テーマ:★留学生活★(629)
カテゴリ:留学-学習編
留学して最初の学期になんと言ってもビビるのはディスカッションの風景。
ディスカッション、に限らず、普通の講義でも、教授に食ってかかる生徒がいるのにはたまげた。 授業に慣れておらず、内容も目新しいことばかりなのに、課題図書の内容や教授の意見に対し「そんなのはおかしい。俺はこう考える」と先を争って発表する学生が、自分よりずっとオトナで、頭がいいように見えたものだ。 でも、これは、考えてみると頭の良し悪しとはそれほど関係ない。 日本の授業は、教えられたことを正確に暗記してテストの答えとしなければいけないから、学んだことを批判する、という訓練がほとんどなされていないのだ。 これに対して、アメリカの社会は、常に自分が正しいことを主張しなければ(たとえ正しくなくても、または知らないことに対してでも)「負ける」世界。自分が目立つために他人をこき下ろす、という風潮は、選挙なんかで一番顕著に現れている。 (じゃなかったら、親の注意を引こうと利巧ぶる兄弟を想像してみると、結構類似点がある) 授業やディスカッションの数をこなすと、発表者が本当に優れた意見を持っているのか、ただ他人のあら探しをしているのかが分かるようになる。自分の意見では、あら探しする人のほうが断然多い。 そういう人が多くなってくると、ディスカッションも、「みんなの意見を統合して一つの結論を見出す」という目的を外れ、単に発表の競い合いになる。こうなると、あまり建設的な授業にはならない。 こういう競争心丸出しの輩と競い合うのはいやだけど、自分も討論に参加したい、と思ったら、一歩下がって冷静に議論されている内容を吟味し、そもそもディスカッションの目的がなんなのかをよく理解したうえで、そのラインからぜんぜんずれている生徒に対して「でも今話し合っているのは○○だから、そこの点に戻ってみようよ(その点についてはどう思っているの?)」と、軌道修正をする役を買って出ると良いかも。これは、独自の意見をとっさに出すのが苦手な自分が、ディスカッションのクラスで点数稼ぐのに有効だった。 後は、自分が勇気を出して発言した意見を頭ごなしにけなされてもめげない。しっかり考えた意見なら、堂々としていれば良いし、自分ではその日1日寝込んでしまいたいショックを受けても、批判した本人さえ授業が終わった瞬間に忘れてしまうことが多いのだから。 ディスカッションは難しい。でも、自分で「クラスで一回」とかのノルマを決めてマイペースでやっていけば、そんなに恐ろしいもんでもない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.04.08 20:12:41
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