テーマ:☆詩を書きましょう☆(8332)
カテゴリ:詩
時代は危機の只中にあって
僕らの生は空白の砂上を見つめていた 理想は既に死に絶え 夢は脆く原型を保っている 誰一人 祈る者もない 瓦礫の聖堂の中で 不吉な空気が街を蝕み それとない不安が 夜を駆け抜けていく そして今夜 名も知れぬ郊外で 命の泉がもう一つ消えた 荒れ果てたショッピングモールの終りなき戦線 僕は見つめようとした その全てを 流れから抗うために 時間へ投企するために 僕は解読しようとした もてる力を振り絞って 自らの身を守るために 災厄から逃れるために 静かな戦火が 曇り空を覆い 街の灯りが 今 消えようとしている 深い眠りについた破壊の神を パンドラの箱から引きずり出すために 終りなき戦場 沈黙した銃声 そしてまた明日 天使たちの混声曲は 転調を繰り返し 転移していく 流転する空間 崩壊する時代 危うい僕らの愛 空疎な僕らの祈り この戦線で 僕らが 生き残るということ ウィリアム・ギブソン THE BELOVED(voice for THREE HEAD)を元詩にしています お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.04.09 14:09:26
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