明治天皇御製10 巌上松
今日は、現在明治神宮にお祀りされている明治天皇が生前にお詠みになられた御歌を紹介します。日本人のあり方、生き方、今私たちが忘れかけている大切なものを、日本語という最も洗練された言語で表現されています。きっと御歌にふれることで心に何かしら感じていただけると思います。巌上松(がんじょうのまつ)あらし吹く世にも動くな人ごころ いはほに根ざす松のごとくに注釈:巌上松ー岩の上に生えている松。 いはほーいわお。大きな石。 根ざすー根をしっかりとつけている。訳たとえ、どのように嵐が吹きすさぶ、はげしい世の中の変動に会っても、あの巌の上に、どっしりと根を張っている松の大木のように、しっかりとした信念を持って、心を動揺させてはなりません。解釈世の中は、いつも平穏無事ではありません。お互の生活でも吉凶禍福は次々と起こってきます。このような社会に生き抜くためには、常に修養につとめ、巌上の松のように、不動の信念の根を養いましょう。参考文献 『大御心』