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内村鑑三Ｑ＆Ａ　その２

問　それはどういうことですか。

答　内村らが教派を超えた教会を計画したためです。彼らはいざ新しく教会を造ろうとするや、一つの大きな疑惑に当面しました。－なぜわれわれは、違った教派や教会に別々に属さなければならないのか、ということです。彼らは３つの教派に属していました。内村を始めとする大部分のものはアメリカのメソジスト監督派に、一人はカナダ・メソジスト派に、一人はイギリス、聖公会です。これは各自が洗礼を受けた時、そのままそれぞれの教派の会員として登録された結果です。しかし彼ら自身はソンナ関係は全く念頭になく、ソンナ行きがかりのなぞ全く無視して、一同ただ一人のように愛し合い、睦みあって来ました。彼らには外国伝来の教派とか教会とかの派閥精神はミジンも無かったのです。しかし教会を造ろうとすると、たちまちこの点が問題となり出しました。彼らは大いに悩んだ末、断固として３つの教会を解消して、一つの共同の、新しい教会を造ることを決意しました。聖書の教えるところに依れば「主は一つ、信仰は一つ、パプテスマは一つ」であり、教会とは「ふたりまたは３人が、わが名によって集っている所には、わたしもその中にいるのである」と明白に教えられている所です。然るに信者が多くの教派や教会に分かれて、別々に信仰生活を送り、あまつさえ憎しみ合い、争い合うということは、彼らにはどうしても考えられません。まして札幌のような狭いところに、２つも３つもの教会を造って、今まで一身同体の聖い、楽しい関係を続けて来た彼らが、別れ別れにならねばならぬということは、到底我慢ができません。それゆえ彼らは教派を離れて彼らの合同教会を建てようと決心したのです。

問　それが宣教師の怒りを買ったのですか。

答　そうです。宣教師は彼らの決意が固いと見るや、貸与金の即時返済を迫りました。
その手紙が着いたのは、1882年（明治15年、22歳）1月1日の日曜日で、彼らが彼らの教会に集って聖日を守り、あいあいと新年のあいさつを交わしていた時でした。