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カテゴリ:作家
第145回は、公序良俗に抵触する可能性がありますので、掲載を中止しました。
このブログが削除されないようにしたいので、ご理解の上、ご了承願います。 ================================= あらすじ 悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、あまりに積極的な彼女に右往左往する悠介であった。別れたいが別れさせてくれないので困っている。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。披露宴で会った悦子と一夜を共にする。 写真はネットより借用 =================================== 悠介も悦子もシャワーを浴びてきた。激しい交接で汗を掻いたのである。 「ねぇ、又、会ってよね?」 「無理って言ったろう? 明日から就職してどこへ行くか分からないのだから。」 「行き先が決まったら教えて?」 悦子は身体を合わせた者同士の親しさで悠介に言った。悠介は教えるつもりはなかったが、悦子から住所と電話番号の書いたメモを渡された。 「ねぇ、今日はどうするの?」 「今日は午後から用事がある。人と会う約束があるんだ、」 「そうなの、残念ね。」 「チェックアウトして朝食食べて帰ろう。」 「もっと一緒にいたいけど、仕方ないね。帰りましょうか?」 夕方から唐橋由美子が部屋に来る。心の重荷になっている一件である。この夜で最後となるはずである。しかし由美子は最後と思っていないのが重荷なのであった。さよならの言葉は言わないで、遠く離れて自然解消にしたいのが悠介なのだ。 雰囲気のあるカフェでサンドイッチとコーヒーの朝食とした。朝の光で悦子を見ると若々しく綺麗な肌をしているのが分かる。顔立ちも悪くない。悠介などと係わらなくとも男達が放って置かないであろう。きっとすぐに新しい男が出来るであろうと悠介は気が楽になった。 新宿から部屋に戻った。もう10時を廻っていた。明日は引っ越しである。世話になったバイト先の社長や会社の人達に挨拶に行かねばならない。悠介の大学生活はバイトで始まりバイトで終わった感じである。休みはほぼ仕事に出かけた。勉強は平日で十分であった。予定通り成績優秀で卒業できた。貯めたお金は矢代由美子の宿代などで一旦はほぼゼロになったが、その後貯めたお金がある。お金には全く苦労はしなかった。バイトで稼ぐ他、親からの仕送りもあったからである。振り返って見れば学生生活は悪くなかった。勉強にバイト、そして女性にも不自由しなかった。小平由樹枝と別れねばならなかったのが唯一の心残りである。一時期は心に重く圧し掛かり苦しくて仕方なかったが、過ぎ去って見れば熱病に侵されたようなものであった。しかしもう一度あの時に戻れるのならば、小平由樹枝とは別れず、結婚したいと思う。それほど相性も良く愛していたのである。 バイト先の事務所に行った。小柳社長は在席であった。そして一番世話になった長友もたまたま事務所に戻っており会えた。 「色々とお世話になりました。明日引っ越しします。」 「そうか、4年間頑張ったな。一人前になったのに居なくなると困るよ。」 小柳社長が心より労ってくれた。悠介も大学生活で一番世話になった方なので、去り難い気持ちになった。もうここに来ることもないと思うと大きな寂しさが湧いて来た。 「新しい生活に慣れて来たら、頼りでも出してくれ。」 小柳社長から言われた。そうだ手紙を出そうと悠介も思った。親切にして貰って感謝の言葉も見つからない。丁寧にお礼を言って事務所を出た。 丁度昼時である。ここでも世話になった満腹食堂で最後の昼食を食べる事にした。 「こんにちわ。」 「あらー、テラちゃん、いつ引っ越しするの?」 店員の礼子さんが親しそうに声を掛けてくれた。知り合いは何人かいたが、夜飲みながら雑談をする人達はいなかった。夜も来たかったが、由美子がやって来る。放って置く訳には行かないし、由美子を連れて来ることも出来ない。最後の挨拶は出来ないが、礼子によろしく伝えて欲しいと頼む事にした。 「明日引っ越しします。色々とお世話になりました。皆さんに挨拶出来ませんが、どうかよろしくお伝え下さい。」 「分かったわ。皆さんも寂しくなるなー。って言ってましたよ。」 悠介がいない間も悠介の話題は出ていたようだ。名残惜しいがカツ丼を食べてお店を後にした。 夜は由美子の為に料理を作らねばならない。最後の晩餐である。煮物、炒め物、野菜サラダの材料を買い揃え刺身も買う事にした。引っ越しの準備は全て完了してある。、今夜寝る布団を除いて段ボールに入れてある。料理用具は置いて行く。持って行く物は少ない。まめまめしく働き、全て準備は完了した。由美子は時間通り、18時にやって来た。 =================================== お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.02.20 06:41:36
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