宮本輝『野の春(流転の海/第九部)』
とうとう九巻を読み終えた九巻を読み始めてからずっとどんなところで終わるのだろうかということを頭の片隅で考えていた当然と言えば当然かもしれないが主人公の熊吾が死んで小説も終わったとにかく文句なしに面白い小説だったなにが、どこが、と言われてもうまく言えそうにないのが残念出世物語でも、ハッピーエンドでもない恋愛小説でもなければ青春小説でもない苦もあれば楽もある、ごく普通の人生をそのまま小説にしたようなものだと思った登場人物のそれぞれの個性が楽しかった特に主人公一家の三人に魅力を感じた実際に世の中にはこういう人がいそうだそういう人たちの生き方、心情がよく描けていると思った読んで楽しい小説に出会えてよかった!