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カテゴリ:小説
「そっか。それなら、この授業がんばろうね。
私も、何かしらできることがあったら協力するよ」 なんだろう、シリアスな話をしていたのに、 私は不思議と嬉しかった。目標が見つかったからだろうか。 それとも、何かに直向に頑張る人を目の当たりにして、 元気をもらったのだろうか。 いずれにせよ、どこかポジティブな気持ちだった。 「ありがとう」彼はニッコリと微笑んだ。 「ねぇ、第二ボタンを渡した男の人は故郷に帰って、 恋人を幸せになったのなかな」 彼も、ちょっと楽しそうにして尋ねてきた。 「うーん、帰ってきたと思うよ。うん、帰ってきたさ」 私は、根拠がないのにもかかわらず、自信ありげに答えた。 「そうだよね。帰ってきたよね」 彼にとっても、期待通りの答えが帰ってきたようだ。 「寒いね、そろそろ帰ろうか。」と私が切り出した。 すると、「一緒に帰ろうか、まだまだ、話し足りないし。 あとさ、もうすぐクリスマスじゃん。二十歳にもなったし、 そろそろ、一緒に過ごす人がいたらな~なんて」と、 羽鳥くんが誘ってきた。 「そうだね~その前に授業の発表でしょ」 あいまいな返事だな、自分でも恥ずかしい返事だった。 第二ボタンを最初に渡した男の人は、恋人と幸せになっただろう。 そうでなかったら、現代まで言い伝えられないはずだ。 なぜ、現代まで伝わったのだろう。 それはきっと世界が平和になるために大切なものが あるからなんだと思う。 おわり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年12月25日 17時46分56秒
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