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パレスチナ1948 NAKBA
広河隆一監督 (つづき) そもそも我々普通の日本人にとって、この「ユダヤ人」なるものが難しい。調べようとすれば、バビロン捕囚だの、アッシリアだの、モーゼに率いられた出エジプトだの、選ばれた民だの、約束の土地だのと、2千年以上前の紀元前の古代史や旧約聖書の物語から始めなければならない。近過去としてはドレフュス事件に代表される差別や迫害の歴史があり、またナチ・ヒットラーによるショア(=ホロコースト)。そして現代では、相変わらず続く差別と同時に、9・11ユダヤ人ヤラセ説をも含めて、世界の政治や経済を牛耳るとも言われるユダヤ大資本がある。 古代イスラエルの地から大量のユダヤ人は奴隷としてエジプトに連れていかれた。しかし土地持ちのユダヤ人などは、イスラエルの地に残った。紀元前のことだからまだキリスト教もイスラームも存在しない。そして彼らは後にこれらの新興宗教に改宗した。一説、それもかなり有力な説によれば、イスラエルの地のパレスチナ人とは彼らだという。つまり現在のユダヤ人が民族浄化として追い払い、難民にしているのは、実は「民族」的に正統な古代ユダヤ人たちの末裔ということになる。 それでは二次大戦の時にナチに迫害されたユダヤ人、あるいは現在世界各地にいるユダヤ人、そうしたユダヤ人たちとはいったい何者なのだろう。ユダヤ教を信じる人々であろうか。キリスト教に改宗してヨーロッパ社会に順応した人々についても、そのルーツからユダヤ人とかユダヤ系とか言われる人々もいる。しかしそういう混血ユダヤ人の中には、何代にもわたって非ユダヤ人と混血してきた人々もいる。そして人種的にも世界にはかなり多様なユダヤ人が存在する。 また現在イスラエルでパレスチナ人を迫害するユダヤ人の多くは、古代ユダヤ人とは無関係だという説も有力だ。 つまりは歴史的にユダヤ人やユダヤ教徒から何らかの要素で派生していて、自分が「ユダヤ人である」というアイデンティティーを持ち続けている人々で、特にユダヤ教を信じている人々、そして属する社会からもユダヤ人であると認知されている人々と言えるのではないだろうか。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.03.24 11:22:07
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