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カテゴリ:社会問題
前回(7日)から新しい動きはありませんが、今日はイスラエル・パレスチナ紛争(戦争)の新局面と背景、そして、前回、紹介できていなかったAKPとCHPの動きに関して紹介します。
1 ハマスのイスラエル攻撃の意味とその背景 2 AKPの臨時党大会(エルドーアン党首の再選と中央意思決定委員会(MKYK)委員の大幅交代) 3 CHPのイスタンブル党大会(イスタンブル県支部長選挙結果とその影響) ブログ更新のための励みにしていますので、クリックを是非よろしくお願いします。
細かい話は色々とあるのですが、今日は、管理者が非常に重要だと思う2点を紹介します。ハマスの攻撃が始まった直後から、携帯電話で撮影されたコンサートの殺戮状況に関するビデオが色々と流れているようです。イスラエルの発表でも、260人がこのコンサート会場で亡くなったとのことです。1つ目は、「これまでは、“パレスチナ人を蹂躙するイスラエル”という状況があったが、今回の事件は、コンサート会場での殺戮を中心に、婦女暴行、不差別殺人などが行われ、これまでの宣伝を完全に否定する結果となった」という指摘です。人質を取って“人間の盾”にしていること、人質を公開処刑すると発表していることも、「パレスチナ人がイスラエルに蹂躙されている」というイメージから、「ハマスはイスラム国と同様の、狂気のテロリスト集団だ」というイメージに大きく評判を落としているのではないかと思います。2つ目は前回も少し紹介しましたが、何千発のミサイル、モーターパラグライダーや改造されたピックアップ・トラックなどが今回の攻撃で使われましたが、「これだけ大掛かりな戦闘準備を行うためには、必ずや国家かそれに匹敵する大きな組織が必要だ」という指摘です。そうしているうちに、イランの支援を受けているレバノンのヒズボラが、「ハマスとイランの3者会合をレバノンで行った」とイランの関与を認める発言を行ったそうです。イランが陰で操っているであれば“なぜ、今か”という疑問の答えは比較的容易に想像ができます。つまり、最近、イスラエルとアラブ諸国、例えばサウジアラビアとイスラエルの関係改善が進み、その結果、パレスチナ問題が希薄化し、ハマスを通じたイランの影響力が低下しているということが容易に想像されます。サウジアラビアとイスラエルはともにイランを敵視ていますが、そのサウジアラビアとイスラエルが関係を改選し、協力してイランに対抗することになれば、イランに対する脅威は大幅に上昇することになります。現時点では何とも言えませんが、イスラエル、あるいはアメリカによるイランに対する報復攻撃が行われる可能性も指摘されています。ウクライナ・ロシア戦争も第3次世界大戦の様相を呈していますが、イランに対する攻撃は“中東における第3次世界大戦”の勃発を意味することになるという指摘もありました。 次にAKPとCHPの最新状況を紹介します。 まず、AKPから紹介します。7日に臨時党大会が開催され、エルドーアン大統領が党首に再選されたことは紹介しました。それと同時に、党の政策を決定する組織である中央意思決定委員会(MKYK)と中央執行委員会(MYK)の委員の改選も行われました。MKYKは75人の委員からなりますが、そのうちの49人が交替になったそうです。最も注目される非再任者はソイル前内務大臣とユルドゥルム党首代理・元首相の2人と思われます。これ以外には、野党の攻撃にも舌鋒鋭く反撃していたオズレム・ゼンギン副党首(女性、国会対応。イスタンブル協定など、女性の権利を守る発言を行っていたため、保守派から攻撃を受けていました)や、セダット・ペケル犯罪組織首領から何万ドルもの現金を受け取ったと名指しされていた人物もいました。そして、後者を含め、解任された何人かは、エルドーアン大統領のこの決定に明白に不満を述べている状況です。一方のMYKは主に大臣や副党首から構成されているため、25人ほどの委員のうち交替になったのはほんの数人とのことです。 CHPは、8日にイスタンブル県大会を開始し、県支部長選挙が行われました。これまでにも既にいくつかの県で支部長選挙が行われ、アンカラ県及びイズミル県を含めて、クルチダルオール党首を支持する“現体制支持派”が選出される傾向にありましたが、イスタンブル県ではわずかの差で、イマムオール大イスタンブル市長を支持する“改革派”が選出されました。支部長選挙で11月の党大会で党首等の選挙人となる代議員が決まるそうですが、アメリカの大統領選挙における多くの州と同様に、総取り制とのことで、アンカラ県(72人)とイズミル県(56人)の合計よりもイスタンブル県(196人)の方が多くの代議員を送ることができ、イマムオール大イスタンブル市長を支持する改革派であるオズギュル・オゼル候補が勝利できる可能性が出てきました。いつも紹介している解説者は、「最近の支持政党調査で最大の割合は支持政党なしになった。2位が30%強のAKPとなっている」と紹介していました。どの調査会社が行ったものかも不明で、正確な数字もないので何とも言えませんが、野党支持者の多くがクルチダルオールCHP党首やアクシェネル善良党首などのほとんどの野党に呆れ、一方の与党支持者の何%かも、やはり「高インフレ率の継続、税金の大幅引上げ、年金・給与改定無し」といった状況から、与党から離れているものと思われます。名前や形が何であれ、野党・野党支持者が協力しない限り、与党の候補に勝てる可能性は無いため、CHPの指導体制が変われば、その可能性も出てくるものと思われます。しかし、いつもの解説者は、「アクシェネル善良党党首がMHPの党首に選出されそうになった時(2017、8年頃)、エルドーアン大統領がバフチェリ党首を支援するために様々な介入を行った。今度もクルチダルオール党首を再選させるために、あらゆる支援を行う可能性がある」とも指摘していました。
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Last updated
2023.10.10 13:54:12
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