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2007.01.23
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カテゴリ:米国株式の魅力
 米国株を取り巻く環境を考えるにあたって、米国長期国債利回りの動向は非常に重要です。国債というのは満期まで保有する限り、利払いも元本も保証されています。いわばリスクのない証券である国債の利回りが高い時に、配当も元本返済も保証されていない株式にどんどん資金が向かうとは思えません。米国の住宅市場にも同じ事が言えるでしょう。即ち米国長期国債の利回りの低位安定は多くの投資対象にとって非常に重要な要素と言えます。そして現在、私は米国長期国債の利回りは今後長期に渡って低位安定すると考えています。背景には「国際化の配当」があります。

 1990年代、ベルリンの壁崩壊やソ連崩壊をきっかけに冷戦構造が終焉を迎えたことにより、米国の国防費は1980年代半ばのGDP 比6.5%から1990年代半ばまでに3.0%近くにまで低下。国防に費やされていた資金が民間に還流するようになった結果、長期金利が低下しました。もともと国防技術であったインターネットは民間で利用されるようになり、優秀な技術者が民間に流れるようになりました。これがいわゆる「平和の配当」と呼ばれるものです。「平和の配当」のメリットを享受する形で、米国の代表的株式指数であるS&P500指数は1995年から2000年にかけて3倍以上に上昇しました。

 ここ数年、中国やインドが本格的に国際労働市場に参入してきています。1996年アメリカの通信自由化はバブルとその崩壊をもたらしました。しかし地球何周分もの光ファイバーが張り巡らされ、稼働率が10%にも満たないという状況が生み出された結果、通信コストが大幅に値下がりする事になりました。この結果、米国大企業を中心に新しい貿易の形、「オフショアリング」(海外へのアウトソーシング)の動きが活発化しました。これまで利用できなかった新たな低コストの労働力が市場で利用可能となりました。またこれによりアメリカには、少々景気が良くなってもそれが賃金上昇やインフレに繋がらない仕組みが出来上がるようになりました。2004年から2006年にかけての短期金利上昇にもかかわらず長期金利が低位安定しているのは、このようなインフレ抑制装置が働いている事による所が大きいと思います。90年代の「平和の配当」に対し、私はこれを「国際化の配当」と呼んでいます。

 「国際化の配当」は既にあらゆる所に結果として表れています。2005年に引き続き、2006年も世界的に株式市場が堅調であったのもその一つの結果でしょう。米国株式市場の中でもよりオフショアリング、国際化を積極的に進めてきたダウ採用銘柄が2006年、他の指数を上回るパフォーマンスを示した事もその証左だと思います。しかし、オフショアリングの動きが本格化し始めたのはほんの、ここ数年の話です。これらは今後さらにもたらされるであろう大きな「国際化の配当」の序章に過ぎないと考えています。

今一度、「シンプルな株価評価モデル」を思い出してください。

       一株当りキャッシュフロー
株価=――――――――――――――――――――――
     国債利回り+リスクプレミアム - 成長率

 国債利回りの低位安定というのは、株価にとって一つの非常に重要な要素である事がお分かりいただけると思います。「平和の配当」と理由は異なるにしろ、結果的に長期金利の低位安定に繋がる「国際化の配当」は中長期的に米国株の大きなサポートの役割を果たすと考えています。





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最終更新日  2007.02.06 16:43:00
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