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かめどら居候日記

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2011.02.20
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カテゴリ:映画
「ヤマト」以降も何本か映画を観ました。

まずは、「冷たい熱帯魚」。

「愛のむきだし」の、園子温監督の作品。

いつだったかの愛犬家殺人事件から着想を得た映画。R-18。

当時のより大きな事件の影に隠れてしまったのか

事件については詳しくは知らなかったんですけど

少し前にラーメン屋だかどこかにあったマンガ本で

「ボディーを透明にする」

「もし殺人オリンピックがあれば、俺は金メダル」

という犯人の言葉を知って、そんな凄惨な事件があったことをずいぶん後に知りました。


個人的に印象的だったのは、劇中の犯人村田が主人公の社本に語りかける演説。

でんでんさん扮する村田、「うわ、こういうおっさんいるよ」とおもわず呟いてしまう人たらし。

http://www.youtube.com/watch?v=9Weom7TV_OA&sns=em

その人たらしの村田が、小市民社本を犯行の共犯に巻き込んでいく時の言葉。

その多くは人殺しの勝手な詭弁なんだけど、所々妙に正鵠を射ているというか

主人公社本の最も痛いところを突いてくる。

「おめーみてぇに善良そうにしてる奴が実は一番性質が悪いんだよ!」


なにしろ、人を毒殺して解体するわけですからグロいわけです。

地上波で放送されることもないでしょう。

グロいけど、今おもえばこの映画の主題はたぶん父。

よく文学の題材になる社会の気圧としての父なるものではなく、生物学的な父。

劇中で死体を解体する山奥の家は、かつて村田が父からせっかんを受けた場所であることが

仄めかされる。

「えれぇ目に遭っちまってよぉ・・・」と村田が呟く場面があってそれがわかる。

後妻と結婚したことによって、娘が非行に走っていることを止めることもできない社本。

そこにいなくとも、いつも父の監視の目に晒されているかのような社本の臆病さは

かつて、父に従順で逆らうことができなかった村田自身のように映り

社本に対して挑発的な言葉を吐かせているようにおもえた。

妥協のないグロテスクさは、子の人間性を決定的に損なう父とか家族制度への

批判の強烈さの表れ。

物語の終わらせ方は、この映画をよくある家族愛あたりへ回収される

のを強く拒否していることの表れではないかと。

「この素晴らしき世界」という副題からは

「そっちと話し合う余地はまったくないから」という監督の声が聞こえてきそうです。

なんにせよ、わたしには鑑賞に堪えうる北限ぎりぎりというか極北の強烈な映画でした。

http://www.coldfish.jp/index.html

何度も観たいとは今はおもわないけど、DVD出たら借りちゃうんだろうなぁ。





「ヒアアフター」。

スピルバーグが、是非にもとクリントイーストウッドに監督を頼んで作られた作品。

幼少時の大手術の影響で、「あの世」と交信する能力がある主人公。

東南アジアの津波で死の淵から生還し、「あの世」を垣間見たフランス人女性。

一卵性双生児の兄を事故で亡くし、薬物依存の母をもつ英国の少年。

この三者の人生が終盤にロンドンで交差する。

津波だの臨死体験だの霊能力だのが出てきますが、スペクタクルな映画ではなく

つらい出来事から再生していこうとする人を励ますドラマ。

静かで穏やかに、でも確かに励ましてくれる感じは、「おくりびと」に通じます。

「Go ahead. Make my day.」

とマグナム構えながら決め台詞ですごんでいたハリーキャラハン刑事も

けっこうなお年になりましたから、人と人生を見る眼差しがどこまでも優しい。

「冷たい熱帯魚」の後の口直しにはぴったりでした。




「キック・アス」

アメコミっぽい佇まいだったので、敬遠していました。

つまらない予断と偏見でした。反省。

アメコミヒーローが題材なのに、R-15である点でアメコミ映画ではないことに気づくべきでした。

むちゃくちゃおもしろい。痛快。最高。

これはブルーレイ買わなきゃ。

一応、コメディに分類されているようですけど、そんな「おっさん古いよ」の枠に収まらない。

第一、コメディがR-15になるわけないし。

「前衛的だとか深遠な意味だとか、ああでもあり同時にこうでもある物語構造だとか

そんな小難しいものはてんでしゃらくせぇ、映画は評論家のおもちゃじゃねぇんだよ!」

そう、うなってしまうおもしろさ。

クリストファー・ノーラン監督のように、今まであまりなかった

ところから題材を引っ張ってこなくとも、今までのものを組み合わせて

余計なものを削ぎ落とし、ソリッドにするとこんなにおもしろくなる。

日本映画も、まずはおよそ映画と合わないエンディングの歌を削ぐところから始めないと。

「ヒアアフター」もそうですけど、この「キック・アス」も予告編が本編とは

イメージが違う気がするのでURLは貼りませんが、この映画はおすすめです。








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最終更新日  2011.02.21 01:30:44
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