門外漢のねごとたわごとひとりごと

[言葉（言語）・文字関連] カテゴリの記事

全268件 (268件中 1-50件目)

1 2 3 4 5 6 >

• 

  ”しゃしゃり”　とはいったい何？…

  たぶん　”京ことば”　あるいは　”京都弁”　なんだろうと思うけれど、わたしの母（京都人）なんかがよく使っていた言葉に「味もしゃしゃりも無い」というのがあります。もちろん意味は良く分かります。つまり「味も素っ気もない」という事で＝面白みが全く無くつまらないさま。食べ物の味について言う時は＝美味しくない。味が無い＝拙い食べ物。という事になります。ではこの　”しゃしゃり”　とはいったい何なのでしょうか？一説には　＜＜「しゃしゃり出る」という動詞からきている言葉で、「出る」を省いて「しゃしゃり」だけを使うようになった＞＞　というのが有りました。「しゃしゃり出る」というのは、＝分をわきまえずに差し出がましいことをする。でしゃばる。とあるのですが、この説はいまひとつ釈然としません。ただ、「しゃしゃり」という言葉に響きには、何となく軽々しく味が薄く重みもなく面白みもないという雰囲気が漂っているようにわたしは感じているのです。それはおそらくわたしが子どもの頃から、母が遣っていた聞き慣れた言葉だったから染みついてしまっているのでしょうか。

  2024.04.17

  コメント(0)

• 

  ドッジボールのドッジと同根の言葉のようです…

  9試合41打席目にやっと出た　”大谷翔平の今季第1号本塁打”！　この本塁打は本人が一番ほっとしているのではないでしょうか？　傍目ながら私なんかはテレビ観戦しながら　”やきもき　イライラ”　しておりました。あまりに打てないとブーイングに晒されるのではないかしら？　なんて心配をしていたのです。彼の場合、シングルヒットでは満足してもらえないという事も有るのかもしれません。それはそれで辛いものがありますが、あの莫大な契約金のことを勘案すると、そんなリスクも当然かかってくるという事でしょう。ともあれ1本出たので　”やれやれ”　というのが本当のところです。ところで『ロサンゼルス・ドジャース（Los Angeles Dodgers）』というのは何とも強いチームだという事が分かりました。大谷が不調でも悠々勝利を続けているのですから・・・。大谷君としては尚更辛いところだったのかもしれません。ところでロサンゼルス・ドジャースというチーム名の『ドジャー（Dodger）』というのは何でしょうか？調べてみたところ、どうも子供の頃の遊びの　”ドッジボール”　と発生元は同じようです。『ドッジ』との意味は「避ける」という事で、ドッジボールも相手の投げるボールに当たらないように避けるゲームという事です。そこで『ドジャース』は、もと路面電車の電車から「避ける人たち」という意味で使われてきた、ということは分かったのですが、その『ドジャー』がメジャーリーグの野球チーム名に採用されたのは何故なのか？　さっぱり納得がいきません。

  2024.04.05

  コメント(0)

• 

  毎年この時期に思い出す言葉…

  毎年この時期になると思い浮かび且つ実感する言葉がある。それは『一月往ぬる　二月逃げる　三月去る』という、むかしから言われてきた言葉です。もちろんその言葉に意味は「年間の最初の4分の1、つまり一月二月三月は時間の経過が凄く速く感じる」という事です。それはおそらくは誰でもが感じていることだと思われます。そんなことは日々わたしも如実に感じていて、悪いことにその感覚は年々加速しているようにすら思えるのです。月日が素早く過ぎて行くことを望んでいる人も居られるかもしれませんが、わたしのように「できることなら年月の経過は可能な限りゆ～っくりと過ぎていってほしいモノ」と思っている人はかなり多いのでは？　あるいはほとんどの人がそう思っているかもしれません。願わくば　”ゆ～ったり　まったり”　とした日常が送りたいものです。

  2024.03.30

  コメント(0)

• 

  「ゼロ」と「レイ」は、違いがあるのです…

  以前に一度、＜＜天気予報の雨天確立を報道するときに「雨天確立は０（レイ）パーセントです」と言い、「雨天確立は０（ゼロ）パーセントです」とは決して言わないのです＞＞　というようなことを書いた事が有ります。ここで「０」を表すのに「ゼロ」と「レイ」は明らかに使い分けられているのです。ではその意味はどう違うのだろうか？　調べてみるとこのようなことでした。「ゼロ」は英語から入ってきた言葉で、”全く無い”　という状態を表している。一方、「レイ」というのは中国から伝わってきた漢語で　”まったくない”　もしくは　”ほんの少ししかない”　という意味を表している＞＞　とありました。つまり「レイ」の方は、ほんの少しの可能性はあるという事のようです。したがって天気予報ではゼロパーセントは決して使わず、少しの可能性を見てレイパーセントを使うことにしているという。そもそも古代エジプトやローマでは数学が発達しており、彼らは数字を主に暦法に用いていたために「0」の概念は不要だった。よって、「0」の概念を思いつくことが出来なかったという。「0」という概念を生み出したのは「無」という概念について思考を深めていた古代インド人だった。そのインドで生まれた「0」の概念は世界中に伝わってゆき、数学界の大発見という事になりました。いまにして思えば、この何でもない「0」の概念が、数学にとっては途轍もない発見だったという事が分かります。

  2024.03.26

  コメント(0)

• 

  中国では冬、日本では早春の言葉だったようです…

  『三寒四温』という言葉がある。この言葉は、もとは中国東北部あたりで冬の気候を表す言葉として使われていた。冬の時期に寒い日が3日続くと、そのあとには比較的暖かな日が4日続くという意味。寒暖の周期を表しているという。しかしこれは中国東北部あたりでのはなしです。ところがこれが日本では該当せず、日本の冬では中国のように寒い日が3日続くとそのあとには暖かい日が4日が続くという周期が当てはまることはありません。日本でこの言葉が使われるのは冬場ではなく早春の頃になる。春先のわが国では、低気圧と高気圧が交互にやってきて、低気圧の通過で寒気が入り寒くなって、その後高気圧に覆われて暖かく周期的な気温の変化が繰り返されることが多くなる。日本においてこの言葉が使われるのは、中国のように冬ではなく寒暖の変化が如実に表れる春先に使われる言葉になっています。『三寒四温』という言葉は、日本では春の言葉（春先限定で使われる言葉）になっている。

  2024.02.22

  コメント(0)

• 

  漢字変換時の誤字が、あとで恥ずかしい…

  自分が書いた『ねごとブログ』の過去のモノを読み返すことがしばしばある。そんな時に冷や汗を掻くような恥ずかしい誤字を書いてしまっていることがある。それはすべて文字変換の時点での間違いです。落ち着いてその返還を確認しながら文章を書いていると、そんなミスはほとんど防げるのですが、急いで慌てて書いているものですから、ついつい間違いを起こしてしまうのです。そんな過去の『ねごとブログ』を訂正することもしばしばのことです。当初はその誤記を訂正せずに置こうか？　とも思ったのですが、やはり変換ミスは気になるところですので、気が付けばその時点で遡って訂正することにしているのです。そんな文字変換誤記は『ねごとブログ』に限らず、こちらからお出しするメールでも同じことが発生します。これはこちらが戴いた人さまからのメールでも「変換誤記だな！」と思しきものもよくあることです。メールでもブログでも、書き終わってすぐに送ったりするのではなく、落ち着いて読み返し推敲することが肝要だといえる。さほど時間の掛ることとも思えないことと分かってはいるのですけれど、それがなかなか実践できないでいるのです。反省の必要がありますね。

  2024.02.15

  コメント(0)

• 

  この誤用には過去何度も出合っている、でも…

  テレビドラマはよく観ている。先日観ていた現代ドラマの中で「・・”けんけんがくがく”・・・」なんていうセリフが出てきた。それは違う！間違っていると思わず・・・。かなり前にこの言葉のことは一度書いた事が有りますが、もう一度。この言葉は『侃々諤々（かんかんがくがく）』と『喧々囂々（けんけんごうごう）』とが入り交ざって『喧々諤々（けんけんがくがく）』とした誤用です。『侃々諤々』と『喧々囂々』どちらも、多くの人が激しく意見を言い合うさまを表す言葉ですが、『侃々諤々』はポジティブな使い方で、『喧々囂々』はネガティブな使い方をする時に使います。今回の『喧々諤々』は本来誤った表現ですが、近年は日常的に広く使われてきているため、あながち間違いとも言えないことになってしまっていて、この言葉も市民権を得てきているようです。意味としては、単に騒がしく議論をするという意味が強いため、ネガティブイメージの『喧々囂々』に近いニュアンスだと受け取って良いでしょう。

  2024.02.05

  コメント(0)

• 

  「さびしい」と「さみしい」の使い分け…

  ここ10ケ月ほどの間に、親しかった友人を三人も亡くしてしまいました。その御三方のことを思い出すたびに「寂しい？」いや「淋しい？」思いになっています。「さびしい」＝「寂しい」＝物足りなさや静けさを表す「さみしい」＝「淋しい」＝涙を流すような心細さを表す調べてみるとこのような意味ですから、その意に沿って使い分けをすることが求められるという事です。でも実際にはそのような使い分けがしっかりと出来ているとはとても思えないけど、日常生活では全くと言っていいほど差し障りはありません。そしてそれを助長するかのように、辞書を引いてみると「さびしい」を引いても「さみしい」を引いても「寂しい」が出てくるし「淋しい」も出てくる。したがって、いまや「さびしい」と「さみしい」も、漢字の方の「寂しい」と「淋しい」も既に同義語とみなされているのかもしれません。これはちょっとばかり「寂しい（さびしい）」ことに感じてしまいます。日本語のデリケートなニュアンスの問題ですから、「淋しい（さみしい）」というほどでもありませんが、本当はしっかりと使い分けたいと思うのです。

  2023.11.21

  コメント(0)

• 

  こんな果実がむかしからあったのだと…

  『郁子』。女性の名前ではありません。いや、『郁子（いくこ）』そういう名前の知り合いも二人ほど居られました。ここでは女性の名前ではなくもう一つの読みである『郁子（むべ）』についてです。この『郁子（むべ）』というのは果実の名前で、アケビ科の常緑つる性の木で、アジアの温帯から亜熱帯地域に15種類ほどあるらしいのですが、日本に自生しているのはこの『郁子（むべ）』だけだという事が書かれておりました。『郁子（むべ）』の花言葉は『愛嬌』という事のようです。何故その言葉になったかは定かではありません。しかし、この果物『郁子（むべ）』の語源を調べてみると、その昔（おおむかし）天智天皇がシチュエーションは分かりませんが（今の滋賀県での話らしい）、8人もの子供がいるとても元気な老夫婦に出会い、「あなた達はどうしてそんなに元気で長生きなのですか？」とその秘訣を尋ねたところ、その老夫婦は「この地で採れる無病長寿の霊果を毎年秋に食べているからです」とその果実を差し出したという。天智天皇は一口食べて「むべなるかな（もっともであるな）」と応えたという逸話が残っている。また『郁子（むべ）』の木は　”七五三の縁起木”　ともされていて、その葉は幼木の頃は3枚、成長するごとに5枚、7枚と増えて行くからだそうです。＜＜因みに、七五三は11月15日（つまり今日）ですが、いつからいつまでにお参りしなければならないといった決まりはないということです＞＞この果実むかしは不老長寿の果物とされていて、それ以後毎年秋になるとこの縁起良い果実が皇室に献上されていた。その習慣は今でも続いているらしいのです。ではそこでこの果実『むべ』を『郁子』という漢字で表すようになったか？　が疑問になります。いろいろ調べてみたのですが、それを明快に答えてくれている書き込みは無かったようです。しかし、平安時代の分類体漢和対照辞書『倭名類聚抄』には『郁子』の訓は『牟閉』だとしているらしいので、漢字が日本に入ってきた段階で取り違えられたとも考えられると出ておりました。

  2023.11.15

  コメント(0)

• 

  世に出てきた当初は何でこの言葉を？…

  日本語では　”すらりとして格好いい”　とか　”手際が良い”　とか　”気が利いている”　とか　”垢ぬけている”　と言う意味で使いますが、改めて検索してみると、英語では　”賢い”　とか　”素早い”　とか　”エネルギッシュ”　とか　”お洒落”　のような意味で使われています。ということですから、我々が遣ってきた意味とはちょっと違っているようです『スマート』。「スマートフォン（スマホ）」や「スマートウォッチ」・「スマートハウス」などの『スマート』という言葉のことです。最近ではその『スマート』という言葉、何でもかんでも頭に付けるという現象が観られます。例えば前出のほかにも、「スマートシティ」や「スマートカンパニー」とか「スマートレター」や「スマートキー」や「スマートメーター」など、まだある「スマートEX」というのや「スマートバリュー」に「スマートデバイス」などが有りました。まだまだある、「スマートファクトリー」や「スマートビルディング」、「スマートカー」に「スマートアラーム」、果ては「スマート農業」や「スマートゴミ箱」なんていうのも有りました。中にはわたしには意味の分からないものも有るのですが、ことほど左様にこの『スマート』という言葉が乱用されている様相を呈しているのです。

  2023.09.21

  コメント(0)

• 

  言葉のイメージは感じ取っていた…

  はて何だろう？　どういう意味だろうか？　ちょっと調べてみると・・・『新』『真』『神』『進』『深』『振』『震』などの意味を込めて使っているらしい。近年いろいろな言葉に使われている『シン・〇〇〇』というこのカタカナの『シン』という言葉のこと。『シン・エヴァンゲリオン』や『シン・ウルトラマン』や『シン・仮面ライダー』、果ては『シン・共産党宣言』や『シン・中国人』なんてのもあるようです。この言葉の初出つまり一番最初に使われたのは『シン・ゴジラ』という映画のタイトルに使われた。記憶に新しいところです。この映画監督は「視聴者・鑑賞者の方々がそれぞれのイメージで感じ取っていただければいいのです」と言っていますので、『しん』と読める文字で他にもいろいろ感じ取ればいいということです。なかなか面白い試みだと思いました。

  2023.09.06

  コメント(0)

• 

  『芸』は『藝』の略字ではないということが…

  季刊の小冊子『ぎをん』陽春号№253が、今回も友人から届きました。年に4回発行されている京都祇園ネタの読み物と情報の読本です。もちろん祇園中心の限られたエリアにだけに発行されている冊子です。今回のその冊子を読んでいて、表題の『藝』と『芸』は別の文字だという内容のエッセイが掲載されていた。その筆者が言うには、祇園に欠かせない『芸妓』は本来の意味からは　”『藝妓』と書かなければいけない”　と言っているのです。『芸』の字は『藝』の字の略字ではなく、まったく別の文字であるからその使い分けはしっかりとやらないといけないということらしい。そこで私も調べてみたのですが、おっしゃる通りまったく別の文字であることが分かりました。『芸』の読みは『うん』と読み、その意味は　＜＜草木のこと＞＞を言う。『藝』の方は『げい』と読み、意味は　＜＜習って身につける技の事を指す＞＞　とある。ということで違う文字であることは分かりましたが、今更それを正しい使い方にすべてを訂正することは、もう不可能とも思えるのです。それほど我々の生活の中にどうしようもなく浸透してしまっているものですから。したがって『藝』の字の簡略字が『芸』ということで、納得して理解してしまっても良いのではないでしょうか？　そのエッセイを読んで、そのように思いました。

  2023.05.04

  コメント(0)

• 

  ”忌み言葉”　は日本だけの事ではなさそう…

  よく河原の湿地に生えている『アシ』とも『ヨシ』とも呼ばれている植物の事。なんでこの植物に二つの呼び名が付いているのだろうか？　こんな疑問はむかしから皆さまよくご存じのところです。あえて今頃なんで？　という事ですが、この2つの言葉を辞書で引いてみた。『アシ』の方の漢字は『葦』で分かっているのですが、『ヨシ』の方はどういう字を書くのだろうか？　が分からなかったから、辞書のお世話になったわけです。するとなんと『ヨシ』の方も同じ『葦』の字が出てきたのです。これで『アシ（葦）』も『ヨシ（葦）』も同じものであるという事が納得できた。もちろんこの言い換えている訳は「アシ」が「悪し」に同じ発音で忌み嫌われて、正反対の「ヨシ＝良し」に言い換えているということです。これは皆様よ～くご存知のところです。これは通常　”忌み言葉”　と言われているものです。他の例では『スルメ』を『アタリメ』と言い換えているのも、日常化しています。東京の地名で『亀梨（かめなし）』だったのが『亀有（かめあり）』に変更したという例もあるようです。こんな事例は他にもたくさんあるやに聞いています。例えば、受験生が『滑る』とか『落ちる』という言葉を使わないようにしているというのも、この　”忌み言葉”　という事になるのでしょうね。こういうのは日本だけの事なんでしょうか？

  2023.03.25

  コメント(0)

• 

  この言葉を実感する瞬間がある…

  「整いました！」と言う言葉がよく使われているようです。その　”整いました！”　という流行語、ピン芸人さんがずいぶんむかしから使っていて、流行り出したのだという事のようです。お笑い芸人さんがその何とも真面目くさった言葉を遣ったものである。その意外性？　その落差が面白いのかもしれない。わたしは土曜日と日曜日には、スポーツクラブへスイミングに行っていることは何度も書いてきました。そしてその後にサウナに何回も繰り返し入ることも。その室温90度くらいのサウナ室で1回10分から12分ほど（3～4回繰り返す）入っていると、大汗を掻くことになる。もちろんそれが目的でサウナを利用しているのですからいいのですが、その大汗を掻いた後に水風呂に浸かって身体を冷やすのです。この水風呂に浸かって火照った身体を冷やしている時に、その『整いました！』という感覚が良く分かるのです。その時の気持ちを表すのに、その『整いました！』という言葉が最も相応しいように思えるのです。つまり生き返ったというような、「リフレッシュした！」というか「リセットできた！」という感覚なのです。まさしく身体が整ってくる感じなのです。そして大汗を掻いているのですから、その流した汗の分は体重が減っているという事になる。もちろんその後にスポーツドリンクなんかをガブガブ飲むと、すぐに元の体重に戻ってしまいますが・・・。

  2023.03.22

  コメント(0)

• 

  もう少し若い時に聞いておれば…

  『失敗は成功の基』とか『失敗は成功の母』なんて言い草は、古（いにしえ）の時代からしつこく言われてきた言葉です。つまり、失敗を何度も繰り返し重ねることで、成功が導き出せる糧になると言っているのです。そこで「”成功”　の反対は何？」と問いたいと思います。おそらく大半の人は「そんなの言うまでもなく　”失敗”　ですよ！」と答えるだろう。ところがそうではないという人がいた。その人はこう言ったのです、『”成功”　の反対は　”挑戦しないこと”　だ！』と。なるほど、納得も得心もするちょっと重みのある言葉です。この言葉はかの発明王とされている　”トーマス・エジソン”　が言った言葉です。そんなことをつい最近に知ったのですが、この言葉をもっと早くに知っておれば、少しくらいは考え方や行動が違っていたかもしれないと、少しばかり残念に思うところです。

  2023.03.18

  コメント(0)

• 

  掛け声の「どっこいしょ！」というのは…

  先日書いた数珠の玉の数が108だというのは、”六根”　からきていると書きました。今回はその続編です。修験者たちが山を行く時に「懺悔、懺悔、六根清浄、ざんげ、ざんげ、ろっこんしょうじょう」と唱えて祈りながら行く姿を、映像なんかではよく見る。＜＜その『六根清浄』とは、六根つまり人間の知覚である眼・耳・鼻・舌・身・意（心）のこと。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感に意識を加え、穢れに触れた時に神徳を以って清浄に保って救いを求めようとする祈願詞のこと＞＞　もっと平たく言えば　＜＜見たり聞いたり嗅いだり味わったり触ったり喋ったりするうえで生じる、得体のしれない欲望を清らかに浄化し、あるいは捨て去ろうと願って、山に登拝するときに唱えた言葉です＞＞　またこんなことも書かれていました。＜＜仏教語では六根は、六境（色・声・香・味・蝕・法）と合わせて十二境といい、さらに六識（眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識）を加えて十八界と称している＞＞　という事だそうです。皆さん誰もが思い当たることで、運動や仕事などでちょっと休憩を取る時や、力を入れるとき、重い荷物を持つ時などに勢いをつけるために、知らず知らず　”どっこいしょ”　と掛け声を発しながら行動をする事が有るはずです。この言葉しらべてみると、一般的には　”何処へ”　という言葉が元になっていると言われているのですが、山岳仏教の行者が唱える　”六根清浄”　が語源になっているという説もあるようです。

  2023.03.17

  コメント(0)

• 

  人間の抱える煩悩の数というが…

  先日、友人で先輩でもあり山の会の会長でもある方が、急逝された。そのことは既に書きました。その告別式に参列して、わたしは持って行かなかったけど、みなさまの中には数珠を持ってきていた人も多く、「しまった、持ってくればよかった」とちょっと悔やんだものだった。その数珠の事、あの数珠の玉の数は決まっているのだろうか？調べてみると、正式には108なんだそうである。ところが皆さんの持っている数珠はとてもそんなにたくさんあるようには見えない。数珠には、多くの宗派の正式の両手数珠は玉の数が108で、片手数珠の方は数はまちまちですが概ね25～30くらいのものが主流だそうです。大晦日の除夜の鐘の数も108で、人の煩悩の数を表しており、最も功徳がある数なんだそうである。ではその人間の心身を悩ましく迷わせる人の煩悩。その数が何で108なのか？一説にと前置きをしたうえで、こんな説が書かれていた。　それは　”眼根（視覚）・耳根（聴覚）・鼻根（嗅覚）・舌根（味覚）・身根（触覚）・意根（心）の六根のそれぞれに悩みが6つずつある（つまり36）のだそうで、これを過去・現代・未来にそれぞれ配して合計が108になるというものです。【つまり六根とは、五感とそれに加えて第六感ともいえる意識（心）の根幹のことを指している】ま、こじつけっぽくも思えますが、そういうものなんだろう。また1年は、12ヵ月で24節季と節目があって、さらに細かく72侯に分けられ、その数をすべて合計すると108になるというのもありました。

  2023.02.24

  コメント(0)

• 

  同一漢字を2文字使っている諺や格言…

  諺や格言や金言の中には、同じ漢字を2度使っているものがいくつかある。例えば『屋上屋を架す（おくじょう、おくをかす）』とか『縁も縁も無い（えんもゆかりもない）』や『蛇の道は蛇（じゃのみちはへび）』などです。いまのところこの3つしか思い浮かびませんが、もっといろいろあるのかもしれません。『屋上屋を架す』の意味は、屋根の上にさらに屋根を架ける。無駄なことをするたとえに使われる。この場合の『屋（おく）』の字は2文字とも訓読みで使われている。『縁も縁も無い』の意味は、物事の間に何も関連性が無いことを意味する表現。何の関りもない。この場合の『縁』の文字は『えん』と音読みと『ゆかり』と訓読みの両方の用法を使っている。重ねて使うことでより強調した用法で使われている。『蛇の道は蛇』の意味は、同類のことは同類であれば良く分かるという意味で、同じような生き方をしてきた人の考えは、深いかかわりが無くても理解できるという例え。この場合の『蛇』の文字は『じゃ』と音読みと『へび』と訓読みを使い分けている。もともとこの『蛇の道は蛇』は『蛇の道は蛇が知る』を縮めて使ったもので、『蛇（じゃ）』は大きな蛇を表し『蛇（へび）』は小さな蛇を表していて、「大きな蛇の通る道は小さな蛇でも知っている」という意味になります。そんな由来があるのです。同じ文字を2文字使った諺や格言や金言など他にもあると思いますが・・・？

  2022.11.04

  コメント(0)

• 

  正しい読みを凌駕して今や本流に…

  『百姓読み』という漢字の読み方（大変失礼なネーミング）のことを過去に書いたことがある。ちょっと説明すると、この『百姓読み』は『慣用読み』とも言われており、漢字を　”偏（へん）または旁（つくり）”　から類推して我流に読むこととある。この我流の読み方をすることについては、大正時代の書籍に『百姓読み』との記載があるという事で、誤読として扱われるとある。つまり、漢字の読み方を知らない人が読んでしまうことによる。何とも酷い上から目線のネーミングですけれど、この『百姓読み』という読み方は廃止にして、『慣用読み』という事一本にした方が良いと思います。ただこの『百姓読み』というもの、本来は誤読ではあるのですが、いまやその『百姓読み』とされてきたもの方が一般的にも流通し使われてきて、辞書にも載っているものが結構たくさんあるのです。つまり社会的にも言語学的にも認知されたという事です。そういった言葉には、本来の正しい読み方の方が間違っているような気すらするものがある。以下にその一例を挙げておきます。〇【口腔】　本来は「こうこう」それが「こうくう」〇【消耗】　本来は「しょうこう」それが「しょうもう」〇【漏洩】　本来は「ろうせつ」それが「ろうえい」〇【捏造】　本来は「でつぞう」それが「ねつぞう」〇【稟議】　本来は「ひんぎ」それが「りんぎ」〇【情緒】　本来は「じょうしょ」それが「じょうちょ」〇【輸入】　本来は「しゅにゅう」それが「ゆにゅう」　などなどですが、これらは本来の読みよりも『慣用読み（百姓読み）』の方が本流とされて使われることになっている。面白い現象ではある。

  2022.11.02

  コメント(0)

• 

  普通に遣われている変な言葉…

  「こちらカツ丼セットになります」とか「お勘定はこちらになります」のように　”～～になります”　という言葉遣いが、ずう～ッと前から気になって仕方が無かったのです。どうしてこういう言いようになるのか？　「こちらカツ丼セットです」とか「お勘定です」で良いのではないか？　　”～～になる”　という言葉には、必ず何らかの変化が伴う言葉です。「カツ丼になります」と言われても、豚肉がカツ丼になるという変化を言っているのではないのは明らかですから、訳が分かりません。もちろんその言葉遣いが改まる傾向はまったく見られません。　”～～になります”　という言葉を遣うことによって、丁寧さを表そうとしているのか？　へりくだったもの言いのつもりなのか？　その辺りは定かではありませんが、なんとも耳についてやな気分になるのはわたしだけだろうか？　この言葉遣い、今日ではあちこちあらゆるところで若い人を中心に使われている。つまり蔓延してしまっていて今や止めようもありませんから、この言葉遣いはその内に　”広辞苑”　にも載るようになるかもしれません。もちろん　”～～になります”　という言葉遣いが正しく使われることももちろんたくさんある。例えば「もうすぐ夜明けになります」なんて場合は、未明から明け方になるという変化を伴っているわけですから何ら問題は無いのです。いまの我が京都の日の出の時間は4時40分頃。ちょうど私が朝の運動にスタートする時間です。

  2022.06.18

  コメント(0)

• 

  違う解釈をする人が居る…

  ＜＜売り家と唐様で書く三代目＞＞　という川柳が江戸時代に作られた。今日（こんにち）でもその言い回しが遣われることは稀にあるようだ。この川柳の意味するところはこうだ・・・、＜＜商家のお店（おたな）を初代創業者が苦心して築き上げ財産を残しても、三代目になると没落してついには家を売りに出す羽目になってしまう。けれど、その売り家札の筆跡は　”唐様（からよう）”　で書かれてシャレている。つまり三代も経つと、道楽が過ぎて字は上手くなったものの家は没落するというように、本業をないがしろにしてつぶしてしまう人を揶揄したもの＞＞　このような意味で使われている。一般的にはそういう意味合いで使われるし、言葉辞典や書物にはほとんどすべてそのような意味とされている。しかし、この言葉の意味を違う解釈をする人が居る。その解釈はこうだ、＜＜唐様の書体とは　”顔真卿や欧陽脩（ともに唐代の著名な書家）らが書聖とも言うべき王義之の書を意識して大成したもの”　とし、よってこの三代目は　”文化を習得したのだ”　との解釈もできてしまう＞＞　という。これは「無駄遣いと浪費の違いを言っている」のだとも。例えば、道楽が過ぎて本当に馬鹿な奴だというように揶揄するのなら　＜＜　”うりいえ”　と下手な字で書く三代目＞＞　とならなければいけない。これだと浪費の証明のようなものです。「この唐様の字は、三代続いて築いた身代を無駄にすることと引き換えに培った　”文化”　だと象徴的に表現しているのです」と。そんな解釈をしている一風変わった人は　”明石散人（あかし・さんじん）”　さんその人です。この人のことは過去に何回かこの　”ねごとブログ”　で書いています。

  2022.06.15

  コメント(0)

• 

  「たわけ」と「うつけ」似ているけど…

  現代社会ではあまり使われることのない言葉「たわけ」と「うつけ」ですが、この似たような言葉にはやはり違いはあるようです。時代劇ドラマなどを観ていると頻繁に出てくる言葉で、この言葉の使い分けはなされていますので、違いをご存知の方は多いと思います。この二つの言葉「たわけ」と「うつけ」は、どちらも相手を貶めるニュアンスの言葉として知られています。ではどう違うのか？　この二つの言葉は相手を貶める度合いの強弱だと言えます。「たわけ」の方が相手を貶める度合いが強い言葉で、怒ってののしる時使われる言葉。「うつけ」の方は、怒っているというよりは、相手を馬鹿にする場合に使うことが多いといったニュアンスが強いのです。「たわけ」は、愚か者とか馬鹿者といった意味がある。語源は「戯ける（たわける）」から。「うつけ」は、うっかりしている人、ぼんやりしている人、暗愚な人物のこと。漢字では「空け」とか「虚け」と書きますから、空っぽという意味です。漢字で見ると意味が良く分かります。この二つの言葉、どちらにも当て嵌まりたくはないですね。

  2022.06.10

  コメント(0)

• 

  ”ノミの市”　のノミって何？…

  何年か前に放送されたNHK-BSの番組再放送だったものを観た。番組名は『お宝を掘り当てろ‼アンティーク鑑定旅＜イタリア編＞』という1時間半の番組でした。わたしはその番組の録画を観たのです。女優の柴田理恵さんと相楽樹さんが、イタリアのヴェネチアはじめ数か所の街の　”ノミの市”　を巡って、お宝探しをして、それを専門家に鑑定してもらうというシリーズ番組です。ところでこの　“ノミの市”　の　”ノミ”　って何？　と疑問がわきました。調べてみたところ　“ノミの市”　の　”ノミ”　はやはり　”蚤（のみ）”　のことでした。では何故あまりイメージの良くない　”蚤”　と名付けられているのでしょうか。それは古着などが出品されると、モノによっては「蚤が付いているような気がする」ということからきているようなのです。そして、“蚤の市”　のことを　”フリーマーケット”　と言われることの方が近年多くなっています。この　”フリーマーケット”　は　”flee market”　と一般的には使われていますが、正確には　”flea market”　が正しく、”flea”　というのは　”蚤”　のことなんだそうです。この番組のシリーズは何本か有って、イギリス編やベルギー編などもあったようです。

  2022.05.26

  コメント(4)

• 

  澁澤龍彦さんの本を読んで再認識した…

  明治・大正期頃の文豪、夏目漱石や芥川龍之介や森鴎外、はたまた川端康成ひょっとしたら三島由紀夫も・・・などが小説の中で使ったこの『的礫（てきれき）』という言葉がある。現代では全くといっていいほど使われることのない言葉です。この『的礫』という言葉の意味は、”鮮やかに白く光り輝くさま”　のことと辞書には出てくる。使い方としては、夏目漱石の「野分」の中の一文に＜＜明星と見まがう程の留針が　”的礫”　と耀いて＞＞　というのがある。もちろんこの言葉、わたしも知らなかったし使ったこともあるわけはない。何もわざわざ難しい言葉を使うこともないのだが、味わいのある言葉や美しい言葉は残っていって欲しいという気持ちは持っている。今後も私はこの言葉を使うことは無いだろうし、文章や手紙に書くこともおそらくないだろう。でもこの言葉は日本の美しい言葉のひとつとして覚えておきたいと思っている。

  2022.05.01

  コメント(0)

• 

  この言葉、違いがあったんだ～…

  『everyday』と『every day』この2つの言葉、違いがあるのです。そんなことをごく最近に知りました。話す中で使う分には問題はありませんが、文字に書くときには使い分けが必要となることをご存じでしょうか？つまり『エブリデイ』には『everyday』と『every day』の2つ英文字スペルがあることを知らない人も多いのではないか。この2つの言葉、それぞれ意味が少し違うのです。一言でいえば、スペースの入った『every day』は　”毎日”　の意味ですが、スペース入っていない1語の『everyday』は　”日常の、日々の、普通の”　という意味の形容詞になるのです。使い方としては、『everyday』は、”everyday life＝日常生活、everyday routine＝日課”　という具合。『every day』の方は、”I watch TV every day.=毎日テレビを見ます、Every day is a advennture.＝mainitiga”冒険です”　と、例えばこんな容易に使うのです。したがって微妙に違うというか、全く違うということも言えるのです。ということでこの言葉は同じではないのです。したがって英文で文章を書くときには、この使い分けが必要になるということのようです。

  2022.04.03

  コメント(0)

• 

  ”生”　ではなくて　”所”　が元々だった…

  わたしたちが日常的に使うちょっと大袈裟な言葉「一生懸命」。この言葉、誰もが話しことばや書き言葉で使ったことはあるでしょう。ただ一方で、こんな言葉も思い出す「一所懸命」。この「一生懸命」と「一所懸命」似てはいるし、おそらく同義語として使っているのではないだろうか？しかし元々は「一所懸命」が本当で、「一生懸命」という言葉は無かったのですが、いつの間にやら「一生懸命」の方が圧倒的に使われることになっているようです。したがって今日では、この言葉両方とも認められているとのことです。でもこの二つの似た言葉、微妙に意味が違うのです。あとから出来た「一生懸命」の方は、命をかけて物事に取り組むさま。本気で何かに打ち込む気持ち。これから頑張ろうという気持ち。元々の「一所懸命」の方は、むかし武士が預かった（土地）を意味していて、命がけでそれを守ること。そんな意味で生まれた言葉です。端的に言えば「一生懸命」は、物事に対して全力で取り組むさま。対して「一所懸命」は、ひとつの事に力を尽くす、という違いがあるのです。ただ近世になって「物事を命がけでやる」という意味では同じなので、「一生懸命」は誤用とされた時代もあったようですが、今日では「一生懸命」の方が主流になっています。

  2022.03.20

  コメント(0)

• 

  この言葉は辞書にも出ていない…

  こんな言葉は無いはずだ。ネット映像を覗いていたら『背縮み』という言葉が出て来た。確かにこの言葉は聞いたことが無いし、辞書にも当然出ていない。どういう意味でこの言葉が使われているのか、その映像を観ていたら若い娘たちが使った言葉のようで、もちろん市民権を持った言葉でもないらしい。その言葉の使われ方が「あの人ちょっと　”背縮み”　しているね！」とか「あんなに　”背縮み”　しなくてもいいのに」という使い方をするらしい。つまりこの言葉　”背縮み”　は　”背伸び”　の反対語として使っているらしい。なるほどそう言われれば良く分かる。つまり　”控えめ”　であるとか　”出過ぎることが無い”　とか　”引っ込み思案”　などのように受け取ればいいのだろう。世の中を見まわしてみると、”背伸び”　した発言や行動をする人はたくさん見かける。だからと言って背伸びした発言や行動がいけないと言っているわけではない。それも時と場合などシチュエーションによって使い分ければいいことかもしれない。その　”背伸び”　の反対語としての　”背縮み”　は、ある種の奥ゆかしさのようなものを感じるのですが、これも使い方を間違うと卑屈に見えることにもなりかねない。かように人の行動や言動には、好意的に受け取られるように振る舞うことの難しさのようなものがある。それを天性持っている人が居るかと思えば、まったく我関せずで自由気ままに振る舞って、陰で顰蹙を買っていることもあるかもしれない。ことほど人の行動や言動は、デリケートなものですから一瞬考えてからの判断が必要かも・・・。

  2022.01.29

  コメント(0)

• 

  異民族由来のものである用法を示す…

  　”胡散臭い（うさんくさい）”　の『胡』ってなに？そういえば『胡』の付く言葉っていろいろあります。胡瓜（きゅうり）・胡椒（こしょう）・胡桃（くるみ））・胡弓（こきゅう）・二胡（にこ））・胡乱（うろん）・胡座（あぐら）・胡麻（ごま）　などが思い浮かびますが、これらはすべて関連があるのでしょうか？　ネット検索してみるとあらまし分かりました。そもそも『胡』とは、古代中国の北方や西方の民族（主にソグド人のことを指す）に対する蔑称だったようです。ソグド人がシルクロードを通って中国に伝えた文物には『胡』の字が付けられた。『胡』のもともとの意味は、”あごひげが長い人”　のことを指していたようです。そこで『胡散臭い』という言葉ですが、『胡乱（うろん）』から生まれた言葉。『胡乱』とは、古代中国人が『胡』と呼んだ匈奴（遊牧騎馬民族）に襲われて、逃げ回ったことから生まれた言葉。ということですから、今日の『胡散臭い』の遣い方とは若干ニュアンスが違っているようです。因みにこれら『胡』の付く言葉の中で、『胡座（あぐら）』は日本人が作った言葉だと言われている。

  2021.11.08

  コメント(0)

• 

  今月の標語がなかなか重い言葉…

  7月・８月・９月の3か月分のカレンダーを、一度に引き破ってくることになった。我がアトリエから梯子で上がるロフトに架けている、町内の電気屋さんが昨年末に配ってくれた月送りカレンダーです。”３か月分を一度に”　ということは、少なくとも7月分を引き破るであろう7月末からロフトには上がっていないということになるのだろう。とてもそんなはずではなかったという感覚ではあるのですが・・・。このカレンダーはもちろん既製品に、下の空き部分に電気屋さん名を追加印刷したものである。今年のこのカレンダーは、毎月『今月の標語』として毛筆文字フォントで表示されている。この毎月の標語が、じっくり読んでみると　”なるほど、そうだな～”　と毎回納得させられてしまうのです。つまり、当たり前と言えば当たり前の言葉なのですけれど、改めて文字で読まされると、含蓄のある言葉ということになるのだろう。例えばこの7月には、”楽な生き方ばかり求めていると深い喜びを失うことになる”　とか、8月には　”学ぶ意欲を持たないと教わることが身につかない”　と、そして9月には、”時間を大切に使うことは自分の限りある命を活かすことである”　なんてことが書いてある。どの言葉も「おっしゃる通り、その通りです！」と、改めて己を振り返って反省させられることもよくあるのです。そういう意味では、なかなか良いカレンダーだと言えるのです。この毎月の標語通りに生きられれば、素晴らしい人生になりそうな気がしてくる。因みに今月10月の標語は、”苦しみや悲しみも味わう心が思いやりのある人柄をつくる”　とある。

  2021.10.01

  コメント(0)

• 

  むかしから意味と語源は何だろうと…

  近年はあまり耳にしなくなっている言葉です　”メロドラマ”　。ひょっとしたらもう　”死語になっているかも”　しれません。メロドラマというのはご存知のように、演劇や映画やドラマのジャンルのひとつとされている。　”一般的には感情の起伏を誇張した感傷的な恋愛劇を差す”　とされています。むかしから　”はて？　何だろう”　と思っていたのは、この『メロ』という言葉のことです。当時は何となくですが、男女の恋愛劇に付けられた言葉ですから、”登場人物の男性と女性が恋愛でメロメロになってしまうから『メロドラマ』という言葉で表現した”　と思って一人納得していたのです。ところがそれはまったく違うということが分かったのは、かなり後になってからのことです。＜＜『メロ』はギリシャ語の『メロス（歌）』に由来して、かつて通俗的な芝居がときに甘ったるい煽情的な音楽とともに上演されたことからこの名前がある＞＞　とこのようなことだったのです。時には高尚・高邁なものと対極にあるような通俗性のものに対する　”蔑称”　として用いられることもある。しかしある意味人気のあるジャンルでもあったものですから、数多く作品は今日まで作られ続けてきているのです。

  2021.07.20

  コメント(0)

• 

  まったく意味は違う…

  「蘊蓄（うんちく）」と「含蓄（がんちく）」という言葉は、似ていても意味は大きく異なる。蘊蓄とは　”蓄えた深い学問や知識”　のことを意味し、含蓄とは　”表面に現れない深い意味や内容”　のことという違いです。ということは、言葉としての響きなどは似ているようですが、内容は全く違うものです。したがってこの言葉を、混同して使用するなどはあってはならないのですが、しゃべり言葉などでは時には混同して使われていることも見受けることがあります。わたしのこの　”ねごとブログ”　も、そろそろ開設以後13年以上経過しております。その前半というか初期の頃には、取り上げるネタは　”うんちくネタ”　が多かったのですが、どうしても蘊蓄ネタはそれなりに知識が必要になります。その手持ちの知識が枯渇してしまうと自ずと蘊蓄ネタが続かなくなるのです。それで後半は　”日常ネタ”　や　”生活ネタ”　”社会観察ネタ”　が多くなってくるのです。ほかに　”旅行ネタ”　のジャンルもあるのですが、ここ1年以上続いているコロナ禍のせいで、旅行には当然のこと外出すら思い通りにできない有様ですから、このジャンルでは新作を書くことはなく過去の旅行先の思い出話くらいしか登場しないのです。話しは逸れましたが、蘊蓄ばなしが枯渇したのなら含蓄のある話を書きたいものではある。

  2021.06.30

  コメント(0)

• 

  意味は分かるが違和感が…

  新型コロナウイルス感染症が蔓延しだしてから、使われ出した新しい言葉がいくつもある。例えば『三密（密閉、密集、密接）』に始まり『発出（ある物事や状態が生じて外に現れ出ること）』などや、『まん防（まん延防止等重点措置）』や『人流（物流に対し人の流れのこと）』や『黙食（黙って食事をすること）』などがそれにあたる。これらの中で『発出』だけはすでに存在していた言葉ですが、一般的には日常で遣うことはまったくなかったと言っていい。残りの『三密』と『まん防』と『人流』と『黙食』などは、コロナ禍以後に創られた　”新造語”　というべきものでしょう。これらのどの言葉もその意味は分かるのですが、「なんだかな～」という感じの違和感が残るのです。少なくとも私は使うことがない言葉です。因みに、ここでは『三密』も新造語といたしましたが実はこの言葉、密教の宗教用語で古くからあった言葉です。真言宗でいうところの三密は、身密（しんみつ）、口密（くみつ）、意密（いみつ）を指すという。「密」とは、弘法大師（空海）が唐から伝えた密教の密のこと。仏と一体になる修行の意。つまり身体や行動（身）を整え、言葉や発言（口）を正しくすれば、自ずと心や考え（意）も整う。修行を重ね『三密』を研ぎ澄ませば、現世であっても仏様のように心穏やかに過ごせるという、”真言密教の大切な教え”　なんだということです。

  2021.06.25

  コメント(0)

• 

  郭煕の著書『臥遊録』に…

  むかし中国の河南省の山水画家『郭煕（かくき）』という人をご存じだろうか。おそらくは知る人はかなり少ないのではないかと推察する。でも、『山笑う』という言葉が俳句の世界でいうところの　”春の季語”　だということをご存の方はたくさんおられることでしょう。この郭煕という絵かきさんが、ご自身の画論著書『臥遊録（がゆうろく）』の中に、『春山淡冶にして笑うが如く』という始まりで、四季を表すものとしての詩を記載しいる。それが『山笑う』の語源で、のちに俳句で引用されたのが由緒由来とされているのです。『春山淡冶にして笑うが如く』という古く中国河南省の山水画家「郭煕（かくき）」の画論に拠るものなんだとか。郭煕の著書「臥遊録（がゆうろく）」に記載があり四季を表すものとして俳句で引用されたのが由来とされているそうですよ。春山淡治（たんや）にして笑うが如く、 夏山蒼翠（そうすい）にして滴（したた）るが如く 秋山明浄（めいじょう）にして粧（よそお）うが如く 冬山惨淡（さんたん）にして眠るが如ししたがって、『山笑う』は春の季語、『山滴る』は夏の季語、『山粧う』は秋の季語、そして『山眠る』は冬の季語となります。ただ、夏の季語の『山滴る』と秋の季語の『山粧う』は6音になるため、俳句ではあまり使われることがないようです。そしてもう一つ調べていて出てきた言葉が、「”山笑う”の季語を使った俳句に名句はない」という辛辣なものもありました。なお、『山笑う』季節はもうとうに過ぎて話題とする時機を逸してしまった。

  2021.06.12

  コメント(0)

• 

  ヘ～っ　それは知らんかった　”ガッツ！”　…

  スポーツクラブのサウナルームで、テレビが点けっ放しになっているので、そのバラエティ番組を聴くとはなしに聴いている（観てはいなかった）と、あるタレントさんが他の出演者に「最近ガッツポーズをするようなことがありましたか？」と問いかけていた。そしてなんちゃらかんちゃらがあって、「ところでガッツポーズの　”ガッツ”　って何ですか？」と、おい質問をしていた。 その　”ガッツ”　の語源が、ガッツ石松のガッツだとまことしやかに言っているのです。 その内容は　＜＜1974年4月11日東京の日大講堂にて、プロボクサーのガッツ石松がボクシングWBC世界ライト級王座を奪取したとき（王者ロドルフォ・ゴンザレスに8ラウンドKO勝利）、両手を挙げて勝利の喜びを表した姿を、当時スポーツ報知の柏英樹という記者が　”ガッツポーズ”　と表現して、それが広く知られるようになったのだ＞＞　と、とても具体的に説明していた。 思わず私も「ヘ～っ、それは知らんかった」と口走っていた。 でも疑っていたわけではないけれど、自宅に戻ってからネット検索で調べてみたところ、いろいろ別の説も出てきて、ガッツ石松が語源ではないかもしれない疑いもある。 ただ、こんなことが書かれていた。　＜＜21世紀初頭、”蘊蓄・都市伝説ブーム”　によって「ガッツポーズの起源はガッツ石松である」ということが一般化した。このことから、4月11日は「ガッツポーズの日」と呼ばれている＞＞。 また「ガッツポーズ」という言葉が初めて日本で使用されたのは、1972年11月30日に発行されたボウリング雑誌「週刊ガッツボウル」がストライクを取ったときのポーズを　”ガッツポーズ”　と命名した時とされているので1972年ということになって、ガッツ石松の1974年より早い命名ということになる。 いろいろありますな～！

  2021.04.21

  コメント(0)

• 

  「しのごのいってね～で、さっさとやれっ！」…

  冒頭の言葉は時々聞く言葉です、この『四の五の言う』とはどういうことか？　意味はよく判りますが、何が語源だったのだろうか？　・・・いろいろありました。まずその意味ですが、【あれこれめんどうなことを言うさま。なんのかのと文句を言うさま。言い訳みたいなことをぐずぐずくどくど言うこと】概ねこういうことです。 『四の五の言う』の語源はというと、＜＜その言い訳を〈四つも五つも〉並べ立てることから、「四の五の言うな」となったのだという説がある。もちろんそれは、四つとか五つという具体的な回数をいっているわけではなく、とにかくいろんな言い訳じみたことをいくつも言ってんじゃない！＞＞　ということです。またこんな説もあります、＜＜サイコロ賭博では、「丁」「半」を賭けさせるのが基本。「丁」は偶数、「半」が奇数ですから、〈二〉〈四〉〈六〉なら「丁」に賭け、〈一〉〈三〉〈五〉 なら 「半」に賭けることになる。壺振り役が壺の中でサイコロを振って、盆の上に壺を伏せる。そこで取り仕切り役が、「さあ、張ったはった、丁か半か」 と客にどちらに賭けるかを促す。こういう時に、「丁」か「半」かなかなか決めきれず、いつまでも迷ってしまう客がいると、「さあさあ、いつまでも四の五の言ってねえで速いとこ張りやがれ」 なんて調子で嗾（けしか）ける＞＞　と。『四の五の言う』 の 「四」 が 「丁」 のことで、「五」 が 「半」 のことですから、「四の五の」で 「丁か半か」と言っているわけです。ならば ｢二の三の｣ でも「一の二の」でも 「三の四の」でも 「五の六の」でも、どれも奇数と偶数の組み合わせですから言い方はいろいろあるわけです。まあ，数が連続しているところで、 [し] [ご] と二つとも1音（音 (おん) になるのが「四」「五」のところだけだったので、そこが使われたのだろうとの説です。因みについでですが、『四の五の言う』のとは逆に、何かを頼む（お願いする）と即座に了解の返事をくれる、そんな様子を『一も二もなく』と表現することがよく知られている。この 『一も二もなく』は、『四の五の言う』の説の裏返しで〈文句も言い訳も何も言わずに直ちに〉というような意味ということです。『四の五の言う』に関しては、別の語源説もあるようです。

  2021.04.05

  コメント(0)

• 

  助詞の使い分けで微妙に意味が…

  我が家は昨年に一度だけ利用しましたが、『GO TO トラベル』キャンペーンは、まだしばらく復活するのは無理な様子です。その『GO TO トラベル』は、”旅へ行こう”　とか　”旅に行こう”　という意味だと思いますが、日本語では、この　”へ”　と　”に”　の助詞の使い方で微妙に意味が変わってくる。　”旅へ行こう”　と言うと、目的地が決まっていて『さあ、○○へ出かけよう！』といった感じで受け取りますが、　”旅に行こう”　と言うと、目的地が決まっているわけではなく、『たまにはどこか旅にでも行こうか！』と漠然としている気がするのです。山口百恵さんが歌った、谷村新司さん作詞・作曲の『いい日旅立ち』というヒット曲の歌詞に、”〽せめて今日から一人きり旅に出る”　という一節が出てくる。これは、”当てはないけどとりあえず旅に出よう”　とのニュアンスが漂っている。まことに旧いはなしで恐縮ですが、この『いい日旅立ち』という楽曲とそのフレーズは、　＜＜今日のJR がまだ日本国有鉄道（いわゆる”国鉄”）といっていた頃の、旅行誘致キャンペーン及びそのキャンペーンテーマソングとして制作されたもの。1978年11月に発表された山口百恵さんのシングル24枚目にあたる＞＞　という。 『GO TO トラベル』キャンペーンのことから、”へ”　と　”に”　の助詞の使い方を書いていたら、なんと『山口百恵さん』にまでたどり着いてしまった。そういえば百恵さん、引退されてから一度も公の場に出て来られませんでした。なかなかできることではない、とても立派だと思います。

  2021.03.17

  コメント(0)

• 

  わたしも間違って覚えていたか…

  『綺羅星の如く』とか『間髪を入れず』とかっていう言葉は、日常的の案外使っているものです。さてこの『綺羅星の如く』をどのように読むか？　『綺羅星、の如く』と読むか『綺羅、星の如く』と読むかの違いです。わたしは過去に前者の読み方でやってきました。しかしそれはどうも違っていたようで後者の方が正しいようです。この言葉の意味は、＜＜りっぱな人、美しい人などが、ずらりと連なり並ぶさまのたとえ＞＞そしてその語源は、＜＜「綺羅（あやぎぬとうすぎぬ。転じて美しい衣装。また、あでやかで美しいこと）、星の如し」から＞＞　とある。もうひとつの『間髪を入れず』の方ですが、『間髪、を入れず』と読むか『間、髪を入れず』と読むか？　いかがでしょう。これも正しくは後者の方ですから、やはり私は間違えて覚えていたということ。この言葉の意味は、＜＜間に髪の毛一本を入れるすきまもない。事が非常に切迫していて少しもゆとりのないことにいう。転じて、”即座に”　とか　”咄嗟に”　の意。『間に髪を容れず』とも表す＞＞　ということです。また読み方で紛らわしいこんな言葉もある。『一敗地に塗れる』と『一頭地を抜く』ですが、この言葉の読みは、『一敗地、に塗れる』と『一頭地、を抜く』と読んでしまいます。正しくは、『一敗、地に塗れる』で『一頭地、を抜く』はそのままで正しいということです。『一敗地に塗れる』の意味は、＜＜　”一敗”　は、一度の勝負で完全に敗北することを表し、”地に塗れる”　は、戦死した者の内臓が地面に散らばって泥にまみれるという意味＞＞　で、 区切りは『一敗、地に塗れる』。  『一敗地に塗る（まみる）』とも。 『一頭地を抜く』の意味は、＜＜他の人より頭ひとつ分だけ抜きん出ていることから、 ”一頭”　は、頭ひとつ分の高さのこと。　”地”　は、漢文で語尾に添えて語調を整える助辞なので実質的な意味はなく　”一頭地”　も　”一頭”　と同じ意味＞＞　とありました。あまり使わない言葉もありますが、仮に使うことがある時は正しく使いたいものですね。

  2021.02.16

  コメント(0)

• 

  そこが面白くて難しいところ…

  『蛇の道は蛇』という言葉や『縁も縁も無い』などという言葉、やはり今でも時折使う言葉です。もちろんこれはそれぞれ『じゃのみちはへび』と『えんもゆかりもない』と読みます。『蛇の道は蛇』の意味は、同類は同類の行動をよく知っている。同業者や同じ専門の者は、仲間の考え方や行動をよく知っている、といった意味の言い回し。『縁も縁も無い』の意味は、物事の間に何も関連性がないことを意味する表現。「縁」や「所縁（縁）」は、血縁関係や間柄などを示す語である。 同義語を重ねて使うことによって、より強調した表現になっている。日本語にはこのような一見紛らわしい言葉が散見されます。これなどは知識として知っていないと読めない部類の言葉であって、日本語の奥深いところかもしれません。

  2021.02.11

  コメント(0)

• 

  やはり関西圏の言葉だった…

  妙な言葉である。でも状況をよく言い当てている（言い表している）とも思える言葉の響きです。関西地方では、捻挫することを『ぐねる』という動詞で言い表すことがよくある。わたしも何年も前に、少しヒールの高い靴を履いていて、ちょっとした段差に足を取られて右足首を、激しく捻挫したことがある。おかげでしばらく（１ヵ月ほど）はランニングができなかったし、山登りの時も登りはいいのですが下りがとても怖い時期がありました。そんな時だったと思う。誰かに「右足首を　”ぐねって”　しまったんです」というと、「えっ！　なんのこと？」といわれまったく通じなかった覚えがある。もちろん捻挫のことであることは説明した。どうもこの「ぐねる」という言葉、関西一円では一般的に使われている言葉ですが、特に東日本の方々には、ほとんど通用しない言葉なのでしょう。ということはこれって関西弁だったと言うこと。以来、ランニング時も山登りの時も、右足首には　”足首サポーター”　を欠かしたことはない。

  2021.02.07

  コメント(0)

• 

  こんな文字が出てきた…

  『七零八落』。こんな言葉が出てきた。この四文字熟語は中国の言葉らしいのですが、どうも日本のある言葉の語源なった言葉だというのです。それは日本の映画や芝居やテレビドラマの時代劇に関することで、時代劇には武士物が多いのは当然のこと、戦闘場面も多い。このような芝居や映画をチャンバラ劇やチャンバラ映画といいます。チャンバラ場面というのは、武士や侍（さむらい）といわれる人たちが刀やその他の武器で斬りあいをする場面のことです。その『チャンバラ』という言葉の語源になった言葉だといっているのです。そもそも四字熟語の『七零八落』には、もともと　”整然として纏まっていたた物が散り散りばらばらになる”　ということで、　”散らばる”　というの意味があるとされています。 この言葉を重ね式表現にしたものが『七零七零八落八落（ちりちりバラバラ＝チャンチャンバラバラ）』となって、チャンバラ劇とは　”斬り合いをする活劇”　のことを指すことになったのではないか？　というようなことが書いてありました。事実のほどは定かではありませんが、一つの説としては覚えておきたいと思います。加えてこんなことも、　＜＜刀で斬合うときにチャンチャンと音がするので、チャンバラは擬声音から生まれた言葉だと思っている人がいるかも知れませんが、必ずしもそうではないようです＞＞　と。

  2021.01.07

  コメント(0)

• 

  上方落語で聴いて知っていた…

  11月30日月曜日からスタートしたNHK朝の連続ドラマ『おちょやん』、楽しみに見せてもらっています。大阪が舞台で、のちに大阪のお母さんと言われた浪花千栄子さんがモデルらしいですからすからなおさらのことです。 まだ始まって２週間といったところですが、そのお芝居の中の１シーンで、「あんたは　”ほげた”　が達者やな～」と『ほげた』という言葉が出てきました。もちろん日本全国ほとんどの人は初めて聞く言葉ではなかったかと思います。その後何度かその言葉が出てくるのですが、最初にその言葉が出てきた時には、黒子役の桂吉弥さんがその説明をされていました。 『ほげた』とは簡単に言えば『口』のこと。頬桁（ほおげた）から転じた。頬骨のこと。使い方としては先ほどの「ほげたが達者やな～」＝口が達者やな～、とか「ほげたたたいて」＝悪口を言う。口答えをする。という意味で使われるのです。 わたしはこの『ほげた』という言葉、相当むかしから知っていた。 それは上方落語が好きでよく聞いていた時期がありました。 そんな数ある演目の中で、桂米朝さん演じるところの『らくだ』だったと思いますが、その中の一節に「　”ほげた”　引き裂いてでも飲まさずにはおかんのやさかい・・・」という酒を無理矢理飲ませようとする上方弁のセリフがありました。 そのとき初めて聴く言葉だったのですが、話しの流れの中で『ほげた』が『口』のことであることはすぐに理解したことを覚えている。 この言葉は関西弁であることは間違いないのですが、なかでも大阪弁あるいはもっと狭いエリアで使われていた言葉かもしれません。 このような言葉はほかにもたくさんあることでしょうけれど、そのうちにどんどん無くなってゆくのでしょうね。

  2020.12.13

  コメント(0)

• 

  そもそも別の文字です、画数も違う…

  先日ご近所の奥様から「実家からたくさん送ってきましたので、お裾分け」と言って立派な『カキ（柿）』を紙袋に入れていただいた。そんなことがあって思いついたネタです。　”『柿』食へば鐘が鳴るなり・・・”　と　”薬師寺東塔の改修工事の『杮』落とし・・・”　の『柿（かき）』と『杮（こけら）』という字のこと、パソコンワードで出すと同じ字が出てくると思いませんか。ところがこの二つの漢字にはまったく何の関係もない別の文字です。まず『柿（かき）』の方はともかく、『杮（こけら）』というのは『こけら落とし』と用いられることが常で何のことか説明すると、＜＜新たに建てられた劇場などで初めて行われる催しのこと、その演目はそれぞれの劇場の特性に合わせた内容で、おおむね慶事の内容であることが多い＞＞　とある。 そこでそもそも『杮（こけら）』とは何ぞや？　材木を削った際の木片のことであり、『こけら落とし』とは建設工事完成の最後に屋根などの木片を払うことが語源になっている。この『柿（かき）』と『杮（こけら）』はもちろん同じ字ではない。字画数も『柿（かき）』の方は　”木扁になべぶたの下に巾”　で九画ですが、『杮（こけら）』の方は　”木扁に一の下に巾を書くのですがその縦棒が一を貫いている”　ので八画の字ということです。つまり『柿（かき）』はなべぶたと巾の間には少しの空きができるということで、『杮（こけら）』にはその空きが無いということです。

  2020.11.18

  コメント(0)

• 

  『暖気』本当はこれが正しい…

  「仕事はとうにリタイアしていますから、新型コロナ禍下のこの時期でも、比較的気楽にのんびりとおとなしく在宅していれば良いだけのこと、危うきには近づかずだ」と、負け惜しみっぽく言ってみた。コロナ禍以前のように、”自由気ままに外出して親しい友人たちと馴染みのお店で飲み会”　ということが憚られる今日この頃だから。できるだけ気分を落ち着けて、のんびりとすることを心掛けているのです。つまり物事に頓着せずに『のんき』に過ごそうと・・・。ところでその『のんき』ですが、『呑気』『暢気』『暖気』などいろいろな漢字が当てられていますが、本当のというか本来の　”のんき”　は『暖気』と、これが正しい漢字だったのです。『のんき』の意味は、〇性格がのんびりしているさま。物事に頓着しないさま。〇心配事や苦労が無いさま。気楽なさま。〇気が長いさま。落ち着いているさま。なお漢字で書く『暢気』と『呑気』は当て字で、本来は『暖気』が正しいのだそうです。このことを知っている人はかなり少ないのではないか？　と思いますが、今日現在では完全に『呑気』とか『暢気』というのが主流になっています。『暖気』なんて書こうものなら「それは　”のんき”　ではなくて　”だんき”　だろう」と言われるのが落ちです。漢字も時代とともに変遷してゆくものなのですね。この『のんき』の場合は、漢字の字面から意味を汲み取ると、『暖気』よりも当て字とされている『暢気』と『呑気』の方が相応しいですね。

  2020.10.07

  コメント(0)

• 

  二文字セットでないと意味を持たない…

  漢字が表意文字であることは周知のことです。 ところがなんにでも例外はある。つまり漢字一文字で読みはあるが意味がないものがある。 その漢字はもう一文字別の漢字とセットになって、初めて意味を持つという性格の漢字です。 その例として挙げたいのは『茉』と『莉』。 この二文字は、比較的よく見かける文字です。そうです女性の名前によくみられるのです。 この二文字はセットでないと意味を持たないし、セットでしか使えないと思っていい言葉です。 『茉莉（まり・まつり）』＝ジャスミンの一種で、中国ではジャスミン茶を採る植物の名称とある。 したがってこの文字を女性の名前に付ける時は、『茉莉』とセットで使うべきで本来はあるのですが、『茉理子』とか『真莉子』とかっていう名前もよく見かけます。だからどうこうということは申しませんが・・・。 その例のようなセットでしか使わない例はほかにいくつもあります。 一部を挙げていると、『檸檬（れもん）』『瑪瑙（めのう）』『髑髏（どくろ）』『喇叭（らっぱ）』『醍醐（だいご）』『玳瑁（たいまい）』『蜥蜴（とかげ）』『齟齬（そご）』『挨拶（あいさつ）』『邂逅（かいこう）』『躊躇（ちゅうちょ）』『霹靂（へきれき）』などが思い浮かびます。

  2020.09.09

  コメント(0)

• 

  日常的にはほとんど使わない…

  漢字の辞書のページを何気なく繰っていたら、この言葉に出合った。もちろん意味は知っている。『手弱女（たおやめ）』とは。＝たおやかな女性。なよなよと優美 な女性。たわやめ。『益荒男（ますらお）』とは。 ＝りっぱな男。勇気のある強い男。ますらたけお。ますらおのこ。この男女を表す二つの言葉は、反対語として対になっている言葉です。女性らしい女性を、男性らしい男性を表現した言葉だということです。ただし現代ではまったくと言っていいほど、日常的に使う言葉ではありません。この言葉はいつごろまで使われていたのだろうか？　江戸時代？　明治時代？　小説やその他書物の中にもこの言葉を見かけることはほとんどありません。もうその言葉を見るのは辞書の中くらいでしかないのでしょうか。周りを見渡しても、女っぽい男性とか男っぽい女性はよく見かけるのですが、その『手弱女』とか『益荒男』とかっていう言葉が当てはまるような人が見当たらないということも、そんな言葉を　”死語”　にしてしまっている理由なのかもしれません。そういえば大相撲に四股名を『益荒雄（阿武松親方=日本相撲協会退職）』という力士が居ましたね。

  2020.09.06

  コメント(0)

• 

  雌雄対でできているネーミング…

  収録が中断されていた今年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が放送再開された。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で6月7日に放送されて以来、約3カ月ぶりに放送再開されることになった。この『麒麟』というのは、中国の古い書物によると、”仁の心を持った君主が生まれたときに姿を現す一角の霊獣”　のこととある。はなし替わってそんな『麒麟』のことですが、麒麟の『麒』の字は牡を表し『麟』の字は牝をあらわす文字なんだそうである。つまり雌雄が一対になってできた名前なのである。ほかにそのような例があるのかしら？　と思って探してみると・・・、『鳳凰（ほうおう）』（『鳳』が牡で『凰』が牝）や『鴛鴦（えんおう＝おしどり』（『鴛』が牡で『鴦』が牝）、そして『翡翠（ひすい＝かわせみ）』（『翡』が牡で『翠』が牝）など雄雌を一対にして表す動物漢字がいくつかあるのです。ここに挙げた他にもまだまだあるかもしれません。放送再開された大河ドラマ『麒麟がくる』、これからも楽しみに観させてもらうが、この物語で『麒麟』は果たして現れることになるのだろうか？　久々に面白い大河ドラマだと思っている。

  2020.09.03

  コメント(0)

• 

  身内以外でこの言葉は聞いたことが無い…

  わたしは使ったことが無い言葉ですが、むかしから母や妹はよく使っていたと思うし、妹は今でも時折使っている。『せんぐり』という言葉、意味は分かるしよく知っているが、使ったことはない。何故使わないのかと考えてみると、この言葉はおそらく　”京ことば”　か　”大阪弁”　か　”関西弁”　のような、いずれにしても方言の類であろうと思われる。したがって、ほかの地域では通じないかもしれないとの思いから使ったことが無いのだと思う。調べてみると、やはり　”京ことば”　で意味は＝次々と＝と出ている。　”大阪弁”　でも使うようで、意味は＝順を追って次々にすること＝ということ。先繰り。順繰り。ほかにも奈良でも使うようだし、徳島でも使うようだ。つまり大きくは関西圏の言葉のようでした。でも現在ではあまり日常的に使われているのを知りません。つまり私は亡き母が使っていたのと、現在妹が使っている以外には聞いたことが無いほど、一般的には馴染みがない言葉かもしれません。

  2020.08.02

  コメント(0)

• 

  似ているけど微妙に違う…

  『釈然としない』と『腑に落ちない』、似たような意味の言葉です。どちらも説明を聴いたり読んだりした後に、その説明にいささかなりとも疑問を持った時に使われる言葉です。調べてみると、以下のように出ていました。【釈然としない】＝疑いや迷いなどが晴れなくて、もやもやした様子つまり、”何かの事情に理由があって、それを分かっていたとしても自分の心情として納得できない様子”　のことを言います。因みに【釈然】⇒迷いや疑い、恨みなどがすっきりと消えて心が晴れる様子【腑に落ちない】＝理解できずもやもやした様子・合点がいかない様子こちらの方は、”理由が理解できればすっきりするものに対して使う”　ということです。因みに【腑】というのは胃の腑のことで、【腑に落ちない】とは食物がのどの奥に引っかかっていて胃にまで到達していない状態のことです。この二つの言葉とても似ているけれど微妙に違いがあるのです。「理解していても納得できない」というのと「理解できればすっきりする」という微妙だけれども確実に違いがあるのです。日本語の語彙は、たくさんあって難しいけれど、それが面白いところでもあるのです。最近テレビのニュースなどを観ていて　”釈然としない”　ことがしょっちゅうです。何故そんなことになるのか、”腑に落ちる”　ように説明願いたいものです。　

  2020.07.13

  コメント(0)

• 

  危険性は決して　”ゼロ”　ではない…

  人それぞれ、思いや行動は千差万別で皆様いろいろです。わたしなんかは縛りが解除されたとはいえ、まだまだすぐに外出などする気など起らないのですが、外出自粛が解除された途端にこれぞとばかりに喜び勇んで、あちこちにお出かけになる人たちもたくさん。何もかもがOKになったわけではなく、感染者でも無症状の方たちも世の中にはいらっしゃるということですから、危ないことと言ったら決して無視はできない。もちろん皆さまもそのように認識はされているのでしょうけれど、”自分だけは大丈夫！””そんなに運の悪いことにはならない”　なんて思いが強いのでしょう。確かにそんな運の悪いことには恐らくはならないと私も思いますが、その運の悪いことにぶち当たる危険性は、決してゼロではないのです。そんな微々たる危険性を恐れるという気持ちは持っていていいのではないだろうか？ところで話し替わって、「危険性はゼロではない」なんてことを書きましたが、この『ゼロ』と同義語の『レイ』というの言葉がありますが、この『ゼロ』と『レイ』の違いはあるのだろうか？　全く同じことで言い方や表示の仕方が違うだけなのかしら。例えば天気予報で、「降水確率ゼロパーセントとは決して言わず、必ずレイパーセント」と言っているのをご存じだろうと思います。あれは『ゼロ』と『レイ』には違いがあるということを如実に表しているのです。降水確率レイパーセントでも雨が降ることは5パーセント以下の確率で有り得るということを含んでいるのです。ということは『ゼロ』と『レイ』は同義語のようですが微妙に違うということでしょう。つまり『ゼロ』も『レイ』も　”まったくない”　という意味では同じですが、『レイ』の方にはわずかながらの可能性を残しているという含みがあるのです。完全に『無』というのと『ほんの少しはあるかもしれない』という違いです。この『ゼロ』のことに触れると必ず思い出すのが、旧日本軍の誇る戦闘機『ゼロ式戦闘機（ゼロ戦）』のことです。この戦闘機の正式名称は『零式艦上戦闘機』ですが、これは　”ゼロ式艦上戦闘機”　ではなくて　”レイ式艦上戦闘機”　だったのです。この戦闘機は優れた性能を持っていて、連合軍のパイロット達からとても恐れられていて、”ゼロファイター”　と呼ばれていたという。それが戦後我が国でも使われるようになって『ゼロ式戦闘機』と呼ばれるようになったとか。ただ一方で戦時中のことだったために、敵性言語である『ゼロ』は使えなかったという説もあるようです。したがって蛇足ですが、大戦中のことを背景にした映画やドラマで、この戦闘機のことを「ゼロ戦が・・・」というセリフが出てきたら、それは厳密には間違っているということになりますね。

  2020.06.11

  コメント(0)

• 

  恥ずかしいくらい誤字が見つかる…

  『ねごとブログ』を書き始めて13年目に入っています。自分のブログのアクセスリポート＜＜昨日読まれた記事のランキング＞＞　を覗いて、自分の書いたもので何が読まれたのかをみるのは日課のようになっている。書いたものすべてを覚えているわけでもないので、その自分の書いたブログを開けて再読することもよくあることです。そこで恥ずかしいことに　”誤字”　をよく見つけてしまうのです。「う～ん、これは訂正したい」と思うこともよくありますが、訂正することはほとんどありません。その誤字が発生する原因はただひとつ、ワードの変換間違いによるものです。そんなもの書いた後で丁寧に校正すれば防げる話です。けれど、それをしなかったことで恥ずかしいことになっているのです。やはり慎重を期さなければいけません！　わかってはいるのですが、思いついたネタの先を急かされるように書いてしまうものですから、うっかり変換された文字の確認を怠ってしまった結果です。文字を自分で書く分には、このような誤字は発生しませんが、その代わり正確な文字を書くために、辞書を手元に置いて調べることも多くなってくるはずです。パソコンワードの便利さのおかげで、漢字を忘れて書けなくなってきていることに気づくのです。これは　”自分の能力の後退”　とも言えるのではないかと危惧もしているのです。先ほどの訂正をしたいと思うものが何年も前のものだったとして、いま訂正するとその訂正時点での日付アップということになるのが嫌で、訂正しないでいるのです。直近のブログで誤字を見つけた場合は、その限りにあらず訂正することもありますが。

  2020.04.27

  コメント(0)

全268件 (268件中 1-50件目)

1 2 3 4 5 6 >