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二宮金次郎の対話編講話
　(略)
　その後古本屋で『報徳要典』というルビをふった「報徳記」の原文が載っている本をみつけ、一人で二宮尊徳について研究していたのです。
八年ほど前に、〇〇が〇〇事業所の所長をしていた時に、「事務所の近くに報徳二宮神社というのがあってね、毎朝そこで所員の幸せと水道事業の繁栄を祈って出勤する」と話しました。
「〇〇さん、報徳要典という報徳記原文を載せた本がありますが、一緒に読書会を立ち上げませんか」そう提案して読書会が始まったのです。
読書会の立上げを、〇〇先生にメールすると「何と素晴らしいことでしょう。ぜひ世に広めて下さい」と返信を頂きました。「世に広める？？？」、単なる読書会で、それまでそんなことは全く念頭になかったのです。
〇〇先生は講演会で冒頭まず「はい、分りました」とまず受けることの大切さを説かれます。
「あなた、明日から社長になってください」
「えっ、そんな経験ありません」誰も初めは経験がないのです。
「私にはそんな能力はありません」あなたの能力はあなたがはかるのではなく周りが評価するのです。
そこで「はい、分りました」と、読書会の名称を「二宮尊徳の考えを世界に広める会」として、団体登録しました。
「二宮尊徳の会」というのは、その略称です。

しかし皆さん、「二宮尊徳の考えを世に広める」というビジョンを掲げると、物事がそのように動き出すのです。
読書会のこの体験で、私たちはビジョンを掲げてそれを達成するために努力することの大切さを教わりました。

昨年ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授がアメリカのグラッドストーン研究所にいた時、ロバート・メーリ所長に「伸弥君、君に成功の秘訣を教えてあげよう。それはＶとＷにある。Ｖはビジョン、Ｗはワーク・ハード、一生懸命働くことだ」と教えられます。山中教授は、世界中の難病に苦しむ人たちを救うために、万能細胞を作ることをビジョンに掲げ、努力して成功したのです。

ビジョンを掲げ、一生懸命努力し続ける！

ある意味、ビジョンとは努力するために掲げるのです。

「アンと花子」で、朝市が東京に出ようとする花を励ますシーンがありますね。

「一生懸命やって、勝つ事の次にいい事は、一生懸命やって、負ける事だ」と。

まさしく一生懸命やることこそが、より良い生き方といえるのかもしれません。

それでは二宮金次郎の対話と手紙について話を始めます。