テーマ:皇室(560)
カテゴリ:歴史 傳統 文化
平成十七年六月三十日(木)午後二時~四時半 於総理大臣官邸大会議室 出欠表 ○出席 ×欠席 △遅刻 ?不明 ・皇室典範に関する有識者会議メンバー 第 一 二 三 四 五 六 七 八 回 吉川弘之 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 産業技術総合研究所理事長、元東京大学総長 ・政府側 第 一 二 三 四 五 六 七 八 回 小泉純一郎 △ × × × × ? ? × 内閣総理大臣 (続き) ・女性天皇・女系天皇を認める場合の皇位継承順序について、長子優先か兄弟姉妹間男子優先とすべきかについては、長子優先が一番簡明であると思うが、これからの議論の中で具体的に考えていきたい。また、同じく皇族の範囲については、いろいろな考えがあるということがヒアリングでわかったが、少なくとも皇族女子が婚姻後も皇籍にとどまる可能性について検討する必要があるのではないか。 ・女性天皇・女系天皇を可能とした場合に、長子優先か兄弟姉妹間男子優先かということと、女性宮家を認めるかどうかということが、今後の検討のポイントになるのではないか。 ・女性天皇・女系天皇を認める場合の皇位継承順序については、歴史的な経緯、肉体的なハンディ、国民の感情などを考えると、長子よりも兄弟姉妹間では男性の方がいいのではないかと、まだ途中段階であるが、今は漠然とそういう気持ちがある。 ・女性・女系天皇を可能とした場合の継承順序については、まだ定見は固まっていないが、配偶者の問題を考えると、今日の状況では、兄弟姉妹間男子優先の方がいいかなと内心思う時がある。ただ、何十年も先にはどうなっているのかなとも思う。 ・男系男子を維持する方法としては、皇族の復活、養子、現在の皇族女性との婚姻という三つの方法しかない。現在の皇族女性との婚姻は、制度として構築するのは無理。皇族の復活・養子は、国民の意識との関係で難しいのではないか。 ・世の中の変化に応じて当然変えていかなければならないものと、変えてはいけないものがある。この二つの切り分けが、男系か女系かという問題にもあるのではないか。これまでの歴史の中で、その時々で叡智を出し合いながら皇位を継承してきたとするならば、我々も徹底的に議論すべき。十一宮家の問題も、叡智を出し合うということになるのではないか。 ・旧皇族の復帰や養子を認める、庶系を認めるというようなことは、一切、皇室典範の議論の枠の外ではないかと思う。とにかく議論してみなければならないということだとは思うが、少しでもこの枠を広げるということになれば、かなり大きな難しい問題となる。 ・庶系継承が認められなくなったなどの法的な制約のみならず、社会全体に子供が少なくなってきているという状況にあるということもある。したがって、この有識者会議に与えられた与件はとても狭く厳しいが、その中で決断しなければならない。 ・憲法は大前提であり、検討に当たっての出発点である。他方、ヒアリングの際に、養子等では、国民統合の象徴としての機能が果たせるかどうか、国民の支持が得られるかどうかという論点が表明されたが、これは、制度を安定的に維持するという点においても重要な問題であり、明示的に考える必要がある。また、少子化などの社会の変化を無視することはできないし、今後の社会の変化についても、ある程度の予測をすることはできるのではないか。 ・家や少子化に関連することなど社会の状況や国民の意識を考える場合には、都会と地方部など、地域性にも配慮しなければならない。 ・かつては必要であったと考えられる軍事力や戦の時代を乗り切るという要請については、今日の天皇には必要でなくなっている。また、妊娠・出産時には配慮が必要になるものの、以前とくらべると負担は軽くなっている。 ・次の世代における国民の皇室への支持という観点から、将来の世代との価値観の共有の問題を考える必要がある。 ・権威は個人をこえているが、権能は個人にとどめられるものであり、天皇の制度は、こうした大きな違いを内包している。 ・例えば今日の日本の水田農業の荒廃を考えたとき、将来その転機が訪れるとするならば、農耕儀礼としての大嘗祭はそのときの大切な価値を標榜するものと考えることができる。未来の大切な価値が、皇室の伝統の一番奥にあると考えることもできるのではないか。 ・何かを変える場合には、変えた後でも大切なものは維持されていくような方策を考えることが必要。そのような方策を考えることが、今有識者会議が求められていることなのではないか。 ・非常に理念的な考え方や、あまりに立派な原理原則にこだわらないで、その場その場に応じて柔軟な議論をしていく必要がある。 ・天皇の制度を維持していくためには、第一条件として皇位継承資格者を増加することが絶対に必要であるということがこれまでの議論で明快になった。そのための考えられる方策としては、一つには、女性天皇、女系天皇を認めること、もう一つには、旧宮家の復活など、旧皇族に登場してもらうこと。それぐらいしかない。 ・この有識者会議の報告書の内容は、いつから実施されると考えればいいのか。 ・法律というものは、いかなる事態が生じても適用されることが前提であり、そうしたことにならないよう、備えておく必要があるのではないか。 ・現に、今の皇室典範が制定されたときには全く見通しが立たなかったような事態がすでに発生しているが、五十・六十年後の社会がどうなっているのか、可能な限り見据えて制度を考えるべき。例えば、大嘗祭についても中断していた時期があったように、大嘗祭がそのままの形で継承されなければカリスマ的な権威が残らないというものではなく、時代時代に応じていろいろな形が考えられるのではないか。 (三) 今後の進め方について 夏休み前に中立的な形で論点の整理を行うこととし、七月二十日と二十六日に会議を開催して、そのための議論を行うこととなった。また、次回七月二十日には、少子化、家の制度など、これまでの議論で出てきた社会状況に関する問題につき、事務局に資料の提出を求めることとなった。 配付資料 資料一「ヒアリングにおいて表明された皇位継承資格 平成十七年 十一月七日 アイク&ティナ・ターナー「セクシー・アイダ・パート1」を聴きながら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年12月26日 13時12分22秒
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