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『・・・ね・・・、気持ちい?』
俺のをしっかりと握り締めて、ぎこちなく手を動かしながら、上目で、不安げに、恥ずかしそうに問いかける妄想のミリに俺は微かにうなずく。 ・・・・閉じた目の裏でそんなシーンを思い浮かべながら、俺はゆっくりと手を動かし続けていた。 ゆっくりと。 少しでも刺激が増すとすぐに終わってしまいそうで。 いや、もちろん。 今、満足させるべきは俺自身だけなんだから、ガマンする必要だってないんだけれど。それでも、やっぱり。すぐに終わってしまうのは、、 もったいない。 そんな気持ち、、というか、気持ち、よさで。押し寄せる快感の波が高まると、俺は、左手でつかんだミリの右手の甲に、頬ずりしてしまったり、たまらず、唇を這わせたり、さえ、した。時々、薄目を開けて、ミリが、ぐっすりと眠り込んでいるのを確かめながら。 『・・おっき・・・』 俺のものの真正面にしゃがみこんで、うっとりとした目つきで、そんな嬉しいことを独り言のようにつぶやいたカノジョは、さっきまでの恥じらいはどこにいったのかと思うようなエロイ目つきで俺を見上げてから、目を閉じて、唇を這わせる。 ・・・うぁ・・・・ 妄想のミリの行為にあわせて、俺は手を触れるか触れないかの状態にする。やがてカノジョが舌を絡めだすと、指も同じように緩やかになぞらせる。だけど、もはや俺の手の動きなんてほんの些細なことでしかなく、それ以上に、妄想のミリが見せる大胆な行為と、エロイ顔つき、それだけに、俺はどんどんMAXに向かって引き上げられていく。 ・・・く・・・ちょ、よせって 俺は閉じたままの右目をさらにぎゅっと瞑って顔をしかめる。自分の脳内にいる妄想のミリ、なのに、制御できないほど、カノジョはどんどんエロくエスカレートしてくんだ。だからって、このままイかされるのは、 くやしい。 俺は自分のタイミングをなんとか取り戻すために、こんどは自分で動かす自分を妄想する。思いっきり奥まで。本当のミリ、ちっちゃいミリの口にはかわいそすぎてできないこと。なのに、妄想のミリはへっちゃらで受け止めている。だから、もっとイジメたくなる。1人で、いや、あるいは、妄想のミリとの行為の最中に、MAXに近づいた時の俺は、本物のミリとするときより、もっとただのオトコになっている。本物のミリとの行為の最中にあるような穏やかな愛のやりとりや、大切な思いやりの交換なんて皆無に近い。 だから、今日も。 そのまま妄想のミリに、ただ欲望をぶつけようと、カノジョの体勢を後ろから入れるように変えさせる。そして、しっかりと自分の右手に力をこめた。 その瞬間。 唇に唇の感触。吸い付かれるようなキスの感触。 ・・・どうなってる?妄想のミリは、今、向こうを向いているのに・・・。・・・・って、・・・本物のミリっ?!・・・ 俺は、その唇の持ち主と、逃げも隠れもできない自分の状況に同時に気づいて、右手から力が抜けた。と同時に、離れていく唇、いや、カラダごと遠ざかりそうなミリの気配に焦って、だからってまさか右手を使うわけにはいかず、一瞬で汗ばんでしまったつないだままだった手を外し、ミリの背中を探して抱き寄せた。抵抗は、ない。それでも、目はとても開けられる勇気がもてないまま、ただ、俺が伝えられた言葉は、 「ごめん・・」 その言葉だけ。 ガマンするって、できるって、愛してるからって、約束したのに、いきなりこんな行為に及んでいた俺にきっと、傷ついているはずのミリ。いいわけも何も思い浮かばない。ただ、謝罪だけ。 すると、ミリが、耳元で。
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