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映画に恋してる

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夏恋karen

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カテゴリ:映画館で観た映画










彼は歌う。
虐げられた者たちの
心の叫びを。
夜の闇のように
深く響く声で。






フォルサム刑務所はその日
いつもとは違う熱気に包まれていた。





地を這うような振動は
やがてリズムを刻みはじめる。
足を踏みならし 手を叩き
囚人たちが待ちわびるのは
自分たちの心の叫びを知っている
黒服の男。






楽屋にと用意された工作室に
伝説のミュージシャン
ジョニー・キャッシュはいた。
そっと指で触れる
片隅に置かれた
チェーンソーの刃。
彼の思いの先に
あるものは何なのか。





ドアの向こうの歓声は
刻一刻と高まっていく・・・。



















オープニングの重低音が
印象的なこんなワンシーンから
物語は彼の少年時代へと
一気にタイムスリップしていきます。




実はこの数分後
映画はまだ始まったばかりだというのに
泣けて泣けて
涙で前が見えなくなりました。




彼が指で触れていた
チェーンソーの刃。
それには
彼の歩んだ波乱の人生の
最初の一歩が詰め込まれていたから。






(ここから少しネタバレです)







運命の日はあまりにも突然。
憧れの兄貴であり、
家族の自慢の息子でもあった
二歳年上の兄ジャックを
ジョニーは12歳の時に亡くします。

 


「お前は釣りをしておいで」
「これを仕上げなきゃ1ドルがもらえない」
兄は家計を助けるために
材木を切る仕事をしていたの。




貧しいけれど仲の良い兄弟。





思いもかけず
家に帰ったジョニーが目にしたのは
ズタズタになった兄の
血染めのシャツでした。




まさかそれが永遠の
別れになってしまうなんて・・・。




「どこにいたんだ!?」
氷のような父の言葉は
幼かったジョニーを突き放し
さらに苛立ちと思いをぶつけるように
「悪魔は、良い子の方を奪った」と
悲嘆にくれます。





兄に比べて役に立たず
音楽を愛するジョニーと
父とのソリが合わなかったのは元々だけど
どんなにか傷ついたことでしょう。
ただ独りの理解者で
大好きだった兄を失い
同時に父の愛さえも
失ってしまったのだから。






それは辛すぎる思い出ではあるけれど
この出来事なしにはきっと
彼の歌はあり得なかった。
孤独、貧しさ、怒り、苦しみ
そんなものを心に秘めた彼だからこそ
いろんなアーティストに影響を与えるような
彼独自の
数々の名曲を作り出すことができたのでしょう。





そして、ジョニーを演じたホアキンも
人気者だった兄を亡くした過去を持つ男。
その心中と、この役に巡り合った
運命というものについて思うとき
やはり胸がいっぱいになって
なんだかとても切なかったです。









ミュージシャンの伝記というと
いつもお決まりのパターンで描かれますよね。
栄光と挫折、ドラッグと愛人、家庭崩壊、そして再起。
ジョニーのこの物語も
それは御多分に漏れずだけど
ありきたりのストーリーでは納まらない
何かがあるような気がするの。






愛することに不器用で
だけどひたすらに一途な男。
兄の死と父との確執というトラウマに
もがき苦しみ、弱さから時には溺れ
それが魂の叫びとなり
だからこそ愛を求めた。
ジューンという一筋の光に向かって
WALK THE LINE
「まっすぐ歩く」ということを
強く強く望んだのだと。




時にダメダメ男だったジョニーが
立ち直ることができたのも
ひとえに周りの人々の助けがあってこそ。
ジューンはもちろんのこと、
この物語に登場する人物は
なかなか素晴らしい人が多いです。





ジョニーが生活のために受けた
オーディション。
そのプロデューサーの言葉も
とてもとても秀逸だった。




得意のゴスペルを歌ったジョニーたちに
ノーをつきつけ
「ゴスペルなんて売れない。
人が死ぬ直前に聞きたくなるような曲を。
聞いたら一生忘れないような曲を歌え。
それが本当に人を救う歌だ」だって。




うろ覚えですが、こんなようなことを・・・。
映画を観ながら感心しちゃった。
いいこと言うなぁ・・・って(笑)
そこでジョニーは、軍隊にいた時に
刑務所の映画を観てインスパイアして作った歌を歌い
プロデューサーは心を打たれ
それがデビューのきっかけとなるわけです。
その刑務所とは、もちろん
冒頭のフォルサム刑務所です。なるほど♪





ジューンのご両親にも感動しきり。
実の親が見放しているドラッグ中毒のジョニー。
普通なら、娘を守るため
あんな男からは遠ざけたいと思うだろうに
家族ぐるみで彼を立ち直らせようとしたの。
このあたりも泣けて泣けて仕方がなかった。
実話ですよ?
なんて人間的に素敵なご両親なんだろう。






物語が終わったら最後に字幕で
もうひと泣き。



「コンビとしてコンサートツアーを30年以上も続け、
つい数年前にジューンが亡くなり、
すぐに後を追うようにジョニーもこの世を去った・・・」と。
号泣・・・。



今日のレビューでは
ジューン・カーターとの恋については
あえてあまり触れませんでした。
是非映画で確かめてくださいね!




単にミュージシャンの伝記としてではなく
人間ドラマとして見て欲しい映画です♪












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Last updated  2006.03.08 08:10:04
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あかまっちゃん2004@ Re:アース  EARTH(01/17) ようやくDVDで見ました。ただ、プロジ…
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セビセビ@ 七光り うおぅ。。 なぜかは分りませんが、禁止…
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