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2015年10月03日
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平成二十七年九月一九日 〇〇センター
五年ぶりに「報徳記」巻の三を輪読する。参加者は5名。「報徳記第三集」は巻の三~五を収録するが、それに応する当時の会報が見つからないため、原文の輪読を校正をかねて行うことにした。全員の参加が喜ばしい。
「九月十一日金曜日、銀座の『梅の花』で今野華都子先生と秘書の〇〇さんに会ってきました。第三集に今野先生の仙台講演録を収録するためです。『序文に代えて』に記したように、本会の名称と最初の本の刊行は今野先生に由来します。『ボーイズ・ビー・アンビシャスシリーズ』には五日市剛先生の「ハイファの出会い」を『ツキを呼ぶ魔法の言葉』から許可を得て収録しましたが、『報徳記を読む』には、今野先生の講演記録を収録し、後の世に伝えたいと思います。会報の第二集、第三集でも今野先生の言葉に触れています」と『序文に代えて』を読んだ後、『報徳記巻の三』を輪読する。全ルビとあって皆スムースに読み進んで巻の四の川崎屋孫右衛門の箇所まで読み進んだ。〇〇が「面白いですね」と感想を述べる。五年前、『報徳記』の原文を読むと「難しい」という感想が多かったが、五年を経て面白いと内容を理解し味読できるようになった。
「巻の三は烏山藩仕法についてです。烏山藩の藩主大久保家は小田原の大久保家と縁続きになります。天保の飢饉に際して飢えた民の救済をしたことから一藩仕法に入りますが、途中で分度を廃止し、農村復興用の資金を藩の運用に使い込み、烏山仕法の推進者・菅谷八右衛門を追放します。佐々井信太郎氏は『二宮尊徳全集』第二十四巻三頁で、菅谷の失脚は分度外の余財を「大阪加番その他の入用にあてんとする藩の財政係の主張に対し」、余財は開発仕法の費用にという菅谷の対立となり、「藩主は分度の制限を排して、菅谷をしりぞけた」とします。しかし報徳記では徹頭徹尾、菅谷の至誠が足らなかったことを理由としています。これは『報徳記』の性質が富田高慶が一藩仕法について相馬藩復興に向けての失敗のケース・スタディというべき性質にあったように思われます。『報徳記』は尊徳が幕府登用後長年にわたって不遇の時代、高慶が幕閣の要人に尊徳という人がいかに優れ、その功績が目覚ましいかを説いたことに由来し、そのため当時の知識人である武士層が感激する武士道的な観点が強調されるようになった。それと同時に相馬仕法で指導者となる高慶が自らの指導者としての心構えに向けての過去の報徳仕法のケース・スタディという性格があるように思われます。ですからどうのようにして仕法が開始されたかに多大の関心があり、また生き生きと描写されているように思われます。」
「今野先生と懇談していたら、話の流れで先生がパーソナリティをしているラジオ番組の出演を依頼されてしまい、先生のオフィスに移動し、収録した。収録前に「簡単な経歴を話してください」「報徳とは何ですか」など簡単に流れを説明され、本番で質問されました。報徳とは何かについて富田高慶が『報徳論』序文で整理した至誠・勤労・分度・推譲の四原理で説明した。真心(至誠)をもって一生懸命働き(勤労)、生活に限度を設け出費を抑える(分度)ならば余剰が生ずる。その余剰を推譲する。推譲には自譲(たとえば自分の老後のため貯蓄したり、子や孫のため教育資金に支出する)と他譲(社会や後世のために推し譲る)がある。他譲は一見その人にとって損をするように見える。そのために報徳を学ぶ必要がある、と『タライの譬え』(向う側へ水を推し譲るとこちらへ自然と戻って来る)と説明し、継続して実行することについて、『おわんの譬え』で説明した。今野先生から『報徳を生活にどのように活用していますか』と問われた。『二宮尊徳の会』が本を刊行し全国の図書館に寄贈していることや、十二月に袋井市で報徳を近代産業に適用し成功させた鈴木藤三郎の『米欧旅行日記』について講演する活動など話しました。報徳記を読む会を始めて五年たって、皆さんは報徳をどのように生活に活用していますかと聞いた。〇〇がユニセフ募金を月々行っていることを挙げた。推譲のうち「他譲」が報徳を学んで実行できるようになってきたといえる。渡邉が「勤労に関する考え方が変わりました。七十まで働きたいと思います」と答える。「森信三先生は、分度と推譲が報徳の特徴といわれますが、勤労に対する報徳の考え方は日本近代資本主義が成立する上で大きな役割を果たしたように思われます。鈴木藤三郎の考えを引きついた荏原製作所の畠山一清氏は藤三郎の言葉を伝えています。『社会は年とともに発展、向上していかなければならない。そのため、我々は後世に蓄積を残さなければならない。我々が生活していくためには、みずから大変な消費をする。その消費を償って、なおかつプラスのものを、後世に残さなければならない。だから朝から晩まで働かなければならない』」
「森町の〇〇さんから西遠連合報徳社が刊行した『遠州報徳の夜明け』を送っていただきました。『付記』に『報徳精神が社訓や社是に反映されている例を挙げてみました』と豊田綱領やホンダ社是、日本楽器(ヤマハ)社訓、三立製菓社是の四つ載っています。遠州報徳の何たるかが感得できます。
豊田綱領「一、上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし。一、研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし。一、華美を戒め、質実剛健たるべし。一、温情友愛の精神を発揮し、家庭的美風を作興すべし。一、神仏を尊崇し、報恩感謝の生活を為すべし。」日本楽器社訓に「工夫改善に志し」とありますが、遠州報徳の特徴の一つは、「研究と創造」「工夫改善」があり、これは安居院庄七が関西の進んだ農業技術を遠州にもたらし、芋こじを通じてその後も進んだ農業技術の導入・共有に勤めてきた伝統によるもののように思われます。ホンダと三立製菓の社訓は尊徳の「売って喜び買って喜び」に基づいています。報徳は現代日本の企業家の遺伝子として脈々と受け継がれているのです。」





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最終更新日  2015年10月04日 00時31分50秒



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