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番組構成師 [ izumatsu ] の部屋

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2004.06.01
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カテゴリ:世相

事件が起きると、おとなたちは「なぜだ?」と戸惑う。
その繰り返し。
ぼくが子どものころもそうだったのだろうか?
おとなになった今、混乱する。

小学生が同級生の命を奪う。
想像し難いことが、現実となって目の前に現れる。
おとなたちは、取り乱し、頭をかかえる。

--生命を奪うということはどういうことなのか、
--学校はきちんと教えてきたのか?!

そんな意見が声高に叫ばれ始める。
なんどもなんども経験してきたはずのプロセス。
その繰り返し。

このむなしさは、なんなんだろう。なぜなんだろう。

「命はかけがえのないものだ」

そう、誰もが言うし、教育の現場でも、そう教えているはずだ。
子どもたちも「命はかけがえのないもの」と知ってはいるだろう。
尋ねればそう答えるだろうし、
他の命を奪うことは許されざることだと思っているだろう。

しかし、そこに実感、体感はあるのだろうか?

--命を奪うということはどういうことか、想像力に乏しい。

口々に識者はそう言う。むなしいコメントだ。
それも、誰もが感じている。
日常生活現場での想像力不足は、子どもに限らない。おとなでも同じ。

では、どうすれば「想像力が豊か」になるのか?

“わからない”が続く。


-------------------------------


想像力が乏しい・・・・・・。

想像力があっては生きにくい。現代はそんな時代なんだろうか。

すべてのことに先回り先回りで情報が用意されている。
それは“解答”ではない。
しかし、その情報に接すると「そうなのだ」と、そのまま納得してしまう。

戦争の現場では、建物にミサイルが突っ込む瞬間から、
爆発する様子まで、映像がリアルに“解説”してくれる。
それが何度も何度も繰り返される。

ミサイルが飛び込んだ先には人間がいる、そこで今、生きている。
そこまで、想像力が及ばなくなる。
想像力があったら、そんな映像を見つめてはいられまい。

「飛び出す絵本」というのがある。
ページを開くと、そこに記された物語が立体となって現れる。
情報が先回りしている現代は、その「飛び出す絵本」のようなもの。

絵本から物語を飛び出させるのは、子どもたちの想像力のはず。
なのに、それが前もって準備されている。
子どもは、何を“想像”すればいいのだろう?

準備された想像の世界。
これほどの矛盾はない。


-------------------------------


テレビもそのほとんどが準備された想像の世界。

古代の恐竜が、リアルにのし歩く。
絢爛豪華な貴族の館。その中をぼくらは見て回る。

それらはすべて、CGによって作られたもの。
リアルに見えても、それらはすべてイミテーション。
情報が集められ、データ化され、コンピュータによって計算され、描かれた。

準備された想像の世界。

ぼくが子どものころ、と昔を引っ張り出すのもむなしいが、
恐竜を歩かせるのは、ぼくの想像力だった。
紫式部の装束をきらびやかに仕立て上げるのは、ぼくの想像力だった。
想像することが楽しみだったし、夢を作り上げることでもあった。

その楽しみが準備されている今、想像力をどう羽ばたかせればいいのだろう?


-------------------------------


子どもたちが当事者となった事件があるたびに、
必ず引き合いに出されるゲームの世界。

--人間同士の触れ合いが育まれない。

そんな意見が必ず飛び交う。

ぼくはコンピュータを使ったゲームは、ほとんどしたことがない。
それには理由がある。

以前、ある人気ゲームをプログラミングした人に話を聞いたことがある。
まだ大学生だったそのプログラマーは、
ゲームの楽しさやプログラミングの難しさを語ってくれた。

その話を聞きながら、
「あぁ、ゲームも飛び出す絵本なんだなぁ」
そう、ぼくは感じていた。

数百万個を売り上げたこのゲーム。
それがどれほど奇想天外に展開しても、
それは彼がプログラミングした通りにパソコンが動いているということ。
準備された映像、ストーリーが次々と登場しているということだ。
プログラミングされていない出来事が画面上に登場することはない。

そこにゲームをする人の想像力が広がる余地や時間があるのだろうか?

マンガも小説も、ストーリーは書き手が作る。
しかし、目を止め、空想の世界に浸るのは読み手に任される。
主導権は、こちらにある。

ゲームを楽しむ人は、「同じことだ」と言うかもしれない。
しかし、喜怒哀楽が準備されているとぼくには思えるゲームの世界。
遊びの世界でも、想像力不要になっているのだろうか?


-------------------------------


ジョン・レノンが『イマジン』を歌ったとき、
中学生だったぼくは、すぐに好きになった。
でも、その詞には特に心ひかれなかった。

「想像力で世界をかえることができる」

その主張が、あまりにあたり前のことに思えたから。

それが、どんどんどんどん“あたり前”ではなくなって行った。
9.11のときには、放送自粛の対象となった。

ぼくの想像力では、とても及ばない現実の世界。
そんな世界で、想像力を育むには、どうすればいいのだろう?

わからない。

わからないが、これだけは言い続けなければならないだろう。
たとえ、むなしくとも。

--殺すな!


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大きな記事のとなりに、そっと、小さなベタ記事が。

「小5女児、飛び降り自殺?」

悲しみと混乱だらけだ。






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Last updated  2004.06.02 09:40:20
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