平成25年度の第４回盛岡競馬は７月13日から前半３日間、７月20日から後半３日間の計６日間開催される。

　初日（13日）のメインレースは３歳馬による新設重賞『第１回ハヤテスプリント』ダート1000ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は13頭。

　タイトル戦線における実績ではヴェルシュナイダーが断然の存在だが、電撃の５ハロン戦ならスピードで押すリュウノタケシツウ、ドラゴンオサムの快速馬２騎に注目が集まるところ。また、本格的なスプリント戦は久々という馬が多いメンバー構成だけに、思わぬ馬の台頭も考えておきたい一戦。

　２日目（14日）のメインレースは３歳馬による地方全国交流重賞『第14回オパールカップ』芝1700ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は14頭。

　まずは遠征馬３騎から。船橋のメロディアスは道営代表として挑んだ昨年９月のジュニアグランプリ（盛岡芝1600ｍ）２着以来の岩手遠征。芝はこれ以外にも中央遠征で４度経験があり、芝適性は疑う余地なし。今回も主力級の評価が必要だろう。
　同じく船橋のブエラも道営代表としてジュニアグランプリ６着の記録。南関東では８戦して２着がなんと６回と勝ち切れていないが、メロディアス同様に社台グループの生産＆所有馬であり、芝を狙っての再遠征となる。
　大井のヴェリイブライトは芝経験はないが、２歳時にハイセイコー記念２着。東京ダービーにまで駒を進めている好素材。前々走、川崎のクラウンカップで５着に食い込んでおり、左回りに関しては不安はなさそうだ。
　迎え撃つ地元勢。大将格は５月のはまなす賞（盛岡芝1600ｍ）を制し、ジュニアグランプリ３着の実績もあるハカタドンタク。
　脇を固めるのは今シーズンこそ不振だが、道営代表としてジュニアグランプリを制したセラミックガール、デビュー以来、芝に照準を合わせるオールマイウェイ、そしてただいま絶好調のコウギョウデジタル。激戦は必至と言えそうだ。
　なお、この競走の１着馬には９月29日に行われる重賞『ＯＲＯカップ』への優先出走権、および、東北ブロック代表馬としてＪＲＡ菊花賞ステップ競走への優先出走権が与えられる。

　３日目（15日）にはこの開催のメインイベント、今シーズンのダートグレード競走第１弾『第17回マーキュリーカップ(Jpn3)』が行われる。ダート2000ｍ。フルゲート＝14頭に対して登録馬は22頭。

　最注目はシビルウォー。昨年は驚異のレコードタイムでこの競走を楽勝。今年はＪＣダート以来、約７ヶ月ぶりの実戦となるが、３走前にブリーダーズゴールドカップ(Jpn2)圧勝、２走前にＪＢＣクラシック(Jpn1)２着の実績は他馬を圧倒する。
　続くのはグランドシチー。昨年はシビルウォーにはかなわなかったが、素晴らしい伸びで２着を確保。その後３勝をマークし、前走・マーチステークス(G3)で念願の初重賞制覇を成し遂げており、近況の充実ぶりではナンバーワンの存在。
　快速・エーシンモアオバーは中～長距離のダートグレード戦線ではおなじみの存在。地方遠征で掲示板を外したことは１度もなく、ただいま４戦連続連対中。今回は強力な同型がいないだけに、気分よく逃げられれば大望も可能と目される。
　ソリタリーキング、ランフォルセも近況こそもうひとつだが、実力は前記馬に見劣るものではない。復調なれば一発があっても何ら不思議ではない。
　中央馬５頭がこの顔ぶれでは地方馬には出る幕がなさそう。強いて挙げれば、遠征馬では船橋のトーセンルーチェ、地元勢では売り出し中のコスモフィナンシェに注目だが、掲示板に載るようなら大健闘ではないだろうか？

　後半週の最注目レースは５日目（21日）に行われる、古馬牝馬による重賞競走『第14回フェアリーカップ』ダート1800ｍ。フルゲート＝12頭に対して登録馬は12頭。

　まずは昨年、６馬身差で圧勝したマイネヴィント。今シーズンはここまで３戦オール着外と復調に手間取っているが、牡馬相手に「北上川大賞典」優勝、グランプリ「桐花賞」２着の実績はここでは断然。牝馬限定戦でキッカケを掴みたいところ。
　ここが岩手復帰戦となるミキノウインクも大注目。昨年は岩手版オークス「ひまわり賞」を大差勝ちし、地方全国交流の「ビューチフルドリーマーカップ」ではマイネヴィントに次ぐ５着に健闘した素材。前走、大井で僅差を勝負を演じており、移籍初戦でも期待できるデキにありそうだ。
　他ではＡ級戦で連続２着のマイネルナロッサ、Ｂ１ながら連勝中のカーリーネイト、快速サーストンサブリナあたりも上位を窺う。
　なお、この競走の１～２着馬には９月２日に行われる重賞『ビューチフルドリーマーカップ』への優先出走権が与えられる。
　
　

（文：エイカン　内山達明）

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