カテゴリ:新録かきおろし
どこにも売ってないから、ずっと今まで読めなくて、
ようやく捜して読んだんだけど、 あ~、くだらねえ。 悪い意味でくだらねえ。 解説もくだらねえ。 でも、それは近田春夫の責任ではない。 頼むほうが悪い。 「愚問には愚答を」のように「愚作品には愚解説を」である。 鯨統一郎:著『マグレと都市伝説 間暮警部の事件簿』小学館文庫 「マグレと郷ひろみと高速で走る老女」 「マグレと太田裕美と白い糸」 「マグレと高田みづえと死体洗いのバイト」 「マグレと渡辺真知子と人面犬」 「マグレと小泉今日子と膝が痛い」 「マグレと近藤真彦と口裂け女」 「マグレと中森明菜とディズニーランドの誘拐」 解説/近田春夫 ↑これ、シリーズ物の2冊目なんですよね。 1冊目は新書判を300円ぐらいで買って読んだんだけど、 これも相当くだらなかったな~。 鯨統一郎:著『「神田川」見立て殺人 間暮警部の事件簿』小学館:文芸ポストNOVELS 「『神田川』見立て殺人」 「『手紙』見立て殺人」 「『別れても好きな人』見立て殺人」 「『四つのお願い』見立て殺人」 「『空に太陽があるかぎり』見立て殺人」 「『勝手にしやがれ』見立て殺人」 「『ざんげの値打ちもない』見立て殺人」 「『UFO』見立て殺人」 「『さよならをするために』見立て殺人」 くだらなかろう、と分かっていて、 どうして1冊目を読んだのかというと、 この短篇集の中の1本を、先にアンソロジーで読んでいたんですよ。 本格ミステリ作家クラブ:編『本格ミステリ02 2002年本格短編ベスト・セレクション』講談社ノベルス 「不在の証明」有栖川有栖 「北斗星の密室」折原一 「わらう公家」霞流一 「鳥雲に」倉阪鬼一郎 「人の降る確率」柄刀一 「交換炒飯」若竹七海 「『別れても好きな人』見立て殺人」鯨統一郎 「通りすがりの改造人間」西澤保彦 「フレンチ警部と雷鳴の城」芦辺拓 「闇ニ笑フ」倉知淳 「英雄と皇帝」菅浩江 「通り雨」伊井圭 「やさしい死神」大倉崇裕 「トリッチ・トラッチ・ポルカ」麻耶雄嵩 「坂ヲ跳ネ往ク髑髏」物集高音 「麺とスープと殺人と」山田正紀 「ひよこ色の天使」加納朋子 マンガ「消えた裁縫道具」河内実加 評論「京極作品は暗号である」波多野健 「中国の箱の謎」鷹城宏 「理論の蜘蛛の巣の中で/第8回」巽昌章 こんなくだらない短篇のシリーズだけで連作小説集として、 1冊の本になっている、と知ったのが驚異で、 どれだけくだらないのかと思って覚悟して読んでみたのだった。 くだらないだけじゃなくて、 この人の歌謡曲に対する知識が文献的で、 後付けのものにしかなっていないのが、ちょっと耐えられなかった。 たとえばロス・インディオス&シルビアの『別れても好きな人』は、 そりゃ確かにシングル盤は昭和54年に発売されていたのかも知れないけど、 この歌が実際にヒットしたのは昭和55年になってからじゃないですか。 それを、『別れても好きな人』がヒットしていた当時の世相、などと言って 「口裂け女」だの「梅川の三菱銀行事件」だのと持ち出されても、 鼻白むばかりであります。 文庫化されて、泉麻人が解説を書いているけど、 それもくだらない。 作者を「かなりの歌謡曲オタク」と持ち上げていたりする。 真っ先に「それは昭和54年じゃなくて55年!」と指摘できるのが 泉麻人のようなヤツじゃなかったのか。 得てして、世の「昭和本」「歌謡曲本」なんかのムックにしても、 その程度のレベルのものばっかりなんだから、 身の丈に合っているといえば合っているんだけど。 鯨統一郎:著『「神田川」見立て殺人 間暮警部の事件簿』小学館文庫 「『神田川』見立て殺人」 「『手紙』見立て殺人」 「『別れても好きな人』見立て殺人」 「『四つのお願い』見立て殺人」 「『空に太陽があるかぎり』見立て殺人」 「『勝手にしやがれ』見立て殺人」 「『ざんげの値打ちもない』見立て殺人」 「『UFO』見立て殺人」 「『さよならをするために』見立て殺人」 解説「70年代歌謡コント的ミステリー」泉麻人 少なくとも『勝手にしやがれ』の歌詞に見立てた殺人事件が起こる話なら、 さくまあきらがワニの豆本で書いていた『勝手にしやがれ殺人事件』のほうが傑作だ!! えびなみつる&さくまあきら:著『テレビを3倍楽しむ本』KKベストセラーズ:ワニの豆本 * 【追記】 この鯨統一郎という人の本は、 オレは今までには↓コレも読んでいますね。 鯨統一郎:著『文章魔界道』祥伝社文庫 最初のほうのページをパラパラめくっていたら 「加護と辻の見分け方」なんて数行が見えたので、 ちょっと期待して105円で買ってみたんだけどね。 言うまでもなく、くだらなかった。 小説なのかと思いきや、 無理に小説仕立てにして書かれたクイズの本だった。 「オモシロ言葉遊びブック」だった。 そういう「ワニの豆本みたいなこと」をやりたがっているわりには、 「ワニの豆本みたいなこと」に対する素養がなさすぎる。 ラジオのハガキ職人から再出発して、修行してください。 今だったらFM局の、午後のワイド番組あたりから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.04 19:19:53
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