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『犬の鼻先におなら』

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2008年04月22日
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異色な合唱作品集コンサート。「声」という楽器。

 東京混声合唱団の第38回サントリー音楽賞受賞記念コンサートを聴きにサントリーホールに行きました。
 内外の現代音楽を中心として幅広い作品を網羅した活動を続けている団体です。創立50周年を記念しての受賞だそうです(半世紀というのは凄いね)。

 では、合唱された作品の感想を。

 マリー・シェーファー「自然の声」
 ローマの詩人にして哲学者のルクレチウスの著書『物の本質について』の一節を合唱しています(ラテン語)。
 歌っている箇所は第4巻の当に「音」に関して記述されている箇所。ある種の機知がありますね。

 合唱隊は三隊に分かれており、舞台中央の合唱隊(「科学理論」を歌っているらしい。耳で聴いただけではさすがにラテン語は無理(^O^;。パンフを参照しました)、観客席内の合唱隊(「その科学理論を思案したり、曲解したりしている」らしい)、そしてもう一つは舞台裏の合唱隊(本文中で扱われている精霊たち。途中で舞台上に踊りながら乱入します)。
 歌っている内容も構成も異色ですね。
 三隊に分けて唱う事によって、あたかも対話が行われているような効果が生み出され、文字通り「重層的」な音響となりました。

 
 西村朗「先帝御入水」
 ご存知『平家物語』巻之十一は「壇ノ浦の合戦」のハイライトですね。平曲譜本がテキストです。
 朗読と合唱の部分から構成されていますが、朗読部分もソロの様で切れ目なく構成されています。
 基となったテキストがそもそも平曲なので自然と音楽的になっているのでしょうね。

 「波の底にも都の侍うぞ」
 宮中の女性達のむせび泣きが聞こえてきそうな、哀切極まりない曲になっていました。

 二十絃箏が使われています。「平家物語」で琵琶なら良くあるのでしょうが、二十絃箏が使われるのは珍しいのではないでしょうか。


 野平一郎「混声合唱のための幻想編曲集 日本のうた」
 「ずいずいずっころばし」「この道」「思うことはいつも」「卯の花」の四曲。
 
 「ずいずいずっころばし」という童歌、考えてみると妙なうたですね。歌詞は意味が良くわかりませんし、何やら薄気味悪いような気もします。
 そしてうたの調子も随分とリズミカル。
 普通はただの童歌として気にも留めませんが、こうして現代的な作品に混じって合唱されると妙な気がします。
 ダダイストの詩みたいだ。

 
 柴田南雄「追分節考」
 本コンサートのメインでしょうか。
 「日本民謡」の旋律を一切編集する事なしに使われた作品。
 明治初期の『俗楽旋律考』の朗読から始まります。

 ここで客席にいつの間にか“潜入”していた男性合唱員達が、あちらでこちらで、移動しながら、奇妙な発声(何といったらいいか。合いの手か)を伸びやかに唱います。
 (おら吃驚しただよ。客席少しざわつきました)。
 舞台上でも女性合唱員によるハミング。

 途中より尺八も舞台に登場。

 今でも、謎に思うのが、実に奇妙な指揮(指揮だろうな、多分)の事です。
 台の上に「団扇立て」が9本。指揮者が時に応じて団扇を立てたり引っ込めたりします。団扇にはひらがなや漢数字が書かれています。
 何だったんでしょうか(?_?)。
 恐らく合唱団員それぞれが9パートに分かれて合唱していたんだと思います。(常に合唱団員は移動していたので確認するのが難しかったですが、女性は19人、男性が15人、尺八演奏家が1人の構成でした)。

 「舞台上に演奏家がいて演奏し、客席に聴衆がいて鑑賞する」という“お約束”。この曲はその“お約束”に疑問符をつけた作品でもあるのでしょうね。
 歌舞伎の花道のようで、一寸得した気分。


 アンコールは「さくら」と「汽車ポッポ」の二曲。

 
 人間の声は音楽の出発点、源であり、それは常に音楽に尽きぬ可能性を与え続けている、とそんな感慨を持ちました。
 満足の一日でした♪(*^_^*) 。

東京混声合唱団のCD





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最終更新日  2008年04月23日 22時02分25秒
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