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テーマ:DVD映画鑑賞(13964)
カテゴリ:フランス映画
L'APPARTEMENT
Gilles Mimouni (以下ネタバレはないと思います) 結婚間近の主人公マックス(ヴァンサン・カッセル)が宝石店で婚約指輪を選んでいる場面から映画は始まります。「これはシンプルながら控え目な高貴さがあり、軽薄でないのが魅力。次のは奔放な輝きが魅力的ながら、近付き過ぎるとケガをする。触れるよりも見るためのもの。3番目のは控え目ながら目立たない驚きを秘めていて、光のあて方次第で星のごとくきらめく。」と宝石商は3つの指輪の説明をしますが、マックスは「どれもいい。」とひとつに決められません。映画はこの指輪の説明に象徴される3人の女性とマックスをめぐる物語で、指輪を決められなかったようにマックスの心は3人の女性のどれをも選び、あるいは捨てることができません。 今はビジネスマンとなったマックスは、日本の取引き相手と商談が成立し東京へ出張。空港へ見送りにきた婚約者ミュリエル(サンドリーヌ・ギベルラン)と別れると、電話で相手に出張のキャンセルを伝えてパリに残り、カフェで見かけた若い頃の恋愛の相手、すれ違いで謎の失踪をしてしまったリザ(モニカ・ベルッチ)の消息を辿ります。久しぶりに出会った高級靴店の友人リュシアン(ジャン=フィリップ・エコフェ)の彼女アリス(ロマーヌ・ボーランジェ)などが絡み、物語はサスペンスタッチで思わぬ展開を見せます。 指輪を選べなかったように優柔不断なマックスは偶然に抗うことができない、ラストとしてはやや訳のわからない終わり方ですが、女性たちの軽からぬ思いや運命が描かれていながら意外とすっきり見終えることができるのはこのラストのお陰かも知れません。愛の物語の部分は見甲斐がありますし、サスペンスの進行は小気味良く流れ、また(好みはともかく)登場者が美男美女揃いで、フランス映画らしい落ち着いて重厚なセットで繰り広げられる物語は見ていて飽きません。 サスペンス映画としてヒッチコックの作品からの引用・オマージュを指摘する方もいて、その例は、上写真は左が本映画、右がヒッチコックの『めまい』であり、下写真は左が本映画、右が同じくヒッチコックの『見知らぬ乗客』です。 DVDはフランスPAL盤はありますが、日本盤は未発売でVHSのみだと思います。いい映画なので日本でもDVD化されるといいのですが。まだビデオを置いているレンタルショップにはあると思います。 またまだ未見ですが、この映画は『ホワイト・ライズ』Wicker Park(米2003)としてリメイクされているようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.12.14 22:48:02
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