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貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2020.01.01
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カテゴリ:作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、すくすくと育った。長野高校に進学し、2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会に参加した。2か月後頃、突然、小平由樹枝と付き合っているか? と怖い先輩に言われる。その噂の理由は、由樹枝が言い寄る男達を避ける為の口実であったのである。翌年冬、その由樹枝から手編み手袋を貰う。手紙のやり取りの後、2人の仲は、デートするまで進展する。春、手を握り、さらにキスするまでの仲の恋人となる。3年の夏休み、北海道無銭旅行に出る。



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悠介は、リュックサックを降ろして畳の上に座った。しかし、落ち着かない。由樹枝に手紙を書こうと思ったが、その気にもなれず、やはり落ち着かない。それで、何も出来ないならば、お店の仕事を手伝おうと、親父さんの所へ行った。
「何か、手伝う事ありますか?」
「ん、手伝ってくれるのか?」
「はい、泊めて貰うので、何か手伝えればと思って。」

パチンコ屋の中は、お客さんで一杯であった。悠介は、お店の裏の倉庫のような所に連れて行かれ、景品の整理をしてくれと、言われた。荷物を開けて、品物ごとに整理する仕事であった。大した仕事ではない。その仕事が終わった頃、夕食を従業員の皆さんと一緒に食べた。お店を閉めた後は、お店の掃除を手伝った。まず、落ちているパチンコ玉を磁石の付いた棒で拾い集めるのである。床の清掃は機械で行うようで、悠介には出来ない。パチンコ玉を運ぶ作業を手伝った。重いのでかなりの重労働である。

翌朝も手伝いをしようと思ったが、開店まで特にないと言う。手持無沙汰である。朝食をご馳走になった後、親父さんに呼ばれた。あの男達はやくざだ。彼らの手伝いなどしないで、早く出発した方が良いと言う。手伝う約束だからと、悠介が言うと、そんな事は何とでも言っておく、手伝ってくれたお礼だと小遣いまでくれた。親父さんの温情を感じて、何度も礼を言って、パチンコ屋を出た。

悠介の感じからもあの男達は悪い人達だと思っていたので、親父さんの対応には感謝した。あのままボクシングの興行の手伝いをしていたら、どうなっていたのだろう? と考えると、出てきて良かったと思うのであった。

親父さんから小遣いを貰ったので、青函連絡船に乗る資金はある。そのお金を稼がねばならないので、やくざからの誘いを断らなかったのである。青森へ向かってヒッチハイクを続けた。三沢を朝早く出発したので、ヒッチハイクがうまく行かず、かなり歩いたものの、青森には、昼前に着くことが出来た。すぐに、連絡船のチケットを買って乗り込んだ。

大海原である、海なし県で育った悠介にとって、これほど広い海を見たのは初めてである。感動しながら、海を眺めている。旅に出ているんだなー、と感慨に耽る。まだ長野を出発して、3日目であった。遠くに来たんだなー、と感じる。大きな海を見ていると飽きない。少し肌寒い甲板であるが、悠介はずっとそこに佇んでいた。

函館に着いたのは、夕方である。ここからさらに移動は無理である。函館に泊まる事にした。駅前にバス停があった。一人先客がいたが、そこで寝る事にした。先客は東京から来た大学生である。悠介と同じように野宿しながら北海道を旅するとのことで話があった。無銭旅行でバイトしながら、ヒッチハイクをすると言ったら、網走の近くに叔父さんがいて働いている、そこへ行けば、バイトさせてくれるだろう、と連絡先を教えてくれた。

バス停の屋根は、大きくない。雨が降れば濡れてしまうので、雨が降らないでくれと悠介は祈っていた。パンと牛乳の夕食を食べたら、やる事がない。バス停の電気は暗いが由樹枝に手紙を書くことにした。きっと心配して手紙を待っているだろう。元気に移動して、青函連絡船に乗って、函館まで来たと書いた。毎日、由樹枝の事を想っているとも書いた。会えないので寂しいとも書いた。いつでも抱きしめたいとも書いた。

手紙を書き終えて、寝袋の中に入った。顔をあげると夜空が見える。天気予報は分からないが、雨は大丈夫そうだと悠介は安心した。そして深い眠りの中に落ち込んでいった。

明るくなって目が覚めた。何時頃だろう? まだ5時頃かも知れない。先客の大学生も起きて、もう寝袋を片付けている。出発するようだ。バイト先を紹介して貰ったので、お礼を言った。彼は、会ったら叔父さんによろしく伝えてくれと言って、出発した。函館は、見たい所があるので、1日見学して、もう1泊する必要があるかな、と思いつつ、郵便局を探した。人に聞きながら探したいのであるが、朝も早いので、歩いている人もいない。そして郵便局を探しても、まだ開いていない事に悠介は気づいた。

「今、探しても、意味ないなー。」
かなり歩いて、小さなお店を見つけた。おばさんが一人店番をしている。パンを買った。牛乳を買おうと思ったら売ってなかった。おばさんが、どこから来た? とか話しかけて来た。話し好きの人らしい。
「冷奴食べるか? さっき買ったのだよ。」

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Last updated  2020.01.01 21:03:04
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