秋桜の花畑で貴方をみつけた薄暮
たからもの探すようにらんらんとした眦(まなじり)で
明かりそめる月を摑まえていたのです
淡淡(あわあわ)とした耀(あかり)に浮かびあがる瞳に金いろの三日月が
ものおじもせずに裸影をゆだねていました
気配を感じた貴方は
ギリシャ神話の少年のように
この女神の月を指にからめて
はじまりの詩のようにふれたのです
どれほど美しい硝子絵の或る野心よ
ららと歌いららと囀り
秋雲の夕の波が踊って
なおさら淡淡(あわあわ)と耀(あか)る三日月の花畑を
月の想われ人は鳩の翼で翔けていったのです
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Last updated
2012.11.04 14:43:47
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