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カテゴリ:感動&人生を変える本やお話
「こころのチキンスープ」 著者:ジャック・キャンフィールド/マーク・V・ハンセン 訳者:木村真理/土屋繁樹 出版:ダイヤモンド社 「こころのチキンスープ」というタイトルの由来ですが、ヨーロッパやアメリカでは、風邪をひいたとき、体の具合が悪くなったとき、お母さんやお祖母さんが早くよくなるようにとチキンスープを作ってくれるそうですが、チキンスープが体を癒すように、この本に集められた感動するストーリーが、読む人の心や魂を癒すことができるようにという願いを込めて、このタイトルがつけられたそうです。 実際に読んでみると、本当に感動するストーリーばかりが集められています。人によって感じ方、受け取り方が違うので、感動する話、涙する話、それぞれ違うと思います。ですが、生きるために必要なこと、大切なこと、それらがいっぱい詰まっている本だと思います。 本当にいい話ばかりなのですが、中でも自分もこういうことができたらいいな、って思ったのが、「ニューヨークに愛を」というストーリーです。 ダル・ミルマンさんという方のお話ですが、NYで友人と一緒にタクシーに乗った時のこと、降りる時に友人がタクシーの運転手にこんな言葉をかけたそうです。 「どうもありがとう。君は実に運転がうまいね。」 運転手は、一瞬びっくりしていたけれど、 「お客さん、口がうまいね。からかってもらっちゃ困るぜ。」と言ったそうです。 すると友人は、「いやいや、そうじゃないよ。NYは車がひしめきあっているし、無茶苦茶な運転している連中が多いだろう。そんな中で、君が驚くほど冷静なんで感心しているんだ。」と友人がいうと、「そうかい」とそっけなく言って、運転手は走り去ったそうです。 ダルさんが、今のはいったい何だったのかとその友人に聞くと、 「僕はNYに愛を呼び戻したいんだよ。こんなにすさんでしまったNYをよみがえらせる方法は、愛しかないと信じているんだ。」と答えたそうです。 その友人は、自分の言葉でその運転手が気分を良くしたと思う、そして、その運転手がこれから20人の客を乗せるとすると、運転手がいい気分でいれば、客にも親切にするだろう。すると今度は20人の客がまわりの人たちにまた親切にする。つまり連鎖反応を起こすのだ。人によってもちろん反応は違うけれど、自分が10人の人に親切にしたとして、そのうちのたった3人でも気分が良くなったとすると、これがまわりまわって3000人以上に影響を及ぼすことにもなる、というのです。 なるほど、と思いました。 日本でも同じですよね。 都内を歩いていても、人が困っていても見向きもしない人が多い中、ふとした優しさや思いやりに出会うと、とてもありがたく感じると共に、もし自分が逆の立場だったら、こういう親切ができるようになろう、そう思うことが実際私にも何度かあります。 そのうちの一つは、海外旅行からの帰り、私はスカイダイビング装備一式が入った、かなり重いスーツケース(20kg以上はありました)を持って、池袋駅の階段を登っていました。反対側の肩にも、15kgくらいの荷物を背負っていたので、その階段を登るのはかなりの苦痛でした。 その時です。「一緒に持ちますよ。」と、さりげなく、そして、素早く、私のスーツケースの取っ手を掴み、一緒に階段の上まで運んでくれた方がいます。 上まで登りきると、「ありがとうございました!本当に助かりました!」という私のお礼の声を背に、颯爽と駅の改札へと消えていきました。 しかも、この方、男性ではなく、若い女性だったのです! なんてカッコいいんだろう!そして、なんという優しさなのだろう。 「持ちましょうか?」ではなく、「持ちますよ。」と言う言葉。 そして、その言葉が早かったか、取っ手を掴むのが早かったか、わからなかったくらいの行動力。 東京にも、こういう方がいるんだ!都会も捨てたもんじゃないなぁ~。そうして、とても幸せな気持ちで、家へと向かったのを思い出します。 気持ちの連鎖反応は、必ずといっていいほど起きます。 気持ちは周りに伝わってしまうのです。 そういう意味では、たった一人でも、周りを変えるだけの力を持ちます。 たった一人の行動は、たとえ小さなものでも、気持ちの連鎖反応で、どんどん大きなものへと繋がっていきます。 だから、自分一人では何もできない、と思うのではなく、まずは自分一人でも、心に良い思いを持って、行動を起こすことが、とても大事なんだなって思います。 できないことばかりに目を奪われるのではなく、できることに注目して、感謝して、過ごしていけたら幸せですよね。 それは、自分自身のことについてもそうだし、周りの仲間に対してもそうだと思います。 人の良いところを認めることができる、そういう人になりたいと心より思います。 「こころのチキンスープ」はシリーズになっています。私はまだシリーズ2までしか読んでいませんが、そのうちに、出ているもの全部読みたいと思っています。 この本は、図書館で借りてきました。 とても癒される、たまらなく感動する一冊です。 ↑こちらでこの本に出会えます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.11.25 22:14:52
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