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カテゴリ:小説
夜景に見とれていると、
羽鳥くんがふと、つぶやいた。 「中学校の卒業式のこと、覚えてる?」 私は、内心「うわ~核心をついてきたよ」と焦った。 「う、うん、覚えてるよ~ハハ」と、苦笑いで返した。 「あのとき、お礼だけ言って走ったじゃん。 もらわれて、結構、嬉しかったんだよ。 その思いを伝えようと、手紙でも書こうか電話しようか 迷ったのだけど、やっぱ恥ずかしくてねぇ。青春だったなぁ」 「そうなんだ~」私は、ホッと一安心した。 何か不審に思われていないか心配だったからである。 「第二ボタンの始まりって、知ってる?」 と、羽鳥くんが尋ねてきた。 「学生服の二番目のボタンなのは、その人の心臓、 つまり、心に近いからでしょ」と私は、答えた。 「そうらしいね~今から話すことは一番最初に、 第二ボタンをあげた物語だよ」と彼は教えてくれた。 「へぇ~ぜひとも、知りたいなぁ」 私は、特に疑問もなく興味がわいてきた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年11月24日 13時10分28秒
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