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2010年11月01日
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ルビ・補注「二宮翁夜話」 日めくり   
 1日 


「二宮翁夜話」(底本は、「報徳要典」昭和9年1月1日発行)

二宮翁夜話巻之3(【 】は夜話の通しで表記する)  

【132】  

高野氏旅粧(たびよそおひ)成りて暇を乞ふ、

翁曰く、

卿に安全の守を授けん、

則ち予が詠める

「飯と汁木綿着物は身を助く、其の余は我をせむるのみなり」

の歌なり、

歌拙しとて軽視する事勿れ、身の安全を願はゞ此の歌を守るべし、

一朝変ある時に、我が身方と成る物は、飯と汁木綿着物の外になし、

是は鳥獣の羽毛と同じく何方迄(どこまで)も味方なり、

此の外の物は、皆我が身の敵と知るべし、

此の外の物、内に入るは敵の内に入るが如し、

恐れて除き去るべし、

是式(これしき)の事は、是位(これくらい)の事はと云ひつゝ、自ら許す処より人は過つ物なり、

初は害なしといへ共、年を経る間に思はず知らず、いつか敵と成つて、悔ゆる共及ばざる場合に立至る事あり、

夫れ此の位の事はと自ら許す処の物は、猪鹿の足跡の如く、隠す事能はず、終に我が足跡の為に猪鹿の猟師に得らるゝに同じ、

此の物内に無き時は、暴君も汚吏も、如何(いかに)共する事能はず、

進んで我が仕法を行ふ者、慎まずばあるべからず、

必ず忘るゝ事勿れ、

高野氏叩頭して謝す、

波多八郎傍(かたはら)にあり、

曰く、古歌に

「かばかりの事は浮世の習ひぞとゆるす心のはてぞ悲しき」

と云へるあり、教戒によりて思ひ出たり、

予も感銘せり、と云ひ生涯忘れじと誓ふ。  

 
【132】高野氏は旅支度が整って暇乞(いとまご)いにきた。尊徳先生はこうおっしゃった。「あなたに安全の守りを授けよう。すなわち私が詠んだ『飯と汁(しる)木綿(もめん)着物は身を助く其余は我をせむるのみなり』の歌である。歌がつたないからといって軽視してはならない。身の安全を願うならばこの歌を守るがよい。一朝(ちょう)変ある時に、自分の味方となる物は、飯と汁木綿着物の外にはない。これは鳥獣の羽毛と同じくどこまでも味方である。このほかの物は、皆自分の身の敵と知るがよい。この外の物が、内に入るのは敵が内に入るようなものだ。恐れて除き去るがよい。これしきの事は、これくらいの事はといいながら、自ら許すところから人は過つのだ。初めは害がないといっても、年を経る間に思わず知らず、いつか敵となって、後悔しても及ばない場合に立ち至る事がある。このくらいの事はと自ら許すところの物は、猪や鹿の足跡のようにく、隠す事はできない。ついに自分の足跡のために猪や鹿が猟師に獲(と)られるのと同じだ。この物が内に無い時は、暴君も不正な役人も、どうにもする事ができない。進んで私の仕法を行う者は、慎まなくてはならない。
必ず忘れてはならない。高野氏は何度も頭を下げて感謝した。波多八郎がかたわらにあって言った。
「古歌に『かばかりの事は浮世の習ひぞとゆるす心のはてぞ悲しき』というのがあります。先生の教戒によって思い出しました。私も感銘いたしました。」と言って「生涯忘れません」と誓った。


 □二宮先生語録【318】我が道を行う者、宜しく綿衣飯羹を以て自奉の度と為すべきなり。道将に廃せんとするの日、我が身を助ける者、綿衣飯羹のみ。是れ鳥獣の羽毛に於けるごとく、能く我が身を護る。その他悉く我を攻るの敵と為る。道行わるるの日、一盞酒一?肴の如きは、則ち害無しに似ると雖も、一旦変有れば、則ち我を攻るの敵と為る。況や賄賂買囑に於いてをや。なお雪後の獣蹄蔽うべからず。猪鹿遂に猟夫の獲る所と為るなり。慎まざるべけんや。

 (訳)わが道を行う者は、よろしく飯と汁と木綿の着物とをもって、自分の生活の限度とすべきである。道が廃れようとするとき、わが身を助けるものは飯と汁、木綿着物の生活だけである。これは鳥獣の羽毛のようなもので、よくわが身を守る。そのほかのものは、ことごとく自分を攻める敵となるのだ。道が順調に行われているときは、酒の一杯や、肴(さかな)の一皿ぐらいは害がないように見えるけれども、いったん形勢が変れば、たちまち自分を攻める敵となる。まして賄賂・付届けに至ってはなおさらのことで、ちょうど猪や鹿が、雪が降ったのち、足跡を被いかくすことができず、ついに猟師にとられてしまうのと同様である。深く慎まなければならない。

報徳秘稿【163】夫れ、己を助るものは、飯と汁と木綿着物と也。此の外の物は、皆己を責るもの也。此の外の物多く内に入る時は、譬ば敵、内に多く入りたる如くなる故、小は身を亡ぼし家を亡ぼし、大は国を亡ぼす事疑いなし。此の外の物少しも内に入れざる時は、暴君奸吏も是を咎むる事あたわず。




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最終更新日  2010年11月01日 05時27分20秒



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