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石川誠壱の「こちら熟女捜索隊」

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2007.09.23
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カテゴリ:新録かきおろし
小林信彦:著『オヨヨ島の冒険』角川文庫
 #小林信彦:著『オヨヨ島の冒険』ちくま文庫
小林信彦:著『怪人オヨヨ大統領』角川文庫
 #小林信彦:著『怪人オヨヨ大統領』ちくま文庫
小林信彦:著『オヨヨ城の秘密』角川文庫
 #小林信彦:著『オヨヨ城の秘密』ちくま文庫
小林信彦:著『大統領の密使』角川文庫
 #小林信彦:著『大統領の密使』ちくま文庫
小林信彦:著『大統領の晩餐』角川文庫
 #小林信彦:著『大統領の晩餐』ちくま文庫
小林信彦:著『合言葉はオヨヨ』角川文庫
 #小林信彦:著『合言葉はオヨヨ』ちくま文庫
小林信彦:著『秘密指令オヨヨ』角川文庫
 #小林信彦:著『秘密指令オヨヨ』ちくま文庫

小林信彦の『オヨヨ』は人気シリーズだったけど、
1975年までには、新作の刊行は停まっていたじゃないですか。

短篇集の『オヨヨ大統領の悪夢』は出たけど、
それは、あくまでも番外篇で、シリーズ作の一画を為すものではなかった。

小林信彦:著『オヨヨ大統領の悪夢』角川文庫

で、その頃から桂三枝がテレビで
「オヨヨ!」のギャグを連発するようになったんですね。

それだけなら、小林信彦が文句をつける筋合いのものではない。

小説のタイトルと芸人のギャグ、
両者がまったく違う種類のものであるのは、誰の目からも分かった。

ところが、芸人が流行語をヒットさせると、
次に、どういう現象が起こるか。
そうです、そのギャグをタイトルに使った本が出るわけです。

かくて、こういうタイトルの本が出版されることになる。

OYOYOtest.jpg 桂三枝:著『桂三枝のオヨヨ・テスト』広済堂出版:広済堂ブックス

中身は、人気タレントの名前を利用しただけの、
子供向けの心理テスト集で、本当に他愛ないものです。

これでも、まだ小林信彦が動じることはなかった。
小林信彦の『オヨヨ』シリーズと、
『桂三枝のオヨヨ・テスト』が、まったく関係ないジャンルの本であることは、
誰の目からも分かったから。
ちゃんと『三枝の』と記されているんだし。

ところが、ここに非常にそそっかしい、
『オヨヨ』シリーズの再開を待ちわびている
熱狂的な小林信彦ファンというものが登場して、
事態がややこしくなってしまうんですね。

熱狂的な『オヨヨ』ファンが、
『オヨヨ・テスト』という新刊本が出版されたことを知って、
これを小林信彦の『オヨヨ』シリーズの最新作だと思い込んで買ってしまい、
もちろん全然違うから、怒ったわけですよ。
怒って、あろうことか角川書店にネジ込んでしまったんですよ。

誰の目から見ても間違えた自分が悪い、と思うのに
(だってタイトルには『三枝の』と記されているんですよ。
 表紙は桂三枝の似顔絵イラストですよ。)
お客様からネジ込まれてしまった角川書店は、
版元としては、対処しないわけにはいかなくなった。
それで、広済堂出版のほうに連絡したんですね。

そうしたら広済堂は広済堂で、
「タイヘンだ! 小林信彦からクレームが来た!」と過剰反応を起こして、
たちまち『桂三枝のオヨヨ・テスト』を絶版にしてしまったんです。

このことがスポーツ新聞や週刊誌で
「小説家が芸人のギャグを盗作だと言って猛抗議!」と興味本位に、
さも一大事であるかのように報道された。

これが事の顛末なんですよ。

もう『オヨヨ』の新作を書かなくなっていた小林信彦にとっては、
桂三枝がテレビで「オヨヨ!」と言っているだけなら、
何の実害もなかったんですけどね。

桂三枝のほうは、単行本の『オヨヨ・テスト』に続いて、
「オヨヨ」をタイトルに使ったレコードを出す計画も考えていたんですが、
それが出来なくなった。
なので急遽、「オヨヨ」に代わる新たなフレーズで曲を作る必要に迫られた。

その結果、生まれた曲が
大傑作『三枝のムラムラ日記』です。

 『エンタの歌道』
「あんたのおなまえ何ァンてェの」トニー谷
「世界は笑う」コント55号
「アホの坂田」コメディーNo.1
「おじゃまします」南州太郎
「ぴよこちゃん」獅子てんや・瀬戸わんや
「ポテチンワルツ」鳳敬助・京唄子
「雨の降る日は天気が悪い」渥美清
「目は人間のマナコなり」岡八郎
「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」左とん平
「母さんはひまわり」ミヤコ蝶々
「三枝のムラムラ日記」桂三枝
「幼なじみでおないどし」海原千里・万里
「がんばれ!! ライパチくん!!」ものまねヨイショ軍団(川口ひろし、はたけんじ、片岡鶴太郎、北口光彦)
「浅草の女」関敬六
「恋のぼんちシート」ザ・ぼんち
「ふたりの夢」宮川大助・花子
「哀愁のジンマシン」赤信号
「寂しさだけは置いてけよ」島木譲二
「あるプロデューサーの一生」堺すすむ
「小松の親分さん」小松政夫

大傑作だけど、
シングル盤『三枝のムラムラ日記』は、ほとんど売れませんでした。
やっぱり、『オヨヨ日記』じゃなかったせいでしょう。

その後で、起死回生のつもりでリリースした、
さらなる新曲が『桂三枝の電線音頭』ですから、
桂三枝が『電線音頭』に勝負を賭けていた、その情熱たるや、
尋常なものではなかったはずです。

それでも『電線音頭』が本当にブレイクするのは、
デンセンマンに座を譲り渡して以降になるんですけどね。

日清やきそば「UFO」のCMも、
新発売された直後の初代の出演者は桂三枝だったのに、
(三枝と日清には『ヤングおー!おー!』からの深い絆がありますからね)
本当にブレイクするのは
「うまい、太い、大きい、イェ~イ」の松鶴家千とせ以降だった。

昭和50~51年あたりの桂三枝には、
『パンチDEデート』や
「一、二、三枝、ごくろーさん」(東芝のCM)などでの
圧倒的な「人気タレントさん」の顔の裏で、
何やら大きな、ドス黒い翳がありましたよ。





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Last updated  2010.03.13 23:02:16
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