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石坂千穂つれづれ日記

石坂千穂つれづれ日記

○石坂千穂の県議会での質問

 県議会での、私の質問および、知事ならびに関係部長の答弁を掲載します。なお、詳しい活動については、日本共産党長野県会議員団ホームページもご覧下さい。(このホームページのお気に入りリンクからアクセスできます。)


     2002年2月定例県議会(2002.2.21~3.22)

  
   ○2000年度一般会計決算賛成討論

 2000年度一般会計決算に賛成の討論を行います。

 2000年度一般会計予算は、吉村知事の最後に編成した予算であり、日本共産党県議団は、以下に述べる理由で、反対しました。
 小渕自自公連立内閣が、大銀行に莫大な支援を行い、浪費型公共事業を続行し、かつてない多額の借金予算を組み、国民生活に多くの苦しみを押しつけるもとで、残念ながら、基本的にはこれに追随したと言わざるを得ないのが長野県の2000年度予算でした。
 公債費負担比率は97年度に危険ラインの20%を超え、98年度には21.8%になって全国ワースト3位、99年度からはワースト2位となっています。2000年度末の県債残高は1兆6300億円になり、歳出の中でも、借金返済のための予算が3番目に位置して、県民の切実な要望にこたえる予算を圧迫しています。県が初めて出した5年間の中期財政試算で、県の経済成長率1.7%、「財政の心配はない」としましたが、実質経済成長率の2期連続のマイナスなど、その見通しは残念ながらあたっていません。
 このような深刻な財政危機の中で、土木、農政、林務の公共事業費を前年度比103.9%に増やし、一般会計全体の伸びが前年度比102.7%増の中で突出しています。農林水産費のうち、農政では59.4%、林務では83.2%がいわゆる公共事業費であり、価格保障、所得保障にもっと配分を切り替えていくことを私たちは主張しました。
 「行政改革」の名による人員削減計画は5年間で500名をと言うことでしたが、2年間で早くも252名が削減され、この中には信濃学園職員2名、西駒郷職員1名も含まれています。合理化の数合わせ先にありき、としか思えないやり方で、県立盲学校の給食調理員の民間委託も強行されました。
 県の公共料金である手数料・使用料は2.8%の増で205億円の県民負担増となり、生活保護費1.9%減、難病対策費6.6%減、不況の中での中小企業金融対策費が11.6%減と大幅な後退です。
 介護保険が実施されても、特別養護老人ホームの待機者が1800人もおり、「保険あって介護なし」といわれる中で、多くの県民が存続を望んだミドルステイ事業も廃止されてしまいました。

 このような中で知事が変わり、すでに全国的にも効果が薄いと破綻が明らかな、「景気対策」の名による公共事業の補正予算での積み増しは基本的にはしない、という12月、2月の補正予算が組まれ、日本共産党県議団もこれに賛成しました。
 その結果、予算の性格は大きく変わり、中でも県債発行は、前年比29.8%の減と、大幅に減る方向に向いたことは、歓迎すべきことです。12月補正予算で、特別養護老人ホームの10箇所の増設、グループホームのトイレ改修や段差の解消、障害者福祉施設や精神障害者復帰施設にそれぞれ8箇所ずつ情報機器を整備するなど、民生費、いわゆる福祉予算は当初予算から決算段階までに24億9000万円増え、一般会計予算全体にしめる民生費の割合、構成比は、90年代の全期間を通じても、最高で5.6%、最低は4.4%と、4%から5%台であったものが、一挙に6.2%となりました。4年連続して減り続けた教育費も、前年比2.8%の増となり、構成比も90年代前半の20%台に戻りました。

 厳しい県財政を立て直し、県民の切実な願いによりこたえられる県政へと前進していくためにも、「政治の顔」といわれる予算編成において、借金をこれ以上増やさずに確実に減らしながら、福祉・教育・暮らし重視の県政の方向をより確実にしていくことを期待して、賛成の討論とします。

    

    ○県政の停滞に関する知事問責決議(案)の反対討論

議題14号、県政の停滞に関する知事問責決議(案)に反対の討論を行います。
 本決議案では、景気対策、福祉施策、各種検討委員会の設置、市町村長に対する知事の発言が、「県政の最高責任者としての深い自覚」に欠けるということを問責の理由にしています。日本共産党県議団は、これらのいくつかの点において、基本的な認識が大きく違っています。
 もともと田中県政は、吉村県政の負の遺産である全国ワースト2の借金財政を抱えてスタートしています。県財政の危機的状況に対する認識、その原因について、今回の県議会でも、かつてなく議論されました。日本共産党県議団は、行財政調査特別委員会での非民主的な運営の中でも、今日の危機的状況を作り出した大きな原因が、この間の大型公共事業への過度の集中投資にあり、そのための県債残高の膨張にあることを明らかにしてきました。借金依存の財政運営を解決していくためには、多額の起債に頼らざるをえない大型公共事業を見直し、総額を押さえ、公共事業の中身を生活密着型に切り替えていくこと、福祉・医療、教育、雇用対策重視の方向に重点化していくことが大切です。
 道路整備率全国38位の指標が示しているように、長野県の社会資本整備は、まだまだ遅れています。今まで、他の県に比べても、全国ワースト2の借金を作るほど、公共事業に集中投資をしてきたにもかかわらず、なぜでしょうか。説明のつかない話です。大型公共事業を優先し、生活密着型の公共事業を後回しにしてきた結果です。公共事業のあり方は、その意味で、今、大きな見直しが迫られています。
 田中知事は、「公共事業の見直し」を公約に、「脱ダム宣言」や、公共事業の先送り、縮減を進めてきており、日本共産党もこの点に賛同しています。私たちは、公共事業そのものに反対しているわけでは決してなく、一家の家計でもそうであるように、厳しい県財政のもとでの、一定のやりくりは必要と考えるからです。
 現在の日本の政治体制のもとでは、労働行政、雇用対策に県行政が持つ権限は極めて限られており、県内経済の大きな落ち込みの原因になっているIT不況や、企業の海外進出になかなか有効な手だてが取れないことは、本当に残念です。このような状況の中で、県としてできるてだてとして、雇用対策関連予算を前年比112.5%に増やし、離転職者再就職相談会の開催、離転職者のニーズにあった職業訓練を紹介する職業能力開発コーディネーターの増員、工科短大での離転職者を対象にしたIT化の訓練の実施、民間の訓練機関を活用した人材育成、雇用保険受給資格のない求職者に対する訓練の実施、緊急雇用創出創出特別基金事業による22万5191人日の短期的雇用を創出、651億円の制度資金の対応、アジア圏における市場開拓の支援、中小企業の販路開拓の支援強化など、一定の努力が見られます。
福祉施策の問題では、今回決議をあげる事態となった介護慰労金など個人給付3事業については、私たちも現状では存続するべきだと要望してきました。とりわけ、低所得者対策は具体的に、と強く要望してきましたが、実現されず、残念です。しかし、福祉全体では、大きな前進がみられます。高齢者福祉予算は前年比138、9%増、宅幼老所開設への新規支援、在宅サービスの一定の充実、障害者福祉予算は前年比128、2%増、タイムケアの年間利用限度時間100時間から200時間への引き上げ、知的障害者グループホームへの開設支援、精神障害者福祉予算は前年比140、9%増で、小規模授産施設の運営への新規支援、社会復帰のための施設整備、子育て支援予算は116、6%増、保育士の配置基準の前進、児童相談所の一時保護通年化、新生児の聴覚検査体制の整備などが取り組まれることなどは、評価できます。その意味で、知事の自覚や責任を問う、というのは、関係者や県民には、およそ理解されないことです。

 治水・利水ダム等検討委員会、子供未来センター、産業廃棄物処理対策などを検討委員会にゆだねたままで長期間が経過し、県政が停滞のきわみにあるという指摘については、私たちは、まったくそう思っていません。今まで、いったん行政がきめたことには、県民の意見、特に見直しの意見はなかなか届かず、問答無用で切り捨てられることが多かったのではないでしょうか。検討ばかりで結論がでないと言う批判がありますが、専門家や、賛否両論の県民が同じテーブルについての検討は、きわめて意味あるものではないでしょうか。いたずらに結論を延ばすべきではありませんが、お互いの理解と合意を目指して、民主主義のための必要な時間というものがあるはずです。今が、その意味で、一番大切なときであり、いたずらに、結論や期限ばかりをあおるのは、いかがなものでしょうか。民主主義のためにかけなければならない時間を、私たちは、決して停滞とは考えていません。私がかかわっております浅川部会も、11月23日の第1回部会以来、ほとんどの土日をつぶして、すでに11回の部会を重ね、3月31日の最終部会に向けて大詰めの段階にきていますが、私が一番心配するのは、いたずらに結論と期日を急がせられることにより、どんな結論になるとしても、しこりの残らない取りまとめにしたい、少なくとも、部会で議論したことが無駄ではなかったと言う結果にしたい、という思いが生かされるだろうか、ということです。
 たとえば、仮に浅川ダム中止の場合でも、補助金適正化法などの適用いかんで、国への補助金返還の義務が生じないにもかかわらず、多額の返還をちらつかせて脅す、脅迫するかのような議会の態度は、いかがなものでしょうか。

 田中知事の発言や行動に対して、もう少し、慎重さや注意をお願いしたいと思うことももちろんありますが、「問責」に足るような事実に、私たちは思い当たりません。県民の目線での県政の改革に向けて、議会としてのいっそうの努力も求められているとき、県民の願いの代弁者としての議員の役割を改めて肝に銘じて、反対の討論といたします。


○参考までに・・・
   私が反対討論をし、日本共産党県議団だけが反対した
   「県政の停滞に関する知事問責決議(案)」は、次の通りです。

 本県では、有効求人倍率が12ヶ月連続して低下し0.61倍となるなど雇用環境は悪化の一途をたどっている。また、本県の景気は、設備投資の抑制的な動きが続いていることや個人消費が弱まっていることから引き続き悪化している。こうした厳しい状況にありながら県は、即効性のある有効な施策を打ち出さないばかりか、生活に関連した公共事業費の大幅削減を行っている。
 さらに、福祉の面においても、新年度予算案における重度要介護高齢者家庭介護者慰労事業等の支給額について、県民世論に耳を傾けることなく、一方的に半減し、廃止する方針を打ち出している。
 一方、県民の生命と暮らしを守る治水・利水問題については「脱ダム」宣言以来、なんら前進のないままであり、先行きは不透明さが増すばかりである。加えて、しなの鉄道株式会社の経営改善、子供未来センターの建設や産業廃棄物処理対策など県が直面するその他の諸課題についても、その対応を検討委員会等にゆだねたまま長期関経過しており、出された結論についても改めて評価委員会等に諮る事とするなど、県民の求める具体的な対策を先送りし、県政は停滞のきわみにある。
 また、本県議会は、昨年6月、知事に慎重な発言と行動を強く求めたところであるが、その後もマスコミを通じ県内の市町村長を誹謗するなど、市町村との連携のもとに県政を推進しようとする姿勢に欠けると言わざるを得ない。
 よって、本県議会は、知事に、県政の最高責任者としての深い自覚を求めるとともに、山積する本県の喫緊の諸課題の早期解決と円滑な県政の推進を強く求めるものである。
 以上の通り決議する。

                   2002年3月22日
           
          長 野 県 議 会



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