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2016/4/21神戸新聞NEXT

三田で広がる支援の輪　学校で募金、市は派遣準備

　熊本地震の被災地を支援する動きが兵庫県三田市内で広がっている。学校では生徒会が募金活動を開始。市は被災者に対する市営住宅の提供を決めたほか、要請があれば被災地に職員を即時派遣できる態勢を整えた。一方、５月に長崎県への修学旅行を予定していた４中学校が計画変更を迫られ、市議会が九州視察を中止するなどの影響も出ている。（山岸洋介、神谷千晶）

　狭間中学（狭間が丘４）では２１日朝、生徒会が募金活動を始めた。登校中の生徒や教職員に正門前で協力を呼びかけ、初日は約８千円が集まった。

　大型連休前の２８日まで毎朝行う予定で、役員１２人が交代で担当。寄託先は検討中で、生徒会長の尾松茜さん（１４）は「少しでも役に立ちたい」と話す。

　三田祥雲館高校（学園１）の生徒会も２１日、全校生に呼び掛けてクラスごとに募金を集めた。支援物資として未使用のタオルや日用品、避難所で過ごす子ども用の遊び道具も校内で募っている。

　　　◇　　◇

　市は２１日朝、森哲男市長をトップとする災害等支援本部の初会議を開いた。被災地に職員を派遣する意向を県に伝えるとともに、派遣可能なメンバーの人選を進めた。市危機管理課は「県からの具体的な派遣要請に備えたい」としている。

　被災者に提供する市営住宅は３ＬＤＫが２戸、２ＤＫが１戸、１ＤＫが１戸の計４戸。自宅が全半壊した被災者が対象で、光熱水費と共益費のほかは無償。期間は原則半年だが、事情に応じて延長できる。

　　　◇　　◇

　一方、市議会の生活地域振興常任委員会は２０日、視察のため５月１１、１２日に予定していた福岡県内への訪問を中止。行き先を福井、金沢市に変更した。

　大分県の別府市、豊後高田市を５月１２、１３日に訪れる予定だった福祉教育常任委も２１日、視察先の変更を決めた。市議会事務局は「復旧、復興の妨げになると判断した」と説明している。

　また、２泊３日の修学旅行で長崎を訪れるはずだった４中学校のうち、１８日に出発予定だった上野台中は１０月に延期。長坂、富士、ゆりのき台の３校も日程、行き先の変更を検討している。