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石川誠壱の「こちら熟女捜索隊」

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2007.03.01
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カテゴリ:新録かきおろし
重要なのは、
「全1巻でおさまっているか、どうか」ということですよ。

新潮文庫の江戸川乱歩は、
後にも先にも、コレ1冊しかない。
「さらに他の本」を買わなきゃいけなくなることはないから、
ややこしくならない。

河出文庫の江戸川乱歩も、
小説集は『不気味な話1』だけで、
他に出ているのはエッセイ選集だけですからね。

江戸川乱歩:著/新保博久、山前譲:編『江戸川乱歩コレクション I/乱歩打明け話』河出文庫
江戸川乱歩:著/新保博久、山前譲:編『江戸川乱歩コレクション II/変身願望』河出文庫
江戸川乱歩:著/新保博久、山前譲:編『江戸川乱歩コレクション III/群集の中のロビンソン』河出文庫
江戸川乱歩:著/新保博久、山前譲:編『江戸川乱歩コレクション VI/謎と魔法の物語 自作に関する解説』河出文庫
江戸川乱歩:著/新保博久、山前譲:編『江戸川乱歩コレクション V/一人の芭蕉の問題 日本ミステリ論集』河出文庫
江戸川乱歩:著/新保博久、山前譲:編『江戸川乱歩コレクション IV/クリスティーに脱帽 海外ミステリ論集』河出文庫

乱歩の短篇小説が読みたい…というだけの話なら、
「他の本」までは買わなくてもいい。

それで、新潮文庫と河出文庫さえあればいい、という判断になったわけだった。

*

その文庫で出ている乱歩の小説集が、その本1冊だけ…ということなら、
こういうものもありますね。

 江戸川乱歩:著『明智小五郎全集』講談社:大衆文学館
「何者」
「D坂の殺人事件」
「心理試験」
「黒手組」
脚本「黒手組」
「幽霊」
「屋根裏の散歩者」
「怪人二十面相より」
「兇器」
「月と手袋」

これは、『江戸川乱歩傑作選』『不気味な話1』『江戸川乱歩集』の3冊と並べても、
ほとんどカブリが少ない。

むしろ、この4冊を並べてしまうと、
新潮文庫の『江戸川乱歩傑作選』こそが、
最もカブリだらけで、いちばん必要ないんじゃないか、と思えてくる。

新潮文庫の中身を、他の3冊と比べてシルシをつけた場合。

  創 「二銭銅貨」
    「二癈人」
   講「D坂の殺人事件」
  創講「心理試験」
    「赤い部屋」
  創講「屋根裏の散歩者」
 河創 「人間椅子」
 河創 「鏡地獄」
 河創 「芋虫」

たしかに、カブリだらけだ!

それは、最後に新潮文庫を買おうとするなら、そうだけど。

むしろ、新潮文庫と創元推理文庫が、
各ジャンルの作品から代表作を少しずつ、総合的に選んだもの。
河出文庫と講談社:大衆文学館が、
特定のジャンルに絞って収録作品をセレクトしたもの。

そういう編集方針の違いが明らかになっただけですね。

で、オレの場合は、
とにかく最初に新潮文庫を持っていたわけで、
「これこそが最終的に、いちばん要らない」という結論が出たとしても、
これを処分するわけにはいかないよ。
ついさっきまでは「これ1冊だけあれば、それでいい」と思っていたぐらいなんだから。

河出文庫は、他とのカブリも少ないし、
とにかく、こういう傾向のエログロ短篇が読みたくて買ったのであるし、
隣りには夏目漱石の『不気味な話2』が並んでいて、
2冊だけとはいえ、すでにシリーズが揃っているところを崩すわけにはいかないし、
さらにその隣りには、幻の『不気味な話3』であるところの谷崎潤一郎が、
各社の文庫マゼコゼで、ずらずら並んでいるし、
気がつけば、その漱石と谷崎の間には、こんな3冊が入り込んできている。

 芥川龍之介:著『文豪ミステリ傑作選/芥川龍之介集』河出文庫
「開化の殺人」
「奉教人の死」
「開化の良人」
「疑惑」
「魔術」
「未定稿」
「黒衣聖母」
「影」
「妙な話」
「アグニの神」
「奇怪な再会」
「藪の中」
「報恩記」

三島由紀夫:著『文豪ミステリ傑作選/三島由紀夫集』河出文庫
「サーカス」
「毒薬の社会的効用について」
「果実」
「美神」
「花火」
「博覧会」
「復讐」
「水音」
「月澹荘綺譚」
「孔雀」
「朝の純愛」
「中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜粋」

 太宰治:著『文豪ミステリ傑作選/太宰治集』河出文庫
「魚服記」
「地球図」
「雌に就いて」
「灯籠」
「姥捨」
「葉桜と魔笛」
「愛と美について」
「誰も知らぬ」
「清貧譚」
「令嬢アユ」
「恥」
「日の出前」
「女神」
「犯人」
「女類」

こうして『不気味な話2 夏目漱石』と『文豪ミステリ傑作選』3冊が並んでしまうと、
その間には、さらに、今まで別の場所に置いてあった3冊を挟まないといけなくなる。

夏目漱石 他:著『文豪ミステリー傑作選』河出文庫
「趣味の遺伝」夏目漱石
「魔睡」森鴎外
「范の犯罪」志賀直哉
「開化の殺人」芥川龍之介
「途上」谷崎潤一郎
「眉かくしの霊」泉鏡花
「それを見た人達」川端康成
「犯人」太宰治
「サラサーテの盤」内田百間
「復讐」三島由紀夫

黒岩涙香 他:著『文豪ミステリー傑作選 第2集』河出文庫
「無惨」黒岩涙香
「巣鴨奇談」徳冨蘆花
「嫌疑」久米正雄
「悪魔の舌」村山槐多
「兄妹の魂」岡本綺堂
「怪談」大佛次郎
「ナンキン墓の夢」吉川英治
「出来ていた青」山本周五郎
「紅皿」火野葦平
「半蔀女」海音寺潮五郎
「茶わん」吉屋信子
「赤い鼻緒の下駄」柴田錬三郎

そして、『文豪ナンセンス小説選』

ここまでの美しい並びが出来上がれば、
いちばん最初の、乱歩の本の手前に、
これを置いて、ようやく完璧なものとなるわけですね。

江戸川乱歩:編『推理教室』河出文庫
「まえがき」江戸川乱歩
「孤独な朝食」樹下太郎
「ガラスの眼」鷲尾三郎
「眠れない夜」多岐川恭
「四人の同級生」永瀬三吾
「湯壺の中の死体」宮原龍雄
「影なき射手」楠田匡介
「見晴台の惨劇」山村正夫
「不完全犯罪」鮎川哲也
「月夜の時計」仁木悦子
「消えた井原老人」宮原龍雄
「サーカス殺人事件」大河内常平
「バッカスの睡り」鷲尾三郎
「表装」楠田匡介
「呼鈴」永瀬三吾
「薄い刃」飛鳥高
「あるエープリール・フール」佐野洋
「競馬場の殺人」大河内常平
「無口な車掌」飛鳥高
「孔雀夫人の誕生日」山村正夫

このようにピッチリと、河出文庫で固めてしまうと、
もう前にも後ろにも、このゾーンは1ミリだって動かせない。

またぞろ
「やっぱり、新潮文庫の『江戸川乱歩傑作選』が、いちばんジャマなんじゃないか?」
なんて問題すら浮上しそうになっている中、
創元推理文庫も大衆文学館も、
どこにも入り込めるスペースなんてありませんよ!

(「エログロ乱歩を、もっと読みたい」というところから始まっている話なんで、
 いくら他とのカブリが少ないから…といっても、
 『明智小五郎全集』を急いで買おうということには、どうしたってなりようがないんですけどね。)





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Last updated  2007.03.01 10:23:07
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