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2017.05.22
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カテゴリ:シナリオ

仲良し3人組が住む動物村が、今朝から時おりドコドコっと音がして揺れるという異変が
起きています。住人たちは不安そうに広場に集まり長老を囲んでいます。

長老 : こんな地響きのような揺れは初めてじゃ。人間たちの中には地面の揺れは、地
     中に住む大ナマズが暴れているからだと言う者もいるようだが、本当かどうか
     は分からない。今、みんなで手分けして揺れの元を探しているところじゃ。

ミミ : 本当にこの下で大ナマズが暴れているの?信じられないわ。

コン太: それにしても変な揺れだね。早く収まるといいな。

ポン吉: この揺れがこれから大きくなったら、動物村はどうなっちゃうんだろう。

長老 : ワシにはこの地響きはどこかで大きなものが、暴れているように思えるのじゃ。
     それで、みんなに探してもらっているのだがまだ報告が入ってこない。

話を聞いて、ミミが何かひらめいたようです。コン太とポン吉を呼び耳打ちをしました。
話し終わると3人でガッテンポーズ。そして長老に伝えました。

ミミ : 私たちも手伝う。滝つぼに相談相手がいるの。きっとこの揺れの原因を教えて
     くれるわ。

長老 : 相談相手って誰だ?なぜ滝つぼなんだ?お前たちには不思議な能力があること
     は認めるが、しかし、本当にこの地面の揺れを抑えられるというのか?

ポン吉: 長老、大丈夫だよ。うまくすると揺れは収まるよ。

コン太: ミミの言う通りだ。ナマズのことはナマズ大王に聞くのが一番だ。急ごうぜ。

仲良し3人組は大滝の滝つぼに住むナマズ大王のもとに向かいました。3人組が滝つぼに
着くと、滝つぼの水が濁っていて大王が苦しそうに、時おり尾ビレを叩きつけています。
そして、ナマズ大王が暴れるたびに地面が揺れました。

ミミ : 大変だ。ナマズ大王さんが苦しんでいる。見て、滝の上から流れる水がチョロ
     チョロよ。大王さん、どうしちゃたんですか?私たちよ。すぐに助けるわ。
     どうしたらいいの?

大王 : 仲良し3人組が来てくれたのか。助かったぞ。滝の水が昨日の夜から急に細く
     なってしまったのじゃ。滝の水がどうなっているのか様子を見てきてくれ。

コン太: 俺が滝の上を見てくるよ。待ってね。

暫くすると、コン太が戻ってきました。そして、滝に流れ込む川が土砂でふさがれてお
り、川の流れが変わっていることを知らせました。緊急事態です。3人組は相談し、ミミ
の提案で同じ水の精であるカッパの川太郎に応援を頼むことにしました。

ミミ : コン太さんは家からカッパの旗を持ってきてね。私たちは先に橋へ行って旗を
     立てる穴を掘っている。カッパの川太郎さんならきっといい考えがあるわ。

コン太: 分かった。あの旗を立てれば川太郎は必ず来ると約束してくれたものな。

ポン吉: きっと、川太郎ならナマズ大王の大ピンチを救ってくれるよ。急ごう。

ミミ : ナマズ大王さん、しばらく辛抱してね。絶対、助けに戻ってくるからね。

3人組は大急ぎで村に戻り、ミミとポン吉は動物広場を通る川に着くと、橋の袂に穴を掘
り始めました。暫くすると、旗を持ったコン太が走ってきました。

ミミ : コン太さん、早いわね。この穴に差して。みんなで川太郎さんを呼びましょう。
     カッパの川太郎さん。早く出てきて。助けて欲しいのよ~!

川太郎: もうここにいるよ。どうしたんだい。僕は今朝から動物村が変な揺れ方をして
     いることに気付いて、様子を見に来ていたんだよ。

コン太: 近くにいてくれて良かった。その揺れの原因が分かったんだ。詳しいことは大滝
     の滝つぼへ行く道で話すから、すぐに俺たちと一緒に来てくれないか。

川太郎: ちょっと待って。滝つぼって山の上だろう。俺は陸の上を歩くのは弱いんだ。君
     たちに出会ったのだって、道を間違えて脱水症になっちゃったからだからね。

ミミ : そうだったわ。でもこの川は滝つぼから流れ出る川とは直接繋がっていないのよ。

コン太: 俺たちが連れて行こう。脱水症の時に運んだように葉っぱタンカーを作るんだ。

ポン吉: それがいい。ミミは水筒を作って、時々川太郎の頭に水を掛けてやってくれ。

ミミ : 分かった。川太郎さん、暫く苦しいけど我慢してね。

川太郎: みんながこんなに協力してくれるなら、やるしかないな。

急ごしらいの葉っぱタンカーに川太郎を乗せた一行は、山道を登り滝つぼへ急ぎました。

川太郎: ナマズ大王さん、カッパの川太郎だよ。事情は3人組から聞きました。これから僕
     がきれいな水がある川まで運ぶので安心してください。

川太郎は滝つぼの水を手で汲み上げると頭のお皿に入れ、ぺちゃぺちゃと叩きました。する
と、飛び散った水滴が一つ又ひとつと川太郎に変身したのです。こうして生まれた川太郎た
ちが肩を組み合い、大きくて広い川太郎の肩組みイカダができました。そして、滝つぼに入
るとナマズ大王の体の下に潜り込んで、ナマズ大王をすくい上げました。

ミミ : すごい。ナマズ大王が持ち上がった。数えきれないほどの川太郎さんがいるけど、
     本物の川太郎さんはどこにいるの~。返事をして!
     ヤダ~、全員が手を挙げたわ。

川太郎: もう大丈夫だよ。これから大王を運ぶぞ。

大王 : 仲良し3人組よ。よくワシを助けてくれた。ワシが滝つぼの水の濁りで、苦しくて
     暴れたから、動物村の地面が揺れたのではないかな。ワシがいなくなればもう揺
     れはない。安心してよいぞ。

ポン吉: カッパの川太郎は何にでも変身できることは知っていたけど、まさか自分をいっぱ
     い作れるとは思わなかったな。

コン太: ナマズ大王も水の精なのに、大王はどうして変身できないの?

大王 : ワシが大王だからだ。大王が勝手に変身すると困る者が大勢いるのじゃ。だからワ
     シは変身できない生き方をしておる。新しい水の流れが生まれて、この滝が元に
     戻ればここに戻ってくる。それまで暫くの間、引越しじゃ。さらばじゃ。

全員 : きっと戻ってきてくださいよ。川太郎さんお願いしま~す。

3人組はナマズ大王を見送ると急いで村に戻り、長老にもう地面の揺れは起きないと伝えまし
た。3人組の活躍で動物村に落ち着きが戻りました。





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最終更新日  2017.05.22 07:58:24
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