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ケースケとヒイラギのメールの仲介を終えてからも、私はヒイラギにメールする。
ミリ→ヒイラギ: 私もできたら、ケースケの気持ちにこたえたい。でも、何がハッピーエンドなのか、私たちの場合、単純には分からない感じがする。。相手のために、別れを選ぶ、って選択肢もあるよね? ヒイラギ→ミリ:相手の為に別れを選んだ方がって思ってる事が…時に本当に相手の為になるとは限らないよ。そういうのはたいてい相手の為にって言いながら本当は自分の為に、自分が傷付かない様にする為に別れを選んでいるに他ならないよ?そして後で酷く後悔するのは自分自身。ミリ、始めるのは難しいけど別れを選ぶのは簡単だよ。別れたり離れたりするのは正直いつでも出来るだから難しいけど逃げずに始めようとする方を選ぶのがいいと思う。それでも、どうしても無理なら別れたり離れたりすればいい。彼を愛しく大切に思うなら始めるのが最良の選択肢だと思う。まだ始まってもないのに今からハッピーエンドを求めてどうする。付き合い始めや結婚はハッピーエンドではないよ、あくまでもスタートラインだ。二人が別れず愛し愛されて人生をまっとうした瞬間がハッピーエンドだ。ミリ、スタートラインを見よう?彼はいつだってスタートラインで、ミリの手を引こうとしているよね。真っ直ぐで優しくて、微笑んで、ミリを見ている。ミリは?その手を取りたくないの? ミリ→ヒイラギ:ヒイラギ~、ヒイラギの言うとおりなんだよ。分かってる。分かってる。分かってる。私だって、ケースケのこと、大スキなんだよ~。ケースケの腕は優しい。抱かれて眠ると、本当に、安心して眠れる。私をずっと待っててくれる。いつも優しく見守ってくれる。今も、私が、こうしてるのを、気にしながらも、何か本を読みながら、何も言わず待ってくれてる。だけど、何かが私を引き止める。それが何かわかんない。ケースケは、ためらいのない愛情をくれる。私はためらってる。そのことを、すごく、申し訳なく、思うんだ。 ヒイラギ→ミリ: 何で?何でためらうのが申し訳ないんだ?それは判らない。彼だって表にためらいを出してないだけかもしれないよ。ミリ、愛にためらいがないなんて事はないよ。いつだって誰かを愛する時は大なり小なりためらっているんだよ。それを表に出さない人もいれば、それに気付いてない人だっている、そして、ひろの様にためらっているのに気付いて全面に出してもがいている人だっている。そして、ためらっているのを全面に出してもがいているんだ、と気付いてくれている彼がいる。それの何がいけない?ためらうのも愛だよ、ミリ。 ヒイラギのまっすぐで温かい言葉に触れ、私は、ケースケに聞いてみた。 「ねえ、ケースケ。ケースケ、私に愛してるって言ってくれるけど、、ケースケの中に、、ためらいは、、ないの?」 で、その答えは。 「ためらい?ないわけないだろ?ミリはヒロトの恋人だったんだから。だけど、ためらった上での俺の答えはとっくに出てる。ミリを失う以上に怖いことはないから。俺は、ミリが、ためらってるのも分かってる。だけどそのためらいの先に、俺と同じ答えを見つけてくれるのを待ってるだけだよ」 だって。。 また本に目を戻したケースケを見つめながら思う。 一体いつのまに、こんな男らしいセリフを吐くようになったのかな。 ヒロトからの愛の形とも、ヒロトへの愛の形とも違う。 同じ答え。 見つけたい。 私だって。 こんなにこんなに愛しているんだもん。 でも、今も、私は、戸惑ってる。そして、ためらっている。 ケースケと、ヒロトが兄弟であることに。 このとまどいも、ためらいも、洗い流される日がくるかな? それとも、もう、このまま、ケースケに抱かれるべき? って、誰に聞いてんだろ。 自分で決めることだよね。 ケースケを失うのは怖い。 死ぬほど怖い。 だけど、ずっと、失うのが怖いって思い続けるくらいなら、 いっそ失ってしまえば、怖がらずに済むって思ったりもする。 これって、酔ってるから? ケースケに言ったら、きっと、怒るよね? あの日から、ずっと添い寝は、してもらってない。 隣の布団に眠るケースケの寝顔を眺めながら何度も思ってきた。 ケースケ、待たせてばかりで、ごめんね。って。 しばらくして、ケースケは、読んでいた本を置き、そっと近寄ってきて、いつものように囁く。 「ミリ、愛してる」 「・・・・」 じっと見つめる私に、 「なんだよ?」 「これって毎日するの?」 「ああ。毎日言いたい。できたら、、、、死ぬまで」 と、言いたいことだけ言って、寝室に入っちゃった。 あ~あ~あ~、どうしよう。 ケースケ、私だって、愛してるよ。 私に、ケースケの手をとる資格はある? ボトルに残ったワインをグラスに注いで、一息に飲み干してから私も立ち上がる。 1人のベッドとケースケの布団、 どっちに入るかは、、、 歯磨きしながら、考えよう。 ・・・ そして、いつもより、丁寧に、歯磨きをして、考えた後、 私は、寝室に入り、 ・・・ ケースケの隣にそっと、滑り込んだ。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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