全て
| 報徳記&二宮翁夜話
| 二宮尊徳先生故地&観音巡礼
| イマジン
| ネイチャー
| マザー・テレサとマハトマ・ガンジーの世界
| 宮澤賢治の世界
| 五日市剛・今野華都子さんの世界
| 和歌・俳句&道歌選
| パワーか、フォースか
| 木谷ポルソッタ倶楽部ほか
| 尊徳先生の世界
| 鈴木藤三郎
| 井口丑二
| クロムウェル カーライル著&天路歴程
| 広井勇&八田與一
| イギリス史、ニューイングランド史
| 遠州の報徳運動
| 日本社会の病巣
| 世界人類に真正の文明の実現せんことを
| 三國隆志先生の世界
| 満州棄民・シベリア抑留
| 技師鳥居信平著述集
| 資料で読む 技師鳥居信平著述集
| 徳島県技師鳥居信平
| ドラッカー
| 結跏趺坐
| 鎌倉殿の13人
| ウクライナ
| 徳川家康
テーマ:報徳記&二宮翁夜話(503)
カテゴリ:報徳記&二宮翁夜話
ルビ・補注「二宮翁夜話」 日めくり
1日 「二宮翁夜話」(底本は、「報徳要典」昭和9年1月1日発行) 二宮翁夜話巻之3(【 】は夜話の通しで表記する) 【132】高野氏旅粧(たびよそおひ)成りて暇を乞ふ、 翁曰く、 卿に安全の守を授けん、 則ち予が詠める 「飯と汁木綿着物は身を助く、其の余は我をせむるのみなり」 の歌なり、 歌拙しとて軽視する事勿れ、身の安全を願はゞ此の歌を守るべし、 一朝変ある時に、我が身方と成る物は、飯と汁木綿着物の外になし、 是は鳥獣の羽毛と同じく何方迄(どこまで)も味方なり、 此の外の物は、皆我が身の敵と知るべし、 此の外の物、内に入るは敵の内に入るが如し、 恐れて除き去るべし、 是式(これしき)の事は、是位(これくらい)の事はと云ひつゝ、自ら許す処より人は過つ物なり、 初は害なしといへ共、年を経る間に思はず知らず、いつか敵と成つて、悔ゆる共及ばざる場合に立至る事あり、 夫れ此の位の事はと自ら許す処の物は、猪鹿の足跡の如く、隠す事能はず、終に我が足跡の為に猪鹿の猟師に得らるゝに同じ、 此の物内に無き時は、暴君も汚吏も、如何(いかに)共する事能はず、 進んで我が仕法を行ふ者、慎まずばあるべからず、 必ず忘るゝ事勿れ、 高野氏叩頭して謝す、 波多八郎傍(かたはら)にあり、 曰く、古歌に 「かばかりの事は浮世の習ひぞとゆるす心のはてぞ悲しき」 と云へるあり、教戒によりて思ひ出たり、 予も感銘せり、と云ひ生涯忘れじと誓ふ。【132】高野氏は旅支度が整って暇乞(いとまご)いにきた。尊徳先生はこうおっしゃった。「あなたに安全の守りを授けよう。すなわち私が詠んだ『飯と汁(しる)木綿(もめん)着物は身を助く其余は我をせむるのみなり』の歌である。歌がつたないからといって軽視してはならない。身の安全を願うならばこの歌を守るがよい。一朝(ちょう)変ある時に、自分の味方となる物は、飯と汁木綿着物の外にはない。これは鳥獣の羽毛と同じくどこまでも味方である。このほかの物は、皆自分の身の敵と知るがよい。この外の物が、内に入るのは敵が内に入るようなものだ。恐れて除き去るがよい。これしきの事は、これくらいの事はといいながら、自ら許すところから人は過つのだ。初めは害がないといっても、年を経る間に思わず知らず、いつか敵となって、後悔しても及ばない場合に立ち至る事がある。このくらいの事はと自ら許すところの物は、猪や鹿の足跡のようにく、隠す事はできない。ついに自分の足跡のために猪や鹿が猟師に獲(と)られるのと同じだ。この物が内に無い時は、暴君も不正な役人も、どうにもする事ができない。進んで私の仕法を行う者は、慎まなくてはならない。 必ず忘れてはならない。高野氏は何度も頭を下げて感謝した。波多八郎がかたわらにあって言った。 「古歌に『かばかりの事は浮世の習ひぞとゆるす心のはてぞ悲しき』というのがあります。先生の教戒によって思い出しました。私も感銘いたしました。」と言って「生涯忘れません」と誓った。 □二宮先生語録【318】我が道を行う者、宜しく綿衣飯羹を以て自奉の度と為すべきなり。道将に廃せんとするの日、我が身を助ける者、綿衣飯羹のみ。是れ鳥獣の羽毛に於けるごとく、能く我が身を護る。その他悉く我を攻るの敵と為る。道行わるるの日、一盞酒一?肴の如きは、則ち害無しに似ると雖も、一旦変有れば、則ち我を攻るの敵と為る。況や賄賂買囑に於いてをや。なお雪後の獣蹄蔽うべからず。猪鹿遂に猟夫の獲る所と為るなり。慎まざるべけんや。 (訳)わが道を行う者は、よろしく飯と汁と木綿の着物とをもって、自分の生活の限度とすべきである。道が廃れようとするとき、わが身を助けるものは飯と汁、木綿着物の生活だけである。これは鳥獣の羽毛のようなもので、よくわが身を守る。そのほかのものは、ことごとく自分を攻める敵となるのだ。道が順調に行われているときは、酒の一杯や、肴(さかな)の一皿ぐらいは害がないように見えるけれども、いったん形勢が変れば、たちまち自分を攻める敵となる。まして賄賂・付届けに至ってはなおさらのことで、ちょうど猪や鹿が、雪が降ったのち、足跡を被いかくすことができず、ついに猟師にとられてしまうのと同様である。深く慎まなければならない。 ■報徳秘稿【163】夫れ、己を助るものは、飯と汁と木綿着物と也。此の外の物は、皆己を責るもの也。此の外の物多く内に入る時は、譬ば敵、内に多く入りたる如くなる故、小は身を亡ぼし家を亡ぼし、大は国を亡ぼす事疑いなし。此の外の物少しも内に入れざる時は、暴君奸吏も是を咎むる事あたわず。 「ツキを呼ぶ魔法の言葉」CDほかを聞くこと700回 今野華都子先生のCDを聴くこと1,080回 「運命を開く小さな習慣」 256回 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月01日 05時27分20秒
|