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カテゴリ:blue night
「だって、お母さんも言ってました。好きな人とのHって最高なんでしょ?」
ったくチヤのヤツ、娘になんてこと言ってんだ。碓氷は心の中で毒づく。 「。。。いや、ま、、そりゃそうだろうけど。だったらなおさらちゃんと好きになった相手に」 唖然とする碓氷に、蒼夜は首をふり、 「ううん、だって20年も好きになれる人がいなかったんですよ。だから、逆の発想で、Hして最高な人がいたらその人を好きになれば間違いないって。手っ取り早いかなって。でも、なかなかいないわ。・・・そんな相手って、私にも本当にいるのかしら」 碓氷はあきれて言う。 「あのなあ、、Hなんて、そりゃ好きな相手とするのが最高だろうけど・・」 「けど?」 「Hだけうまいヤツだっているぞ?Hの相性ってのもあるし」 「え~?最高のHって、人生でたった1人の相手とだけじゃないんですか?」 「ああ。体だけで、、愛情に繋がらない相手でも、体の相性がよければ、気持ちよくて最高なHができることはあるよ」 「・・そんなの信じられない。・・・少なくとも、今までにはいなかったわ」 「全然。。。その、、よくなかったの?」 「はい。全く。つまんなくて」 「じゃあ、なおさら、やめろよ」 「やめませんよ。やめたら出会えないじゃないですか。」 碓氷はため息をついて、 「あのさ~。。蒼夜ちゃんはそのつもりでも、、相手は。。そんな、出会い系で出会って、体から始まる関係で、、、その先に愛を求める男なんているとは思えないな。」 そういってやると、黙って口を尖らせる蒼夜に、碓氷は言う。 「じゃあ、僕とも寝てみる?最高のHしてあげるよ。だてに浮名を流してきたわけじゃない」 蒼夜は、にっこり微笑んで、 「もちろん、今夜はもうそのつもりよ」 父親じゃないことわかったら何も障害はない、蒼夜は思う。蒼夜のあまりに落ち着いた反応に、 「全くとんだお嬢さんだな、キミは」 あきれたようにつぶやく碓氷に、蒼夜は、ふっと笑う。碓氷が、 「何?」 と尋ねると、蒼夜はにっこり笑って、 「碓氷くんこそ。全くお母さんの言うとおりね。ほんとに、ひどい男っ」 碓氷は、蒼夜を真剣な目で見つめて言う。 「ひどい男って言われてもいいよ。千夜にぶっ飛ばされてもいい。でも、そのかわり・・」 「?」 「そのかわり、僕とのHで最高に感じたら、僕の言うことを納得するんだよ?」 「・・Hだけ気持ちいいってことがあるってこと?」 「そういうこと。僕はキミを愛してもいないし、二度と誰も愛することもない。でも、キミを気持ちよくはさせてあげられる。それが分かったら、もうこんな真似はよして、真面目に心から始める恋愛を探すんだ。だれかれかまわず寝るのはやめること。いいね?」 「は~い。だけど・・」 「ん?」 「いえ、、、行きましょ。」 立ち上がりながら蒼夜は想う。碓氷の忘れられない恋を思えば、そして、2度とダレも愛せないと言い切っている碓氷の心を思えば、、もしかして、あなたが私のたった一人の相手だったら?なんて聞けないよね。。そう、今夜は。。この人かも知れない、、なんて思わないようにしなくちゃいけないんだ。 ←1日1クリックいただけると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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