったかも?えぐらせるような手は死んでも打ちたくないので勢い全体を丸めてしぼる形を決行して、懸案の91に回ることに成功。こうなると中央三子も生きてくる。この瞬間に生きた心地がしなかった碁に生気がよみがえってきた。
 しかし92に93とは打った本人で言うのもなんだが変な手だ。決してクリックミスなどではなくあわよくば先手で生きを確保しようとしたものでだが当然右上はずいずいとよせられ、白地ももりもりっと増えてしまう。だが、113までとなって先手で生命に保証ができた。その先手を左下のハイコミに投入。210ハネと迷ったが、左上には大した手はないだろうし、そう楽観できる形勢ではないと判断。そう考えるとやはりここがでかい。

 白もここにはいこまれて左辺まるまる地ではさすがに勝機ないので118から突入135までとなった形は少なくとも部分的には白成功していないと見て、ここではじめて優勢を意識した。
 136、どきんとするような手である。はねると切り違えられて紛糾の元。優勢意識もあったが、安全策の137を採用。左辺はぺしゃんこになったものの一応安泰である。
 だが、ここから彼の本領発揮。144はなかなか強烈。部分的には手のない形だが、味を利用して徹底的に利かそうと言う手だ。結局149まで屈服、更にほぼ両先手だった150,152を打たれていっぺんに優勢意識が吹っ飛ぶ。117で先に打っておかなければならなかった。118ですっぽかされるのを恐れたのは事実だが、一子抜けば18-11のヨセも発生するところでそんなすっぽかしを恐れる必要はなかっただろう。
 154はこんなものなのだろうか?155に回って息を吹き返したか。そして秒に追われたのであろう156を見て、来たっとばかりに受けず157の押し。この瞬間、ガッツポーズしたくなりましたね。よし、これなら!!と思った。156で157におさえていれば、おそらく僅かに白優勢だったのではないか?
 はちゃめちゃにでかい163に回って、今度こそ勝てるはず。
 白の174からのヨセはなかなか華麗で瞬間的に怖気をふるったし、後手3目でしかない210あたりで184のコウを本格的に争ってきたらどうかと言う問題もあった。が、白はついにコウを仕掛けることはなく、215でコウも解消。

 最後は順々にヨセあって白半コウをツギ。
 黒が盤面9目、コミを入れて2目半を余した。


 まだ彼に勝てる。
 あの碁に勝って、十傑で枠抜けしたときの次くらいに思いっきり感動したかもしれない。少なくとも今年ネットで打った碁では一番感動した。

 しかし、彼は私に負けたままここでは終わるまい。既に大会に出ることすらままならない私など差し置いて、まだまだ強くなるだろう。
 はっきり言って、中学生大会の優勝、高校選手権入賞と争える逸材だと思っている。私を倒してから・・・と言ったって、私と次打つ頃には8段、どこに出しても恥ずかしくない県代表クラスになっているだろう。
 
 彼の将来に期待して、この記事を締める。



(;GM[1]FF[1]SZ[19]
PB[風の精ルーラ,タイゼム七段,,]
PW[「彼」,タイゼム七段,,]
KM[6.5]
DT[2006/07/22]
GN[ネット碁]
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最終更新日  2006年07月23日 13時13分14秒
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