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2008.04.25
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カテゴリ:let me sleep beside you
あの日、俺が、ミリを助けられたのは、ほとんど偶然だった。

地方のロケが、現地悪天候で中止になり、飛行機に乗らずに、
突然、スケジュールの空いたみんなで、飲みにいった。
最終的には、そのうちの1人の家で、雑魚寝って感じになった。
随分飲んでいたし、ヒロトが死んでからこっちの寝不足のおかげで、強烈に眠かったし、
もちろん、地方で泊まりの予定で帰れないって事で、
ミリにはナギコをつけておいたから、
俺も、そのまま泊まってもよかったんだ。

ただ、

何かが、俺を呼んだ。

強烈な胸騒ぎが俺を襲った。

だから、俺は、突然立ち上がり、
驚くみんなにロクに説明もせず、
慌ててその部屋を飛び出した。

タクシーに乗り、ジリジリとしながら、マンションに向かう。
ナギコに何度か電話するが、出ない。
ミリにも電話するが、電源が切られている。

俺は、恐ろしいほど嫌な汗をかいて、やっと部屋にたどり着く。

そして、ドアを開けたときに見えたのは。

今、まさに、輪にしたロープに首を突っ込もうとしている、ミリだった。

「ミリ!よせっ」

信じられないほど、切迫した声が自分の喉から吐き出される。

ミリは、驚いた拍子に、あろうことか、バランスを崩し、イスを蹴ってしまう。

俺は、それこそ心臓が止まりそうになる。

ミリの首がロープにかかり、体が吊られる。

信じられないほど長く感じた一瞬。

・・・

で、

その後、

何が起こったかって?


・・・落ちたんだよ、ミリのヤツ。

ロープごと床に。

・・・・ロープくらい、ちゃんと結べないわけ?

って、つい、思っちゃったよ、俺。

そこまで、思い出して、なんだか、ふっと笑ってしまう。
いや、もちろん、決して、笑い事なんかじゃなかったし、
その後、ミリが、落ち着くまで、大変だったんだけど、それでも、やっぱり。

そんな、遠い日のミリの自殺未遂。

あの日ほど強烈ではないけれど、
やっぱり重なる胸騒ぎ。

俺はまさか、と思いながらも焦って、部屋に入った。
静かに、でも、相当慌てて、寝室に向かう。

そして、ベッドの中に、ミリの安らかな寝顔を見つけてほっと息をつく。

だけど、ほっとしたのもつかの間だった。

その後で、俺は、やっぱり、見たくないものを見てしまったんだ。


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最終更新日  2008.04.25 06:29:18
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