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2006年01月05日
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2005年8月5日

■ファンドマネジャーにとってのアクティブ運用

 TOPIX(東証株価指数)のような運用パフォーマンスの評価基準になるベンチマークを積極的に上回ろうとする運用戦略を「アクティブ運用」と呼び、ベンチマークと同じパフォーマンスを目指す運用を「パッシブ運用」と称する。 ベンチマークはTOPIXやS&P500などの株価指数であることが多いので、後者の大半は、要は「インデックス・ファンド」ということになる。
 ファンドマネジャーにとっては、もちろんパッシブ運用よりもアクティブ運用の方が魅力的な仕事だ。アクティブ運用が上手く行ってベンチマークやライバルの・ファンドに対して勝つことができると、自分の貢献が実感できるし、同時に自分が優秀なのではないかという気分に浸ることもできる。
 アクティブ運用の方が通常は運用報酬率が高いという事情も重要だ。パッシブ運用は、基本的に薄利多売のビジネスモデルなのだが、銘柄数が多いので資金に変動があった場合などは大いに「手間」が掛かり、実は、こちらの方がコスト安だとも言い切れない面がある。アクティブ運用は調査にコストが掛かるという建前だが、ファンドマネジャーの本音としては自社のアナリストの情報を殆ど必要としていないケースも多い。それでも、アクティブ運用の場合は、プラスのアクティブ・リターン(ベンチマークを上回るリターン)を期待しているのだから、運用報酬が高くて当然だという雰囲気がある。
 そういえば、かつて筆者の知り合いで、さる投資顧問会社で大きな公的スポンサー向け(言うまでもなくその運用会社にとって最重要顧客だ)のパッシブ運用を担当していた人物が、ある上場銘柄が倒産したときに、顧客から「倒産の可能性のある銘柄を投資対象から外す考えはないのか?」とミーティングで訊かれて、「パッシブ運用のフィーしか貰っていないので、その判断はサービスに含まれていません。そういうご希望があるなら、契約の内容を再検討してください」と言い放って、後で上司に叱られたというエピソードを思い出した。彼の言い分は、100%正論であり、彼はパッシブ運用担当者の仕事にうんざりしていた。その後、転職した筈だが、今どうしているのだろうか。
 余談はさておき、ともかく、ほとんど全てのファンドマネジャーにとって、アクティブ運用の方が魅力的な仕事なのだ。


■スタイル選択は人生の一大事

 ファンドマネジャーになって、アクティブ運用の仕事に就けたとしても、次に、どのような運用スタイルを選ぶかという問題がある。 ただし、正確にいうと、運用スタイルは運用会社を選んだ時点で決まっていることも多いし、或いは会社に複数の運用スタイルがあっても、サラリーマン・ファンドマネジャーの場合、配属時点で担当する運用のスタイルを決められていることも多いだろう。 大組織のファンドマネジャーの場合、自分で後から運用スタイルを決められるというのは、かなり「ゆるい会社」に勤めている場合だけかも知れない。
 しかし何れにせよ、ファンドマネジャーにとって、自分のアクティブ運用のスタイルを決定することは人生の重大決定と言っていいくらい大切な問題だ。
 個人投資家の場合は、バリュー投資(割安株投資)、グロース投資(成長株投資)、など各種の運用スタイルを自由に「つまみ食い」することができるから、自分の運用スタイルの選択ということにはさほど悩まないかも知れないが、筆者の個人的な意見としては、個人投資家も自分の得意な投資のパターンを持つ方がいいと思う。視点をたくさん持つのは悪いことではないのだが、株式投資のように不確実な対象を相手にする場合には、ある程度判断の原理を絞り込まないと、考えがまとまりにくいし、下手をするとポートフォリオのコントロールが効かなくなってしまう。勝負事では、自分のスタイルというかフォームを持つことが現実的に重要なことが多い。
 ファンドマネジャーが運用スタイルを選択する場合に、選択の分岐点として、1.バリュー型かグロース型か、2.東証一部の時価総額の大きな株が中心か小型株が中心か(投資対象企業の「サイズ」)、3.人間が判断する運用(ジャッジメンタル運用)かコンピュータープログラムで判断する運用(「クオンツ運用」あるいは「システム運用」)か、といった分岐点がある。
 個人投資家の場合は、上記に加えて、分先手法がファンダメンタル分析には、(企業の業績や財務状態を分析して投資する)かテクニカル分析(チャート分析に基づいて投資する)かという選択肢があるかも知れない。しかし、プロの世界では、大っぴらに「私はテクニカル分析で投資しています」と言っても相手にされない。
 ファンドマネジャーは、顧客や同業者に対して、たとえば、「小型株を中心にしたグロース運用で実地調査を重視するジャッジメンタル運用」とか「バリュー型のクオンツ運用で、投資対象は大型株が中心」といった具合に自らのスタイルをやや細かく説明するのが一般的だ。






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最終更新日  2006年02月10日 01時37分22秒
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