ちょっと振り返ってみた
高校野球の県予選が開幕した。ここは地元テレビ局で開会式から閉会式まで毎日放送される。午前中、間違って(笑)地元テレビ局をつけたらやっていたので気がついた。僕の中で一番古い高校野球の記憶は、小学2年生の時。県予選決勝。あるピッチャーが押し出し四球サヨナラ負けを喫したシーン。優勝した高校は甲子園の1回戦で池田高校と対戦した。そのあるピッチャーが渡辺久信だったことを知ったのは後になってからだった。それまでプロ野球にしか興味がなかった僕は、その日から高校野球というものにも興味を持ち、甲子園大会までの期間、親に雑誌をねだり、知識を入れていった。その結果、池田高校のファンになった。僕はデンジマンやサンバルカンといった強いヒーローが大好きだったので自然の成り行きだった。夏・春と2連覇し、3連覇がかかった大会。エース水野と強打者江上がいた。甲子園大会が始まると、池田高校の試合にくぎ付けになった。マスコミも池田高校の話題ばかり。でも日程が進んでいくにつれ、ピーとかエルとかいう奇妙な名前の高校が話題になってきた。それも1年生コンビがどうのこうのと。準決勝。僕は友達のたけしの家にいた。たけしのお母さんが「始まるよ!」と、外で野球をやっていた僕たちに呼びかけたのでテレビの前に駆けて行った。もちろん池田高校を応援した。でも僕はデンジマンやサンバルカンという強いヒーローが好きだったので、試合が進むにつれ、あの奇妙な名前の高校に気持ちが傾いていた。結果は0-7。池田高校は敗れた。その後、KKコンビのファンになったことは言うまでもない。KKコンビ以後もたくさんの選手に憧れた。でも自分が高校3年夏に野球を引退すると同時にもう高校野球に憧れることはなくなった。興味もなくなった(いやちょっとはある)。だから松坂がどんなに騒がれても凄いとは思わなかった(いやめちゃくちゃ凄かったですけどね)。高校2年の夏、松井の5打席連続敬遠を巡り、野球部内で大論争になった。塾生の小5女子にジャイアンツ時代の松井のクリアファイルを持っている生徒がいたので、「ファンなの?」と聞いたら、「知らない。」と答えられた。イチローは知っていても松井は知らないそうだ。なんか寂しい気持がした。後日、中3授業の休憩時間、女の子たちがホワイトボードに似顔絵を描いて当てっこしていた。ある女の子がベースボールキャップを描き、中央にYGマークを描いた瞬間、他の女の子たちが、「坂本!」と叫んだ。出題した子が嬉しそうに、「正解!」と答えた。時代は移りゆく。そう実感したひとときだった。