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カテゴリ:経済問題
今日(6日)は、経済分野でも、社会分野でも、意味があると思われる記事はあまり出ていませんでした。それでも、最近のエルドーアン政権の状況を良く表していると思われる、エルドーアン大統領の発言に関する記事を紹介します(折角ですのでトルコ輸出業者会議(TIM)会長及びビルギン労働・社会保障大臣の発言も紹介したかったのですが、今日は難しそうです)。単に発言を紹介するだけでは雰囲気が十分に伝わらない可能性が高いため、更に雰囲気が良く分かるように、いくつかの記事の見出しだけ紹介します。
1 ドンメズ・エネルギー天然資源大臣は、シュルナク県における油田発見を陸上における最大の油田発見の一つとなると述べた (注:選挙が近づくと、油田やガス田がしばしば発見されます。が、供給が商業ベースに乗ったという話は聞いたことがありません) 2 カヴジュオール・トルコ中央銀行(TCMB)総裁は、「2022年年頭から現在までに、世界で外貨準備高を増加させた唯一の中央銀行はTCMBである」と発言 (注:スワップなどの借入を含めても良いなら、増加させようと思えば、多くの国の中央銀行は総(名目)外貨準備高を増加させることは可能と思われます。一方、TCMBは純(実質)外貨準備をマイナス500億ドルからマイナス400億ドルに増加させたのかもしれません) 3 イギリスの労働組合は、政府に対して「食糧危機」を警告 (注:イギリスだけではなく、ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国やアメリカについて、「スーパーマーケットの食料品の棚が空っぽだ」、「ガソリンスタンドでは、給油のための長蛇の列ができている」などと一時期の現象を、あたかもそれが常態になっているかのごとく針小棒大な表現をして、「トルコでは価格は高いかもしれないが、スーパーマーケットの棚は食料品でいっぱいだ」などと宣伝しています)
一方、“今日の映像メディアからの情報、つまり、「AAでは記事にならない情報」”は、昨日と同じ“エルドーアン大統領の慌てぶり、あるいは、悪あがき振り?”を示していると考えられる言動に関する事件がいろいろと話題になっています。今日は特に小規模商業主のグループが、「インフレと経済混乱はCHPが引き起こしている」と主張して、CHP本部を襲撃するという事件が発生しましたが、この件に関して“あきれ返った”という反応でした。AKP関係者がやらせたのであっても、エルドーアン教徒が教祖様のお言葉を信じて自主的に行ったのであっても、いずれにしても“エルドーアン政権の末期症状”が出ているものと思われます。しっかり見ていませんでしたが、「現在の経済的困難状況の責任者は誰か」というアンケート調査に対して、過半数がエルドーアン大統領と答えていたと思いますが、“外国勢力”と答えた人も30%以上いました。“外国勢力”を選んだ人が30%以上いたことは確実で、これがエルドーアン教徒の数字と思われます。現在のハイパーインフレを始めとする様々な困難な問題の原因を“エルドーアン大統領が一人で決めている経済政策”ではなく、歴史的Uターンを連発できる、いまではアメリカとヨーロッパ以外には考えにくくなっている(残っていない)“外国勢力”に求める精神構造は“狂信者”としか言いようがない状況です。一方で、この期に及んで30%を超える人が“外国勢力が経済困難の原因”と答える民族ですので、先日のCHPの“第2世紀ビジョン”のアドバイザーの多くが欧米人であることは、こういう精神状態の人に一層受け入れ難い状況をもたらす結果となっているという指摘もあります。 次にエルドーアン大統領と野党6党の共通大統領候補、と言ってもCHPの3人(クルチダルオールCHP 党首、ヤヴァシュ大アンカラ市長、イマムオール大イスタンブル市長)の決選投票における支持率アンケート調査結果が2つ、いつも紹介している解説者から紹介されていました。メトルポ(-)ル社とヨンエイレム社の2社です。未定・不投票を残した状態の数字です。いつもどおり、“2市長のどちらかとすべし”とのことでしたが、「アンケート結果を信じる」のであれば、「ヤヴァシュ大アンカラ市長以外の選択肢は存在しない」が回答となるはずです。 メトルポ(-)ル社 大統領:イマムオール市長 42.0 42.9 大横領:クルチダルオール党首 44.5 39.5 ヨンエイレム社 大統領:ヤヴァシュ市長 37.0 55.5 大統領:イマムオール市長 41.5 49.5 大横領:クルチダルオール党首 42.0 43.8
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今日はエルドーアン大統領の発言に関する記事だけ紹介します。AA記事の見出しは「エルドーアン大統領は、『人工的な危機に引きずり込もうとされようとしているトルコは、新たな繁栄の過程に入った』と発言」です。抜粋して紹介します。 レジェップ・タイイップ・エルドーアン大統領は、アンカラ商業会議所(ATO)会議場で開催されたトルコ使用者組合(TISK)の第28回定例総会に参加し、演説を行いました。 経済を“金利、為替相場及びインフレの負の三角形”に陥る過程が引き起こした困難について認識していることを明らかにしたエルドーアン大統領は、原因も理解しているので、先ずはこの過程の軽減化を図り、その後で完全に取り除くために、濃厚かつ決意を持った作業を行っている最中であると述べました。昨日発表された11月のインフレ率は、改善が進んでいることを表わしていると指摘したエルドーアン大統領は、「神の御加護により、来年年頭からこの改善が加速し、特に2月以降は、より合理的で管理が容易な水準になる」と述べました。トルコ全土のいたる所から始まり、今でも広がり続けている野火は、トルコに対して実施しようと企んでいる狡猾な作戦であることを指摘したエルドーアン大統領は次のように述べました。「(シリアにおける)越境作戦から生産と雇用を支援する社会均衡を保護する包括的な計画まで、これらの作戦を全て失敗に終わらせるための多種多様な対策を我々は実施した。トルコを他の方法ではひざまずかせることができないことを理解した者たちは、最終的に経済という兵器を使用した。そもそも、現在、敵の手には4つの武器しかない、もしも成功できるのであれば、、、、その1つが経済であり、そして外交、しつこく使っている難民問題、、、これらと共に『どうやれば、この4つの武器をどこにどうやって使えば政権を、勿論、政権とは言わずエルドーアンと言うが、を引きずり降ろすことができるが出来るだろうか』と考えている。エルドーアンは不死身ではない。我々は今日存在するが、明日は存在しない。全ての人は何を行ったかを見て、何を行うかを考えよ。」 ここからは一言解説・雑感です。特に何も変わったことはない、普通の、いつもどおりのエルドーアン大統領の演説です。“今日は天敵になり明日は竹馬の友になる”、“ありとあらゆる正しい経済政策を行ってもそれをひっくり返す狡猾な攻撃を外敵から受けて困難な状況にある”、“外交やテロ攻撃ではトルコに勝てないので、経済戦争をトルコに仕掛ける”、“外国から為替攻撃を受けたが、生産と雇用を守るために金利を引き下げたので、インフレ率が下がり始めた”など、数え始めればきりがありませんが、これらは全てたった1つの原則に貫かれています。それは、「エルドーアン大統領は常に正しい。正しいことを言い、正しい行動を取っている(前の状況と矛盾しているように見えるのは、全て状況が変わっただけ)」ということだろうと思います。
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Last updated
2022.12.07 19:47:56
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