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カテゴリ:経済問題
今日(5日)は、経済分野で、11月のインフレ率をはじめ、いくつか意味があると思われる記事が出ていました。一方、社会分野では、あまり意味があると思われる記事は出ていませんでした。今日は、11月のインフレ率に関する記事について紹介します。
一方、“今日の映像メディアからの情報、つまり、「AAでは記事にならない情報」”は、昨日と同じ“エルドーアン大統領の慌てぶり、あるいは、悪あがき振り?”を示していると考えられる言動(特にスーパーマーケット・チェーンに関する話題)、CHPによる“(トルコ共和国建国)第2世紀のビジョン”の発表会に関する話題のほか、インフレ率に関する話題が議論されていました。特に“スーパーマーケット・チェーンに関する話題”が大きく取り上げられていました。以前はエルドーアン大統領とかなり近いと言われていた、いわゆる“イスラム系”のスーパーマーケット・チェーンが標的になったところが驚きを持って受け止められている一方、“イスラム系”はFETOやDEASなども存在しているように、宗派によって対立があるため、その影響も指摘されています。今日は、イギリス在住の、時々紹介している解説者の面白い?指摘がありました。今回の“スーパーマーケット・チェーンへの攻撃”はハンガーのオルバン首相の選挙対策を真似た、しかし、お金がないエルドーアン大統領がトルコで適用するために修正した“トルコ版オルバン作戦”であると指摘していました。オルバン首相は選挙の数ヶ月前に、“一部の基本商品の価格を一斉に数ヶ月前の価格に戻し、選挙終了後まで維持させる、かつ、その損失は政府が補填する”という作戦を展開したそうです。エルドーアン大統領にはそんなお金はないので、“スーパーマーケット・チェーンを脅して、物価統制を図る”という作戦を取ったという解説です。その作戦の一環かどうかは不明ですが、バフチェリMHP党首をこっぴどく批判した“イスラム系”スーパーマーケット・チェーンのCEOは、バフチェリMHP党首が監獄から恩赦で出すことに努力したマフィアから殺人の脅しを受けて、バフチェ党首を始めとする関係者に発言を謝罪して、食品販売業者協会の会長を辞任したとのことです。なお、この解説者も、「金利が原因、インフレは結果」に続く2番目の法則として、「スーパーマーケット・チェーンが原因、インフレは結果」ができたと指摘していました。 ここからは、政治関係について紹介します。今日新しい政党支持率アンケート調査の結果が紹介されていました。「今週末に選挙があった場合、どの政党に投票するか」といういつもどおりの質問に対する回答です。「未定・投票しない」を残した数字は、AKP28.3(%)、CHP22.7、善良党12.0、HDP8.7、MHP6.2、勝利党2.0、未定7.9、投票しない5.7となっています。一方、「未定(投票しない)」を分散させた後では、AKP32.8(%)、CHP26.3、善良党13.9、HDP10.1、MHP7.2、勝利党2.3、新福祉党(YR)1.7、DEVA1.6、TIP1.4、SP0.8などとなっています。AKP、MHPとCHP、善良党の支持率の3ヶ月間の推移も出ていました。 9月 10月 11月 AKP 31.1 32.4 32.8 MHP 7.8 5.8 7.2 CHP 28.4 29.1 26.3 善良党 13.5 12.4 13.9 この調査会社の社長は、「AKPの支持率の回復は“未定・投票しない”に移動していた元支持者がAKPに帰って来ただけで、他の政党支持者からの移動ではない」と見ていて、共和同盟と国民同盟(あるいは野党6党)の支持率については大きな変動はなく、「両勢力が接戦を演じている状態に変化はない」と指摘していました。また、「今回のアンケート結果には、11月13日のイスタンブルの爆弾テロ事件とその後の北シリアとイラクにおける空爆作戦などの影響が十分反映されていない可能性が高い」とも指摘していました。この問題がどの程度影響を与えるかは、不明の部分が多いのですが、先日も紹介しましたデミルタシュ元HDP共同党首が暴露した「2014年、2015年前後のクルド問題の状況」など、状況が明らかになるにしたがって、トルコ国民の反応も“昔のような過激な反応ではなく、経済危機を克服してほしいという普通の反応”に変わっていく可能性が高いように思います。いつも紹介している解説者は、「エルドーアン大統領は今回のテロ事件と報復を、これまでのように分断宣伝に積極的には使っていない」と指摘していましたが、“このテロ事件がPKK、あるいはPYD-YPGの仕業”であることを、かなり多くのトルコ国民(=エルドーアン教徒でないトルコ国民)が疑っており、当然ながら、“反PKK、反クルド、そして爆撃支持”の動きが盛り上がるはずもないと思われます。また、貧しい家庭のトルコ人兵士の戦死の増加、戦争のための予算の膨大な無駄遣いなど、戦争の負の部分についての指摘も出始めているため、エルドーアン大統領が期待したほど、この面でも支持率上昇が起こっていない可能性が高いものと思われます。 なお、紹介できないで状態が続いていますが、アクシェネル善良党が明言はしないものの、「野党6党の共通大統領候補の本命は、クルチダルオール党首ではなくイマムオール大イスタンブル市長であること」をかなり鮮明にし始めました。一方、ババジャンDEVA党首やダヴトゥオール未来党党首、カラモッラオールSP党首は、「両市長のどちらかを大統領候補とするかどうかは、CHPが決めること」と発言し、明言はしないものの“共通大統領候補は、クルチダルオール党首でも仕方がない!?”と思っているようにも見えます。しかし、アクシェネル善良党党首がイマムオール大イスタンブル市長の支持を鮮明としたため、今後の展開がどうなるかで、野党の支持率、というよりは“野党6党に対する期待”が一気にしぼむ可能性もあります。野党が政権交代を実現するためには、6党が一致団結して強力に大統領候補を盛り立てる以外に方法はないと思われますが、アクシェネル善良党党首と善良党の幹部の言動が、今後大きな影響を与えかねない状況が明らかになってきました。
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今日はインフレ率に関する記事だけ紹介します。AA記事の見出しは「(11月の)インフレ率が発表された」です。抜粋して紹介します。 2022年11月の消費者物価(TUFE)は、月間上昇率は2.88%、2021年12月と比べた場合の上昇率は62.35%、対前年同月比の上昇率は84.39%、過去12ヶ月間の平均は70.36%となりました。また、国内生産者物価(YI-UFE)は月間で0.74%、2021年12月と比べた場合は98.20%、年間で136.02%、過去12ヶ月間の平均は128.94%の上昇となりました。 AAフィナンスのインフレ率予測アンケート調査に参加したエコノミストたちは、11月の月間TUFEは3.10%上昇するものと予想していました。この平均予測に基づけば、年間TUFEは84.78%上昇するものと予測されていました。 ここからは一言解説・雑感です。先月と比べて“対前年同月比のインフレ率が下がった”と鬼の首でも取ったかのような宣伝が始まりました。月間の上昇率が2.88%という恐ろしく高い数値であっても、去年の数値が3%、4%であれば、対前年同月比の数値は下がる可能性が高くなります。一部の経済学者は、“TUIKが発表する年間インフレ率は、来年第1四半期には50%台まで下がり、第2四半期には30%台まで下がる可能性がある”と指摘しています。これは、ベースメント効果を最大限に使い、価格調査のために無理やりやらせる安売りや、買い物かごの中身の変更(今は、“自動車関連が5%、パンが2.5%”という解説もありましたが、TUIKは割合(買い物かごの中身)を公表しなくなっています)など、ありとあらゆる努力を行って、投票前にインフレ率を下げるという意味です。しかし、統計としては100%正しくても、普通のトルコ国民からすれば、“生活実感を全く反映していない数字”と言うことになると思われます。
トルコリラ等の外貨建ても含めた債券投資に関する情報を発信しています。外債投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。 社債投資まとめ
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Last updated
2022.12.06 19:58:52
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