1078930 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

ふらりかずたま ひとり言 

ふらりかずたま ひとり言 

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2008年05月01日
XML
カテゴリ:釣り関係
先ごろ、中国人作家・姜戎(ジャンロン)の大ベストセラー「神なるオオカミ」を読みました。

1960年代、毛沢東の指示で始まった文化大革命のさなか、内モンゴルのオロン草原に下放された知識青年の物語。著者の自伝的小説です。

オロン草原で羊飼いをすることになった陳陣(チェンジェン)は、モンゴル人の古老の指導のもと遊牧生活を送るなかで、家畜を襲う敵であるオオカミを、同時にトーテムとして崇拝する遊牧民の生き方に惹きつけられます。
陳陣は、草原にとってオオカミが果たす重要な役割を認識します。彼は、捕食者として草原での食物連鎖の頂点にいるオオカミが、黄羊(モウコガゼル)や野ネズミが増えすぎて、草を食べ尽くすことを防ぎ、草原を砂漠化から守っていると知りました。
オオカミに魅せられた陳陣は巣穴からオオカミの子を盗み、古老の反対を押し切って飼うことにしますが…。

陳陣は多くのことを学びました。
遊牧民にとってオオカミは家畜を襲う敵であり、同時に草原での生活に恵みを与える神でもあったのです。遊牧民が守っているのは草原と自然の生命であり、彼らは持続可能な生態系のため、自然の恵みを獲り過ぎることなく、また過放牧を戒め草原を守ってきました。何世代にもわたり生態系のバランスを維持し続けてきたのです。遊牧民とオオカミは何千年もの間、抗争と協業を繰り返しながら、生命の躍動する豊かな草原を守って共存してきたと言えます。

ookami.jpg

一方、急激な人口増加に晒され、食料増産、生産性重視を掲げる人民公社は過放牧を強制、軍の協力のもとオオカミ根絶を図ります。モンゴルの古老がいかに警鐘を鳴らそうと聴く耳を持たず、オオカミを駆逐し、草原を開墾して農民を入植させ、瞬くうちに生態系のバランスを崩していきました。

内モンゴルのオロン草原からオオカミが消えて数年後、文化大革命の終結とともに陳陣たちは北京へ戻り復学します。30数年後、陳陣は、壮大なオロン草原の80%が砂漠化したことを知らされるのです。

この本を読みながら、三依で行なわれた「またぎ談義」に思いを馳せていました。「男鹿川釣り情報」サイトに掲載されていた内容と重なるのです。
かいつまんで紹介します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「またぎ談義 」
「またぎ」、もともとは農閑期の冬などに山に入り、熊やウサギなどをしとめて生活を営む狩人。ここ三依にも昭和51年までには40人のまたぎがいたそうです。いまは三依には3人しか残っていません。
狩猟だけで生活しているまたぎはいなくなったものの、先代からの伝統的な狩猟を継承する3人に今回お時間を頂いた。

自然環境が壊れてきている。今までは適度に生態を間引く事により環境が整っていた。
動物保護、規制。現在は有害駆除として、行政の許可を得て三依の地を守っています。
「三依では農業での生活が出来なくなった」「作物が作れない」。

matagi.jpg
またぎの言葉「俺たちは自然を守っている」(男鹿川釣り情報HPより)

かつての三依は蚕を育てるための桑の木があちらこちらに有ったそうですが、甘い桑の木は全て鹿に食べれしまったそうです。また、男鹿地区には12~13のサルの群れがおり140~150匹が生息しているそうです。

山の木々も10年後には全て枯れてしまうと言っています。
鹿は冬の時期、木々の皮を食べ生きています。保護の為に守られた鹿が増え山々の木々が枯れている。
山の木々が枯れれば水も無くなる。雨が降り、木の根に抱き込まれた水は地下にしみ
清冽な沢水となって流れ、川を作る。山、木々、動物、鳥、魚、自然環境の問題に輪を掛け全ての循環が崩れ始まっている。

彼らは我々以上に自然を感じ、危機感を持っています。
そしてクマや鹿、山菜などの森の惠は山の神様からの授かりものだと理解している。
我々は自然に生かされている。またぎに限らず、時代を受け継ぐものとしてひとつの伝統がなくなってしまう。

またぎの言葉
「俺たちは自然保護してるんだ」
「一つの個体だけ残すってことぁできねぇ」
「牛も豚も鮭も岩魚も誰かがやってくれてんだぁ」
「狩猟は自然保護。大昔から狩猟は増えすぎた種を適度に残す手段だった。一つの種だけを残す事は不可能、たとえば(保護されている)大鷹が増えたため大鷹の好物の山鳥が激減した」
これこそ 人間の反自然行為。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
詳しくは「男鹿川釣り情報」06年12月23日、07年2月4日、08年1月14日、08年2月9日を読んでください。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008年05月01日 02時20分51秒
コメント(2) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.