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2010年10月20日
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テーマ:『BLEACH』(613)
カテゴリ:いじりの話
昨日、リクを出したところ、アライカズミさんから藍染先生の書道教室というリクをいただきました。
・・が・・実は掲示板の方にアライさんよりも先に琴冬さんからリクが入っておりまして・・。
普通、日記のコメ入れる時、掲示板まで見ませんもんね・・。
という訳で、二つともいじるしかあるまいという状況になってしまいました。(笑)

で、どっちを先にいじるのよ、という悩みになるわけですが・・。
今迄、日記のコメントで先着判断してまいりましたので、アライさんのを先にいじります。
琴冬さんの失恋修兵は今週中にはいじりますね~~。
先にコメいただいたのに、すんません。

ともあれ、惣さま。
ではどうぞ。


・・それは異例の科目だった。

選択科目にもかかわらず、あまりの受講希望者の多さに真央霊術院でも最大の教室がその科目の為にあてがわれていた。
が、それにもかかわらず入りきれない受講希望者は廊下にまで溢れかえっていた。

机さえ使えぬ廊下組は、廊下に引いたござの上に下敷きを広げ、正座して講義を受ける訳だが、藍染が話している時はそうもいかぬ。
廊下から身を乗り出して教室の内部を伺う。
視線の先に居るのは当然・・。

五番隊隊長、藍染惣右介である。

真央霊術院にの生徒たちは、皆死神や鬼道衆の卵だ。
死神になる事が目標の彼等にとって、護廷十三隊の隊長ともなれば、雲の更にその上にいる存在だ。
死神になったとしても、平隊員は同じ隊の隊長の姿すらなかなか見る機会がないのだという。

その隊長が、霊術院に教えに来ているのだ。
その姿を見るだけでも、受講する価値は計り知れない。
例えそれまで書道に全くの関心がなくても、教える講師への関心を持たない院生など、霊術院には居ないだろう。

「では始めようか。」
超満員の巨大な教室。
静まり返る生徒たちは、憧れる隊長位にある藍染を目を皿のようにして凝視している。

巨大な教室だからと言って、藍染は拡声器などは使わない。
かといって、声を格段大きくしてもいないのに、不思議と藍染の声は廊下の外までちゃんと聞こえた。
思わず聴きほれるほどの美声だ。
おしゃべり好きな生徒でも、耳にすれば思わず黙る。
もっと声が聞きたくて、聞き入るうちに授業に集中する。

藍染の教え方も巧みだった。
面倒くさがらず、基礎の基礎からちゃんと教える。
習字の苦手な者たちには、何故書く文字が見にくい文字になってしまうのか、例を示して解りやすく教える。

「見やすさとは、バランスだ。
文字が苦手だという者でも、見やすく書くという事は気を付ければできるものだ。
そうだね、たとえば春という文字。
・・ちょっと書いて貰おうか。

・・なるほど。そこの君のを少し借りられるかな?
別に君のをけなすつもりは無いよ。
ただ、例として使わせてほしい。そう固くならないでいい。

さて、この例だが、典型的な文字が苦手という者の書だ。
そして文字が苦手という者の共通点があってね。それは、線と線との感覚がまちまちだという事だ。
この<春>の横棒の線の間隔が、それぞれ違うのは解るかな?

この感覚がまばらであるという視覚的なものが、他人に『見にくい』と思わせる。
つまり、この感覚を均等にしてやればいい。
そう・・こんな風にね。」
藍染が朱で書きなおした文字に、思わず受講者から声が上がった。
漠然と書道が苦手だと思っている者にも、解りやすく上達への道を開く。

そして、書に自信がある者ならば、藍染に良い例として取り上げられる事を最大の目標にする。
生徒に書かせる間は藍染は、教室内を回り、自ら生徒の手を取って指導することもあった。
指導されて貰った生徒の中には感動と極度の緊張のあまり、その後倒れてしまった者もいるとかいないとか。
不思議と、藍染が手を取る生徒は、その後驚くべき書の腕が上がる。
その意味でも、藍染に手ずから教えてほしいと熱望する者は多かった。

基本は楷書の練習だが、生徒の集中の状態でいきなり創作的なものを書かせたりもする。
その日は、そんな創作文字を書かせる日だった。

「少し気分を変えようか。
今から、自分の好きな文字一文字を書いてほしい。
いつものように、楷書じゃなくていいよ。
その好きな文字にあった表現方法で書いてほしい。
止めや払いにも気を使わなくていい。」

生徒たちは思い思いの文字を書く。
風を選んだ者は、風を連想させるように横長にしてみたり、縦長にしてみたりと様々だ。
一応に、皆が書き終わった頃、藍染がこう言った。

「護廷十三隊では、書類は全て紙と筆で書いている。
実はね。本当は直接手で書かなくとも書類を機械の文字で書かせる事が可能なんだ。
実際技術開発局では、それを利用している。
何故かというと、圧倒的にそうしたほうが早いからだ。
護廷隊でも利用すれば、書類に関わる時間はほぼ半分となるだろう。
だが、未だに護廷隊では手で書く書類に拘っている。
・・何故か、解るかな?」

予算がない、そういう伝統だから、などと生徒たちからは意見が飛ぶ。
藍染は鷹揚に、なるほどとうなずきながらそれらを聞いていた。
そして、自分の意見を言い始める。

「その書類を書いた者が、どういう気持ちで書いているのかが予測できるからだと、僕は考えている。
書いた文字に性格が出るという話を聞いた事があるだろう?
その延長だと思っている。」

書いた文字に性格が出る。
書道選択者でなくとも、どこかで一度は聞く言葉だ。
だが、半信半疑なのが正直だろう。

「といっても、疑っている者もいるだろう。
少しやってみようか。」と、藍染が周りを見渡した。
「そこの赤毛の君・・。名前を言ってくれるかな?」
目線があった赤毛の男子生徒が指名されて立ち上がる。
「阿散井恋次です。」
流石に緊張気味だ。
「君は何を書いたのかな?」そう言われて恋次がちょっとイヤそうに書を見せた。
実はあまり文字が得意ではない。

「・・なるほど。
君はどうやら男らしいさっぱりとした性格の様だ。
勢いのある筆遣いで好感が持てるね。
だが・・ちょっと迷っているようだね。
過去の事で、本当にこれで良かったのかと迷っているようだ。」
「・・・!!!なんでそれを!!」
恋次が飛びあがった。余程驚いたのだろう。
雲の上の藍染にも敬語を使うのを忘れたほどだ。

「君の書がそう言っている。
君の書いた“刀”だが起筆、送筆は勢いがあるのに、収筆のはらいになると、この部分で迷いが出ている。
この部分でいったん止まってしまってるだろう?
それが君の迷いだ。」
優しい目なのに、目が合うと動けない。
しかも自分の心理状況まで見抜かれた。
そうだ。幼馴染のルキアを朽木家に行かせてよかったのかと未だに迷っている。
そんなものまで見抜かれるとは、と少し恋次は恐怖した。

「さて・・もう一人見てみようかな。
そこの、金髪の君・・。そう、君だ。」
指されてとまどいの表情を浮かべていたのは吉良イヅルだ。
名前を言って、自分の書を藍染に見せた。
頑張って書いたつもりだ。イヅルはそれなりに自信があった。

「・・なるほど。
”努”か・・。君にぴったりの文字だね。
非常に君らしくて良い。
君は実に努力家のようだ。
右下がりになってしまう癖を一生懸命直そうとしているね。
君はよく自分の性格を知っているようだ。
そして欠点を直そうと努力している。
だが、無暗に自分を殺す必要は無いよ。
全体に送筆に勢いがないだろう?誤った方向へ行かないように必死に自分をコントロールしている跡だ。
今回僕は自由に書いていいと言っている。
そんなときくらい、自分に自由に書いてもいいんじゃないかな?
だが、書自体はいい出来だ。ちゃんと優が付くレベルだよ。」

言い当てられたイヅルは蒼白になった。
自分が実は自分自身を嫌っている事まで見抜かれた気分になったからだ。

その日の講義の最後。
「剣道や柔道、そして書道には、最後に道が付いてくるね。
書と書道では何が違うのだろう。
文字を書くという事はどちらも同じだ。
だが、道という文字が付けば少し意味合いが変わってくる。
それは自分自身を見つめ直し、自分がどう在るべきかを知り更に鍛錬する事だ。
その手段として、剣道では剣を使い、書道では筆を使う。
大きく違うように見えるかもしれないが、根本の部分は全て同じだと僕は考えている。

だが、それでも残念ながら自分の事はなかなかわからないものだ。
そこで僕が何故この書道を趣味としているかとなってくるわけだが・・。

一番客観的に自分の精神状況が判断できるからだよ。
筆の跡は、自分の心の動きそのものだ。
視覚的に確認できる点からも、僕は書道は利点があると思っている。」

感心したように、生徒たちの首が何回も振られる。
そして授業の終わりを知らせる鐘の音が響いてきた。

「どうやら時間の様だ。
何か質問はあるかな?」
すると、女生徒から手が挙がった。
「雛森桃です。
あの・・どういう筆筋の人が伸びるのか聞かせてください。」
人一倍書道に熱心に取り組んでいる生徒だ。
藍染を見る目は、既に崇拝以外の何物でもない。

「そうだね・・。
素直なことかな。
素直な筆筋の子は、どのようにも伸びるからね。

ちなみに・・・。
君の筆筋も、実に素直だと僕は思っているよ、雛森君。」

目を合わせてそう言われた雛森。
手の先まで真っ赤になって、藍染を苦笑させる。

講義が終わり、講師の控え室へ向かう藍染。
群がる生徒たちを「次の講義があるだろう?早く準備をしなさい。」とやんわりと、追い払う。

穏やかな笑みはそのままだ。
「・・・素直が一番だよ、雛森君。
そう、どうにでもなる。
・・そこが重要だ。」

誰にも聞かれぬその声は、普段の藍染とはかけ離れた冷たい色をしていた。


筆の跡は、心の跡。


だが藍染の筆の跡は、誰にも知られる事は無い。




なんちゃって。


長くなっちゃった。
なんかむかーし習った習字を思い出していじりましたが、どないでしょ。
書道教室っぽいスメルが出てればいいんですけど~~~。
リクありがとうございました~~!

・・・眠い(笑)。←オイ






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最終更新日  2010年10月22日 22時11分01秒
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