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テーマ:野鳥好きっ♪(15911)
鳥友から夜行性フクロウ類コミミズクなどは車の往来の激しい環境草原と 往来の激しくない環境で、採餌行動に差があるのだろうかと質問をもらいました。 文献を調べてみると、つぎのような報告がありました。 (1)国内での調査報告 北海道大学大学院農学研究院、国立研究開発法人森林総合研究所、カリフォルニア・ポリテクニック州立大学の共同研究チームが2014年12 月~2015年3月に北海道勇払原野と宮城県仙台平野のフクロウ類の越冬地103 か所でフクロウ類が人工音声を探知する確率に交通騒音が及ぼす影響を調査したことを報告しています。 その結果、40~80dB(静かな住宅街~電車内の騒音量に相当)の交通騒音の存在 下で17~89%低下し、フクロウ類の採食効率は道路から120m 以内の範囲で低下すると推定されたと述べています。 交通騒音の影響はフクロウ類の採食効率に影響を与え、従来考えられていたよりも広範囲(道路から120m)に及ぶことを示していると指摘しています。 (引用文献) 北海道大学・森林総合研究所.2016. 野生動物への見えざる脅威:交通騒音がフクロウ類の採食効率へ及ぼす影響を 世界で初めて解明.北海道大学プレスリリース.2016年9月20日. (2)海外での報告 https://www.jwc-web.org/ ケンブリッジ大学の動物学者アダム・ベント博士は、何十万年もの間行われて きた仲間同士のコミュニケーションに、交通騒音が大規模な混乱を引き起こして いること、長期的に多大な悪影響を及ぼす恐れがあると警鐘を鳴らしています。 また、イギリスのケンブリッジ州のアングリア・ラスキン大学のソフィー・モウルズ博士からは人為的な騒音の発生は、環境の特性を絶えず変化させているとの発言があり、騒音は生物環境に関わる深刻な問題と報じています。 交通騒音をゼロにすることは困難ですが、路面や車のタイヤのデザインを変える など騒音を低減させるための研究の余地があるようです。 (写真)いずれも流山市西深井で撮影。2012年から2015年(現在は物流団地で越冬地は消失)
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最終更新日
2023.01.16 18:51:44
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