ブラッド・ダイヤモンド
レオナルド・ディカプリオの最新作、「ブラッド・ダイヤモンド」を観てきました。舞台は1999年、内戦が続くアフリカ、シエラレオネ。残酷な映像が多く、目を逸らしてしまいそうになりながらも、これは現実として受け止めなければという気持ちが大きくなりました。私たちがアクセサリーとして身につけるダイヤモンド。この高価な石が内戦を長引かせる原因になっている。そんな悲しい現実に対してやりきれない思いが込上げてきます。平和の中で生活している私たちが、密輸されたダイヤモンドを手にしないとも限らない。密輸されたダイヤモンドの為に、多くの人血を流しているのだということを忘れてはならないと思います。さて、主人公のレオナルド・ディカプリオですが、今回はダイヤの密売人で、とっても悪い役のはずなんです。しかし、それにしてはいい人そうに見える・・・と感じたのは私だけでしょうか?私のディカプリオに対するイメージそうさせているのかもしれませんが、「頑張って悪ぶっている」感じに見えてしまいました。実際、頑張って演じているのだと思いますが、その「頑張り」が視聴者に伝わらなければもっと良かったかなと。ディカプリオの代わりは他の俳優さんでも・・・と思いましたが、ジャイモン・フンスーの代わりは誰も演じられません!内戦によって離れ離れになった家族を探すソロモン役のジャイモン・フンスー。「サハラに舞う羽」でも存在感をかもし出していたフンスーですが、今回も圧倒的な存在感でした。家族を取り戻せるなら死をもいとわない父親の姿・・・心打たれます。彼の表現する激しい怒りや、静かな悲しみは、無意味な内戦に幸福を引き裂かれたソロモンの魂の叫びです。「なぜ黒人同士が戦うんだ。」というソロモンの言葉。この内戦でお金を得ている人たちがいる。そんな事実を許してはいけないと思います。本当に色々なことを考えさせられる映画でした。泣ける・・・というよりは、衝撃を受ける作品です。