仔猫の悪戯
ベッドの中で薄目を開けて仔猫が近づくのを確かめた寝息を装い無防備な表情を晒して様子をずっと伺っていたのだ仔猫は前脚で口を塞ぐ素振りをしたがためらって頬をそっと撫でた2回、3回と撫でているうちに研ぎ澄まされた爪を軽く引っ掛けた俺は少しだけヒリヒリして顔を歪めた爪を引っ掛けたことを知ってか知らずかそっと俺から離れて窓のほうへ歩いた窓辺の桟に乗っかって外のほうを向いたきっと月が昇っていたのだろううっとりした横顔で佇んでいた見とれているうちに俺は本当に眠った驚かそうとして寝ているフリをしていたのに闇に光る二つの眼ですべて見抜いていたのだろう今思えば仔猫の無邪気な悪戯はあたかも俺を試すようだった