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2014年10月28日
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  2014年12月6日 袋井講演会に向けて



プロローグ
2014年10月27日私は、○○文化アカデミアを訪れた。○○所長に新刊の「ボーイズ・ビー・アンビシャス第5集」2刷を差し上げるためである。
所長はいつも私たちの読書会活動を応援してくださっている。

以前から「二宮尊徳についての分りやすい本があればいいのにね」とおっしゃっていたのだが、この席でも同じ話題が出た。

「ちょうど現在、ソクラテスの対話編を念頭においた『金次郎対話編』を『報徳記』などから作っているところです。ソクラテス対話編のように、対話によって真実を導きだそうというものではなく、対話という、親しみやすい読みやすい枠組みを使って二宮金次郎の考えを読者に理解してもらおうというもので、もともと『報徳記』という本はそういう手法が使われています。この手法を袋井講演会で会員の協力で演出し聴衆に受け入れられるものか試してみようと作成中です。
もう一つは、カーライルの『クロムウェルの手紙と演説』を参考にして、「二宮金次郎の手紙」のいくつかを対話編の年代ごとに差し込んで、二宮金次郎自身に自分の考えを語らせようという試みです。
二宮尊徳は亡くなるとき門弟に「我が日記を見よ、手紙を見よ」と遺言された。ただ当時の手紙は候文で、現代人には読めない、読めても理解が難しい、ですから現代語訳で読者に提示するという構想です。

『報徳記を読む』第1集、第2集ができたので、それから抜粋し、再構成すればいい。ある意味、『報徳記を読む』の導入編ともいえる。材料は既にある。あとは、二宮金次郎の前半生を分りやすく読者にあるいは聴衆に提示できるかというのが、問題ですがそれは仲間の力を借りて、まずは袋井講演会で試みてみましょう。」と。


二宮金次郎の飯泉観音における悟り―金次郎よ観音となり観音の行いをせよ―
二宮金次郎14歳の時(18歳の時)、隣村の飯泉村(いいずみむら)観世音に参拝し、堂の下に坐して念じていたことがあった。その時、旅の僧が来て、堂前に坐してお経を読んだ。その声は微妙で、その深理は広大で、金次郎が一たび聞いてその真理がはっきりわかって、心の中が歓喜にみたされた。僧がお経を唱え終わった後、金次郎は謹んで僧に聞いた。

金次郎:今、読まれたお経は何というお経ですか。

僧侶:観音経(かんのんぎょう)です。

金次郎:私はこれまでしばしば観音経を聞きました。今、聞くところと異なっていました。どうしてあなたの読まれたのが私の心にしみとおって明らかなのでしょうか。

僧侶:ふだんは呉音で中国風に棒読みにしているからおわかりにならないのでしょうけれども、ただいまのは和訳のお経を読みましたからおわかりになったのです。

(金次郎は懐の中を探って、銭二百文を出して僧に差し出して言った)

金次郎:寸志を差し上げますので、今、一たびお経を読んでもらえますか。

(旅の僧がもう一度「その時に無尽意菩薩(むじんにぼさつ)、すなわち座よりたってひとえに右の肩をあらわにして・・・」と和訳の観音経を唱えて去っていった。金次郎は大変喜んで、栢山村(かやまむら)の菩提寺、善栄寺の考牛和尚に会って言った)

金次郎:なんと偉大なことでしょう。観音経の功徳(くどく)は。その理は広大無量です。み仏の思いは慈悲をもって人々を救い、世を救い、すべての人々を安んじようとするものです。観音経は、子供であれ、百姓であれ、商人であれ、それぞれの立場でお互いが観音様になって慈悲をもって一切の人々に対し、また動物にも、植物にも対せよ、つまりは私たちに観音様になれよということを教えるものです。私は観音経を聞いて「金次郎よ、観音になれよ」と観音様から呼びかけられたのです。

和尚:私は既に60歳を超えている。長年この観音経を読む事は何百回になるかわからない。いまだにその深理を理解できない。そうであるのに、お前は若いのに一たび観音経を読むのを聴いて無量の深理を明らかに理解した。ああ、菩薩の再来というものであろうか。今、私はこの寺を退こう。お前は、僧となってこの寺を継いで、人々をおおいに救ってくれないか。

金次郎:それは私の望む所ではありません。私は祖先の家を起し、その霊を安んじようとするところで、出家して僧になろうとは思いません。私は百姓ですから一生を百姓で通します。





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最終更新日  2014年10月29日 02時55分10秒



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