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2014年09月13日
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【三】国を興し民を安んずるは分度を立つるに在るを論ず
問(と)ふて曰(いは)く、先生(せんせい)の道(みち)は限(かぎ)りなき財(ざい)を生(しやう)じ、以(もつ)て限(かぎ)りある土地(とち)を開(ひら)き、又(また)限(かぎ)りある民(たみ)を恵(めぐ)むとは何(なん)の謂(いひ)いぞや。曰(いは)く、国(くに)の大小(だいせう)均(ひと)しからずと雖(いへど)も、土地(とち)の広狭(くわうけう)必(かなら)ず限(かぎ)りあり、人民(じんみん)戸口(ここう)も亦(また)限(かぎ)りあり。国(くに)の生(せい)財(ざい)に至(いた)りては然(しか)らず、今年(こんねん)生々(せいせい)して来(らい)歳(さい)復(また)生々(せいせい)す。幾(いく)万歳(まんさい)を経(ふ)ると雖(いへど)も生財(せいざい)止(や)まず、尽(つ)きず、加之(いかのみならず)能(よ)く人力(じんりき)を尽(つく)せば、土地(とち)の万物(ばんぶつ)を生(しやう)ずる、豈(あに)に限(かぎり)あらんや。故(ゆゑ)に之(これ)を名(なづ)けて無尽蔵(むじんざう)と云(い)ふ。世人(せじん)は唯(たゞ)目前(もくぜん)の財(ざい)のみを量(はか)るが故(ゆゑ)に、限(かぎ)りありとす。我(われ)は年々(ねんねん)歳々(さいさい)土地(とち)より生(しやう)じて、尽(つ)きざるものを謂(い)ふなり。然(しか)れども国(くに)に分度(ぶんど)なければ、国用(こくよう)節(せつ)なく度(ど)なし。節(せつ)なく度(ど)なければ、奢侈(しやし)行(おこな)わる。奢侈(しやし)行(おこな)わるれば、国用(こくよう)足(た)らず。国用(こくよう)足(た)らざれば、下民(かみん)に取(と)るもの度(ど)なし。下民(かみん)限(かぎり)あるの米(べい)財(ざい)を出(だ)して、飽(あ)くなきの求(もと)めに応(おう)ず。国(くに)の本(もと)たる百姓(ひやくしやう)日々(にちにち)に窮(きゆう)し、周歳(しゆうさい)勤動(きんどう)すれども、敝衣(へいい)身(み)を掩(お)ふに足(た)らず、食(しよく)糟糠(さうこう)にだも飽(あ)かず。仰(あふ)ぎて父母(ふぼ)を養(やしな)ふ能(あた)はず、俯(ふ)して妻子(さいし)を安(やす)んずる能(あた)はず。老(お)いたるものは寒(さむさ)を歎(なげ)き、幼(いとけ)なきものは飢(うゑ)を呼(よ)ぶ。終(つい)に家(いへ)を売(う)り、田地(でんち)を鬻(ひさ)いで、離散(りさん)するに至(いた)る、人事(じんじ)の憂患(いうくわん)豈(あに)に焉(これ)より痛(いた)ましきものあらんや。是(これ)に於(おい)て人民(じんみん)日(ひ)に減(げん)じ、田圃(でんほ)年々(ねんねん)に荒蕪(くわうぶ)す。夫(そ)れ草木(さうもく)枝葉(しえふ)花実(かじつ)の栄(さか)ふるものは、其(そ)の根(ね)の固(かた)きが故(ゆゑ)也(なり)。人(じん)君(くん)の永安(えいあん)は、下民(かみん)の繁栄(はんえい)にあり。其(その)本根(ほんこん)の民(たみ)斯(かく)の如(ごと)く、極窮(ごくきゆう)離散(りさん)の禍(わざわひ)に陥(おちい)る時(とき)は、草木(さうもく)の根(ね)を断(だん)ずるが如(ごと)し。花実(くわじつ)の衰枯(すゐこ)立処(たちどころ)に至(いた)らん。此(この)時(とき)に当(あた)れば智者(ちしや)も其(その)智(ち)を用(もち)ゆる所(ところ)なく、勇者(ゆうしや)も其(その)勇(ゆう)を施(ほどこ)す所(ところ)なし。然(しか)して人君(じんくん)興(おこ)り廃(はい)地(ち)を開(ひら)き、大(おほい)に下民(かみん)を撫育(ぶいく)せんとし、我(わ)が方法(はうはふ)を行(おこな)わば、米金(べいきん)なきを憂(うれ)えず、又(また)廃蕪(はいぶ)の多(おほ)きを憂(うれ)えず。何(なん)ぞや仁政(じんせい)を施(ほどこ)せば、国(くに)富(と)み民(たみ)優(ゆた)かなり。虐政(ぎやくせい)を布(し)けば、国(くに)衰(おとろ)へ民(たみ)苦(くるし)む。盛衰(せいすい)貧富(ひんふ)存亡(そんぼう)皆(みな)人君(じんくん)の仁(じん)と不仁(ふじん)とにあり。余(よ)が衰国(すゐこく)を挙(あ)げんとするに、米金(べいきん)なきを憂(うれ)へざる所以(ゆゑん)は、先(ま)づ其(その)国(こく)の分度(ぶんど)を立(た)て、規則(きそく)を定(さだ)むるが故(ゆゑ)なり。分度(ぶんど)一たび堅立(けんりつ)すれば、生財(せいざい)年々(ねんねん)に倍(ばい)す。何(なん)ぞ財(ざい)なきを憂(うれ)えん。曰(いは)く、分度(ぶんど)とは何(なん)ぞや。曰(いは)く、貧富(ひんぷ)盛衰(せいすゐ)に従ひ、一国(こく)経済(けいざい)の程度(ていど)を定(さだ)むるを云(い)ふ。曰(いは)く、一国(こく)経済(けいざい)の程度(ていど)を定(さだ)むる、其(その)方法(はうはふ)如何(いかん)。曰(いは)く、国(くに)盛(さか)んなれば天命(てんめい)盛富(せいふ)にあり、国(くに)衰(おと)ふれば天命(てんめい)衰貧(すゐひん)にあり。伝(でん)に曰(いは)く、富貴(ふうき)に素(そ)して富貴(ふうき)を行(おこな)ひ、貧賤(ひんせん)に素(そ)して貧賤(ひんせん)を行(おこな)い、夷狄(いてき)に素(そ)して夷狄(いてき)を行(おこな)ひ、患難(かんなん)に素(そ)して患難(かんなん)を行(おこな)う。君子(くんし)は入(い)るとして自得(じとく)せざる無(な)きなりと。是(こ)れ盛衰(せいすゐ)貧富(ひんぷ)各々(おのおの)天命(てんめい)に従(したが)ひ安(やす)んずるの謂(い)ひなり。故(ゆゑ)に衰時(すゐじ)に当(あた)りては、衰時(すゐじ)の天命(てんめい)に従(したが)い、当時(たうじ)の租税(そぜい)を以(も)つて国用(こくよう)を制(せい)す。然(しか)れども一、二年(ねん)の納税(のうぜい)を以(も)つて定則(ていそく)となすを得(え)ず。何(なん)ぞや。年(とし)に豊凶(ほうきよう)ありて、租税(そぜい)の多少(たせう)均(ひと)しからざればなり。是(これ)故(ゆゑ)に既往(きわう)衰時(すゐじ)に属(ぞく)する十年(ねん)乃至(ないし)二、三十年(ねん)の租税(そぜい)を平均(へいきん)す。この平均(へいきん)の数(すう)は、真(しん)に衰時(すゐじ)中(ちゆう)の易(か)うべからざる天命(てんめい)自然(しぜん)の分(ぶん)なり。此(この)分(ぶん)に従(したが)ひ国用(こくよう)其(その)度(ど)を制(せい)す。之(これ)を是(こ)れ経済(けいざい)の程度(ていど)を定(さだ)め、分度(ぶんど)を立(たつ)るの方法(はうはふ)とす。苟(いやしく)も此(この)分(ぶん)に安(やす)んじて、艱難(かんなん)を甘(あま)んじ、節倹(せつけん)を尽(つく)し、国家(こくか)再盛(さいせい)の期(き)に至(いた)るまで、確乎(かくこ)として堅(かた)く守(まも)り、変動(へんどう)せざれば、国本(こくほん)既(すで)に堅立(けんりつ)す。国国本(こくほん)既(すで)に堅立(けんりつ)すれば、生財(せいざい)の湧出(ゆうしつ)するや、譬(たとへ)ば川源(せんげん)を開(ひら)きて流水(りうすゐ)の限(かぎ)りなきが如(ごと)し。語(ご)(論語)に曰(いは)く、殷(いん)は夏(か)の礼(れい)に因(よ)り、損益(そんえき)する所(ところ)知(し)るべきなり・・・※
※(為政第二為政第二 子張問ふ。十世を知るべきや。子の曰はく、殷は夏の禮に因り、損益する所知るべきなり。周は殷の禮に因り損益する所知るべきなり。其れ或ひは周を繼ぐ者百世と雖も知るべきなり。)





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最終更新日  2014年09月13日 17時04分29秒



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